【AQUA254号】インドネシアATINA社竣工式と視察報告

 三月二四日にインドネシア・シドアルジョにあるATINA社において同社のエビ冷凍加工の新工場竣工式が行われました。BMW技術協会からは伊藤幸蔵理事長をはじめ、清水澄常任理事、生田喜和常任理事、協会法人会員である生活クラブ奈良の立石昭彦理事長、㈱匠集団そらの星加氏と秋山の六人が出席しました。竣工式が終わった後はエビの養殖池や稚エビの生産場、山間部にある有機農家等を視察しましたので報告します。

 インドネシアのATINA社へのBMW技術の導入計画は二〇一〇年から始まりました。その間、インドネシアと同社の視察、現地スタッフとの意見交換などを繰り返し、二〇一一年四月に第一計画案を完成させました。これを盛り込む形でATINA社は新工場建設を開始し、計画開始から約二年半の月日を経て新工場が完成し、BMW技術も導入されました。

◇三月二四日 〜竣工式
 竣工式にはエビの生産者、ATINA社スタッフ、工場の従業員、取引先関係などを含め、およそ二〇〇名が出席、地元のスラバヤ県知事も出席していました。
 式のはじめは、日本とインドネシア間でのフェアトレードを始めるに当たり、そしてその後の取り組みを進めて行くにあたって多大な貢献をされ、奇しくも前日の三月二三日に逝去された、村井吉敬氏(上智大学名誉教授・NPO法人APLA共同代表)への黙とうから始まりました。続いて、ATINA社代表取締役(ATJ社前代表取締役)の堀田正彦氏の挨拶から始まりました。「インドネシアとのエビのフェアトレードを始めてから約二一年。二〇〇三年にATINA社ができ二〇〇五年に旧工場での稼働が始まってから約一〇年。この新工場の完成は新たなスタートとチャレンジ。スタッフの皆にとってこの新工場の稼働が大きな励みとなることを願っています。(中略)」。その後は日本のATJ社役員代表として行岡良治氏、エビ生産者代表としてホイルル・ウマム氏(通称:イルル氏)、スラバヤ県知事の祝辞挨拶があり、伝統舞踏、祈祷と続きました。出席者の中でも、嬉しそうな顔をした同社のスタッフや従業員さん達の笑顔が印象的でした。

◇三月二五日
   〜エビ養殖池の視察(シドアルジョ)
 朝からエビの養殖池を視察。船着場まで新工場から車で三〇分ほど移動し、そこから船でゆっくり川を下って行きます。海岸から近く、海水と淡水が混ざる「汽水」で養殖されるのがブラックタイガーです。訪れた養殖池は前日の竣工式で祝辞挨拶をした若き生産者の星・イルル氏の圃場。まずはじめに、イルル氏による説明がありました。「パランロノと呼んでいる(池ごとの呼称)この養殖池は、総面積一〇ha、五つの池にわかれている。養殖するのは四つの池、川との水門がある一つの池は調整池になっている。伝統型粗放養殖でエビとバンデン(ミルクフィッシュ)を混合して養殖している。年に一度水を全部排水し乾干しを行います。ここでの収穫量は一ヘクタールあたり平均約四〇kg。池にはガンガンという水草を発酵させて投入し、そこに発生するプランクトンがエビの餌となる。抗生物質等は一切使用しない。収穫は昔から使われている「罠」を使用して行われ、この罠はできるだけエビに傷をつけずに最小限の労力で収穫するための巧みな知恵が詰まったもの。」
 続いて、ATINA社スタッフによる稚エビから養殖池に放流されるまでの過程の説明がありました。「エビは卵から孵化後約二〇日間、四つのステージに分けてハッチェリーと呼ばれる稚エビ生産場で生育し養殖池に入れられる。養殖池に入ってから約三カ月で収穫。」一通りの説明の後には収穫しているところを視察し、昼食には獲れたてのエビを食すなどしました。
 また、清水常任理事を中心に、河川の汚染に悩む生産者と池の水の浄化方法などの意見交換を行いました。このことに関しては後日あらためてお互いの意見をまとめ検討して行くこととなりました。

