【AQUA255号】大阪・高槻市にある豆腐工場「豆伍心」での学習会

「BMW技術基礎学習会と生物活性水を使用した実験について


 四月二〇日に㈱豆伍心会議室において、BMW技術の基本的な学習会と生物活性水を利用したおからの処理方法について打ち合わせを行いました。参加者はBMW技術協会事務局の秋山澄兄氏を学習会の講師として来て頂き、豆伍心の従業員、生活クラブ生活協同組合大阪の東氏の八名です。
 今回、三月一五〜一六日に行われた第六回BMW技術基礎セミナーの分科会において生活部門に参加させていただき豆腐製造によって出るおからの処理方法について秋山氏と匠集団そらの星加氏に相談したところアドバイスをいただき豆伍心にて実験、それに伴い豆伍心の従業員を対象に学習会を開いていただくことになりました。

 学習会ではBMW技術とは自然の浄化作用を人工的に再現し少しだけ速める技術であり、それゆえに農薬のような即効性は無いが続けていくことで自然浄化機能がスムーズに働き、地球を守っていくということを学び、生物活性水は原料によって成分が大きく変わるということや毎回同じ結果が出るわけでなく試行錯誤を重ね、人と人との情報を交換し、共有することによって技術向上と同時に人とのネットワークも出来る。人の手によって色々な可能性がある技術だと感じました。また、食品工場の排水処理施設の事例もあり、私たちも食品工場で作業する者として大変興味深い話が聞けました。
 参加者からは「プラント内でミネラルが水に溶け込んだら岩石はどうなってしまうのか」という質問があり、それに対し秋山氏は「ミネラルが無くなった岩石は脆くなってボロボロになったり赤く変色する。しかし頻繁に岩石を補充しないといけないくらいすぐには無くならない」とのことでした。他にも「家畜の糞をそのままプラントにいれるのか」に対し「糞のままだと分解するのに時間がかかる。堆肥にしてから生物活性水にする」と分かりやすく答えてくれました。BMW技術を学んでいく中で環境に対しての考えや技術の理念など豆伍心にとって製造以外のことで色々と考えさせられる学習会になりました。

 生物活性水を使用した実験については前述の生物活性水を利用したおからの処理方法です。豆伍心ではおからを処理業者に委託し、処理しています。引き取りに来るまでの期間は豆伍心での保管になるので生物活性水を噴霧することで腐敗から発酵に変わり、腐敗臭を抑えられるのでは?という考えで噴霧していますが夏場になると臭いが発生してしまいます。状況を秋山氏に説明すると現状のままでは発酵にはならないと指摘があり、秋山氏の協力の下、実験を行っていくことになりました。
 打ち合わせでは「豆腐製造の際に豆腐の屑も出ていて豆