◇三月二六日
〜稚エビ生産場(シトゥボンド)
 シドアルジョから列車で約三時間移動し、ジェンバーという町の到着。そこからさらに車で一時間半、シトゥボンドという場所にある稚エビの生産場、通称ハッチェリー(意味は「孵化させる」とのこと)を視察しました。親エビはお隣の島、スマトラ島のアチェというところから月に一度仕入れて、ここで産卵させます。エビは一度の産卵で五〇万〜八〇万個の卵を産みます。まず親エビ、メス三〇尾、オス二〇尾を同じ水槽に入れ交配させます。メスは片目を切り取って産卵を促すそうです。卵を抱いたエビから別の水槽に移され産卵をさせます。孵化した稚エビは三つのステージに分けられて生育され、かなり小さい状態で池に放流されます。ここでの生育率は多少のバラつきがあります。人工餌や抗生物質を使用しないため、手間もかかりますが、なかなか安定させるのは難しいとのことでした。協会からは生物活性水を利用した実験を提案し、その場で急遽学習会を行いました。ハッチェリーの責任者と生産者のイルル氏に伊藤理事長がBMW技術の基礎、考え方や理念などを説明しました。通訳をされたATINA社GMの津留歴子氏の丁寧な通訳の手助けもあり、彼らはだいぶ理解を深めてくれたようでした。今年の秋には日本に来日する予定があるので、是非、BMW技術の実践現場を訪問をしたいとのことでした。
生物活性水を使用した実験は六月か七月に開始されます。

◇三月二七日
〜マラン高原の有機農業生産者との交流
 ジェンバーから車でマラン高原へ向いました。途中、東ジャワ島で一番大きな火力発電所を通り、この発電所敷地内に積み上げられている大量の石炭を見ると資源を持つ国のある意味での豊かさに溜息がでました。インドネシアのエネルギー資源は、石油をはじめ、天然ガス、石炭、水力、地熱などがあり、日本へは天然ガス、石炭を輸出しています。石油に関しても輸出国であったが、生産量が低下してきたことで二〇〇八年九月にOPEC(石油輸出国機構)を脱退し輸出は少ない。なお、ウラン資源に関しては、一九七一年からフランスや旧西ドイツの協力などで西カリマンタン地区のカリン(Kalin)地区に埋蔵量二万四千トンのウランがあり、三〇〇万kW級原子力発電所を一一年間稼動できるとしている。
 標高約一〇〇〇mのマラン高原に到着、海のちかい平場に比べるととても涼しくて過ごやすい場所でした。ちょうど日本で言うと夏場の高原地域のような気候が一年中だそうです。東ジャワ有機農業組合代表のフランス氏と組合のスタッフ、生産者数名との昼食を交えた交流会と圃場の視察行われました。この地区では一人当たり約二〇a〜五〇aの畑、総面積で二・三haの有機認証圃場で野菜の生産がおこなわれているとのこと。レタス、トマト、ほうれん草、セロリ、クレソンなど冷涼な高原の気候を活かした生産がなされていました。フランス氏の話によると、インドネシアでの有機野菜の販売価格はほうれん草一キログラム、日本円で五〇〇円くらいになるとのこと。一人あたりの栽培面積が少なくても「生業」にはなることに皆さん納得。有機米生産の取り組みも行っているとのことで、反収も一〇俵弱〜とのことでした。インドネシアは米の生産量も東南アジアの中では高かったのですが、最近はハイブリッド米の導入、おそらくアメリカからでしょうが化学肥料の多量投入の影響で生産高はかなり落ちてきているとのことでした。
 
◇今後の取り組み
 BMW技術協会としては、ハッチェリーでの稚エビの生育実験への協力、池の浄化の提案などをしていく予定です。また、現地の生産者たちとの技術交流も行っていきます。(報告:BMW技術協会事務局・秋山澄兄)

Author 事務局 : 2013年06月01日20:18

【AQUA254号】インドネシアにBMW技術 排水処理と生物活性水プラントが導入

 二月二二日より三月六日までインドネシア・シドアルジョのATINA社の新工場(エビ冷凍加工)にて排水処理と生物活性水のプラント設備工事を行いました。昨年より同社にて新工場建設が始まっており、工場敷地内の一番奥にプラントは建設されました。工場からでる排水(主にエビの加工排水と加工設備の洗浄水)を処理します。またその処理水の一部を生物活性水の製造に利用します。
 排水処理プラントの規模は流量調整槽、第一曝気槽、沈殿槽、第二曝気槽、自然石槽など五つの槽にわかれています。総容積は約五二〇t、ATINA社の日平均排水量が六〇トンなので、約八日間滞留させて処理を行う設計となっています。処理水の一部は生物活性水のプラントへ、残りはビオトープを経由してインディカトル(注釈)という調整池に流れ、そこから敷地外の河川に放流されます。工場から出る排水のBODは三〇〇〜五〇〇mg/リットルで、処理水はこれから検査をしますが、インドネシアの排水基準値以下(五〇〜一〇〇)まで処理される予定です。
 設備工事はATINA社の技術部門のスタッフと共同で行い(土木槽から屋根までプラントはすべてスタッフが建設)、辞書を片手に片言のインドネシア語と下手な英語を駆使(苦使)しながらのやり取りで、通常より時間が必要となりました。一緒に工事を行うことで、技術スタッフにもBMWプラントの仕組みや処理工程、BMW技術に対する理解が深まったのではないかと思います。今後、技術スタッフがプラントの日常管理をすると言う意味でも有効的な手段でありました。
 曝気用散気管のエア配管にもひとつひとつにサポートを取りつけて行くのですが、そういった部材も鋼材を切断し溶接するなどしての「手作り」でした。
 工事中、インドネシアは雨季で一日にスコールが数時間訪れます。このスコールは並大抵のものではなく、大嵐が吹き荒れるという感じで屋根があっても雨が吹き込み作業は中断します。スコールが来ないと今度は暑さとの戦いです。
 また、日本から送った設備資材がなかなか現地に届かないというアクシデントもあり、あらためて外国でのプラント工事は難しいものだと実感しました。現地スタッフとのやり取りや気候や現地事情により、なかなかはかどらない工事に気が急く場面もありましたが、なんとか無事に設備工事を終え、試運転調整を開始するところまで漕ぎつけました。試運転を開始したのは帰国する一日前でした。

 また、同社の工場は環境保全型の都市型工場を目指す目的にあります。インドネシアでは、多国籍企業が多くの工場を建設しています。雇用も増えるため都市部に人が集まってきています。その結果、工場排水、家庭排水等による都市河川の汚染が深刻な問題となっていて、これが下流域にあるエビの養殖池へも影響を及ぼしているとのこと。近隣の小さな河川は見るだけで汚染されているのがわかります。
 今後の予定は、処理水を利用したビオトープをこれからどういう方向で利用して行くか検討を進めていくこと。インディカトルでの魚の養殖(テラピアなどの稚魚を放流)、そして生物活性水をはじめ、BMW技術をどう現地で活かしていくかです。工事終了から約2週間後には新工場の竣工式が行われ、本格的に新工場の稼働が始まります。竣工式にはBMW技術協会からも理事長、常任理事など数名が参加し、現地のエビ養殖池や稚エビの養殖場などを視察し、BMW技術を現地でどう役立て行くかを検討していきます。
      (報告:㈱匠集団そら 星加浩二)
※インディカトル:工場の河川排水口前に大きな貯水池(調整池)を作ることが義務づけられているとのこと。この池は現地ではインディカトルと呼ばれているとのこと。

Author 事務局 : 2013年06月01日20:17

【AQUA254号】千葉BM技術協会・白州郷牧場視察研修会を実施

環境・食・健康の密接な関係を視察研修で再確認

 千葉BM技術協会は、去る四月一二日〜一三日、山梨県北杜市・白州郷牧場の視察研修会を行ないました。同研修会は、二〇一一年の福島第一原発事故以降、千葉BM技術協会で検討してきた『解抗免力』※注1等を高めるための農畜産物生産及び生活スタイル構築の取組みを進めるため、BMW技術を活用した生産や生活、発酵食品づくり等の現場を学ぶことを目的に実施されたものです。視察研修会には、生活協同組合パルシステム千葉、㈱パル・ミート、(農)和郷園、北見畜産㈲、NPO支援センターちば、㈲千葉自然学研究所ら、当協会の法人会員やプラント会員、個人会員合計一五人が参加しました。
 視察研修では、白州郷牧場の畜産・耕作現場の視察をはじめ、発酵食品づくりや、発酵飼料づくりを参加者が体験するプログラムが実施されたほか、同牧場で飼育される平飼いの採卵鶏と、一般業者が飼育する採卵鶏とは、何が違うのかをテーマに、内臓等の解剖比較を行なう鶏の解体検証を同牧場スタッフとの合同研修として、実施しました。

 一二日、白州郷牧場に到着した一行は、同牧場の販売部門を担当する「白州森と水の里センター」が運営する直売所兼レストランの「おっぽに亭こっこ」で、牧場の平飼い卵を賞味できる「卵かけご飯」で先ずは腹ごしらえ。食事後、木内克則千葉BM技術協会会長から挨拶の後、同牧場の椎名盛男代表と見田由布子氏から、牧場や生産の概要、子ども達の教育活動や、BMW技術等の取組みについて、ブリーフィングを受けました。
 続いて、牧場スタッフの内藤光氏の案内で、BMWプラントや、繁殖牛、平飼い養鶏、野菜ハウスや、育苗・栽培実験ハウス、パックセンター等を視察しました。内藤氏からは、同牧場の環境や有畜複合の資源循環型の生産方法について、詳しく解説がありました。また、同牧場で通年行なわれている子ども達の自然・農業体験学校(キララの学校)に活用されている図書館や宿泊施設(古民家)、今日のBMW技術運動の基礎を築かれた故兼重正次氏の生前の言葉が刻まれた石碑等について、説明を受けました。

麹づくり、菌体飼料づくりを体験
 その後、参加者は二班に分かれ、一班は、麹や味噌、漬物を生産する同牧場加工所で、見田氏らの指導により、麹づくりの種付け作業を体験しました。もう一班は、椎名代表、牧場スタッフの若杉俊明氏の指導により、発酵飼料(BM菌体)づくりを原材料や使用方法等の解説を受けながら、体験しました。夜は、当協会参加者と牧場メンバーとの意見交換会を兼ねた懇親会を行い、牧場で生産された鶏肉や野菜を利用した料理を充分に堪能させていただきました。

〜石澤元協会理事長による鶏の解体・比較〜
白州郷牧場と一般飼育の採卵鶏の
内臓の違いに一堂驚嘆!
 翌一三日は、昨日の麹づくりの発酵状況を確認の後、見田氏の指導により、BMW技術を活用した家庭でできる「水づくり」の具体的方法について、説明を受けました。
 続いて、石澤直士元BM技術協会理事長(現・株式会社ゼンケイ代表取締役)を講師に、白州郷牧場との合同研修※注2として、鶏の解体(解剖)を見学しました。この研修は、白州郷牧場の採卵鶏と一般養鶏業者のウインドレス飼育の採卵鶏を解体(解剖)し、その内臓等を比較検討するプログラムです。石澤元理事長からは、鶏を解体しながら、一つ一つの臓器について、環境や飼育方法によってどう変わるのか懇切丁寧な解説が行なわれました。解体された鶏の脂、肝臓の大きさ、肺の色、砂肝の大きさや臭い、腸の長さ等、両者は大きく異なりました。同牧場の鶏は、砂肝の臭いが全く生臭くなく、肺も綺麗な色で、腸の長さは、ウインドレス飼育鶏の二倍以上はあり、非常に健康に育っていることが確認されました。参加者一堂「飼育環境や、飼育方法でこんなにも違うものなのか」と、驚嘆の声が上がりました。また、「生協でも実際に目や臭いで確認できるこうした取組みをもっと実施するべき」との意見も上がっていました。
 鶏の解体見学後は、再び「おっぽに亭こっこ」で、新メニューの鶏カレーを賞味し、下地通太千葉BM協会副会長から、白州郷牧場へのお礼とまとめの挨拶で、視察研修会を締めくくりました。
 今回の視察研修会では、鶏の解体比較、『解抗免力』の具体的食材である麹のつくり方、菌体飼料のつくり方等を体験して、自分達のおかれている現状を知り、見直す機会を持つことができました。特に参加者全体で経験した鶏の解体(解剖)比較では、白州郷牧場の鶏と、ウインドレス鶏舎で飼育されている鶏とは、内臓に明確な違いが見られ、この違いこそ「健康」とは何か、鶏を通して知る機会となりました。現代社会における「食」を考えるとき、環境・食・健康は、密接に結びついており、今後、千葉BM技術協会においても、追求していくべき課題であることを再確認することができました。
(報告:千葉BM技術協会 副会長 礒田有治)

※注2:白州郷牧場では、牧場スタッフを対象に、今年二月から、毎月、石澤元協会理事長を講師に、鶏の学習会を開催している。第一回は「鶏の生理」、第二回は「養鶏を巡る国際情勢」、今回は、「飼育環境、飼育方法による鶏の違い」を実際に解体して学んだ。次回は「鶏の飼料」をテーマに開催予定。

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 視察研修会実施の背景

 千葉BM技術協会は、二〇一一年の福島第一原発事故発生により、大量の放射性物質が環境中に放出され、千葉県内にもホットスポットが現れるという事態に対応し、以降、放射能と内部被ばく、その危険性と予防法等についての学習会や講演会を企画・実施してきました。
 昨年六月には、生活クラブ生活協同組合、生活協同組合パルシステム千葉との共催、BMW技術協会の協力により、「くらしと放射能を考えるフォーラム」を開催しました。同フォーラムでは、内科医・土井里紗先生から、「放射能に負けない体づくり」について、講演をいただき、放射能リスクを低減する方法は、①いち早く有害物質を体内から排泄するための「解毒力」②放射性物質などにより発生した活性酸素による酸化ストレスを防ぐための「抗酸化力」③ガン細胞や病原体を撃退し、細胞を修復するための「免疫力」――を総称して『解抗免力』(注1解説)と呼び、各個人のこれら能力を高めることが非常に重要であるとの指摘をいただきました。これは、放射能リスクを低減するだけではなく、多くの病気や老化対策にも通じ、現代人が健康を保つためには不可欠との提案をいただきました。
 フォーラムでは、現在生産されている農産物は、それらの『解抗免力』、とりわけ抗酸化力等は、はたして高いのか、低いのか、疑問であることが提起されました。例えば、ホウレンソウでは、一九五一年と二〇〇一年での食品成分分析比較では、ビタミンAの成分量は、二〇〇一年では、一九五一年の十分の一となっていること等が提示されました。
 また、「免疫力」向上に効果があるとされている発酵食品の具体例として、白州郷牧場の発酵食品づくりの取組み等も同フォーラムでは発表されました。
 フォーラム後、千葉BM協会幹事会では、土井先生から提起された『解抗免力』を高めるための農産物生産や、食生活・生活スタイル等をどう構築していくか、議論され、生きものに良い農産物づくりの環境づくりや、発酵食品づくり等に取組んでいる白州郷牧場の視察研修を実施し、今後の検討を進めていくこととしています。

Author 事務局 : 2013年06月01日20:15

【AQUA254号】第18回環境保全型農業推進コンクールにおいて「ポークランドグループ」が大賞を受賞

 四月一七日、ポークランドグループの、「第一八回環境保全型農業推進コンクール大賞(農林水産大臣賞)受賞を記念して、報告会と祝賀会が秋田県鹿角市の「ホテル鹿角・コンベンションホール天翔」にて関係者約六〇名が出席し開催されました。同コンクールは有機農業をはじめとする環境保全型農業の確立を目指して意欲的に経営や技術の改善に取り組み、農村環境の保全活動を通じて地域社会の発展に貢献している農業者や、それらの取り組みの普及・拡大に貢献した団体等が表彰されるものです。(主催:全国環境保全型農業推進会議)
 また、この第一八回においてはBMW技術協会会員の常盤村養鶏農業協同組合(青森県)が最優秀賞、生活協同組合パルシステム茨城(茨城県)が優秀賞をそれぞれ受賞しています。
 
 まず、はじめにポークランドグループの豊下勝彦代表(BMW技術協会常任理事)の挨拶、小坂町の細越満町長他二名の来賓祝辞挨拶がありました。次に豊下代表が、授賞までの経緯説明をポークランドグループの取り組みと共に「なつかしい未来へ、先進的原点回帰」と題して発表されました。

◆豊下代表の発表概要
 「ポークランドグループ」は平成七年二月に設立され、養豚事業を中心に現在一三五名の職員が従事している。「十和田湖高原ポーク桃豚」を生産・販売をしており、出荷量はSPF豚生産農場では日本最大規模の年間一二万頭。設立の経過は、全国屈指の鉱山町であった小坂町で、鉱山の閉山により、地域の活性化をどのように図っていくかが大きな課題となっていた。平成四年に隣接する鹿角市に産地食肉処理センターの建設が決まり、この施設を活用した大規模養豚団地構想から、当グループの事業をスタートした。「農業で幸せになろう」を合い言葉に、「食の安全性を追求し生産物が最終的に消費されるまで出来る限り責任を負う」を理念に置き、平成一六年に「生産履歴公表豚肉のJAS規格」を日本で初めて取得。併せて日本初の試みとして、「ICタグを導入した豚の個体管理システム」の運用を開始、飼料への「合成抗菌剤・抗生物質の無添加」等による豚肉生産を行い、徹底した生産管理と、抗生物質などを利用しない環境や食の安全に配慮した肉豚生産を確立。同時に、環境問題に早期から着眼し、「水・土・大気を汚さない」をスローガンに、「環境ISO一四〇〇一」を平成一五年に認証取得し、環境マネジメントシステムの構築により環境に配慮した養豚を行っている。設立当初から「地域・資源循環型農業」を提唱し、平成九年には、地元JAと連携を図り、「かづのBM推進協議会」を発足させ、排出された糞尿からBMW技術を活用して製造した堆肥および生物活性水を、JAの生産部会へ還元。平成一七年からは、小坂町の生ゴミの堆肥化を行い、生産された堆肥は町民に還元、家庭から出る廃油の再利用等、町のエコタウン事業の推進も担っている。平成一九年からは「米の飼料化」に取組み、減反で栽培された飼料用米を“エサ”として豚へ給与し、自給率の向上のほか、休耕田の解消・地域活性化等、地域への貢献を図っています。平成二〇年からは、耕作放棄地の再生に取り組み、現在までに三五haを農地として蘇らせ、作付けした作物は飼料米と共に、国産飼料原料としての活用に着手している。農業での働く場の確保と地域の活性化を願いながら、より良い農畜産物を生産し、消費者の需要に応えるため、今後も社員一丸となり事業に邁進して行く所存である。
(環境保全型農業推進取り組み要旨より一部抜粋)

 また、ポークランドグループにおける環境保全型農業の軸にあるのはBMW技術とその理念ということもアピールされ報告会は幕を閉じました。
 報告会後に行われた祝賀会は、パルシステム連合会・石田敦史専務理事の乾杯挨拶ではじまり、桃豚を中心とした料理がテーブルを埋め尽くし、出席者は桃豚料理を堪能しながら皆で祝いました。
   (報告:BMW技術協会事務局・秋山澄兄)

Author 事務局 : 2013年06月01日20:08

 
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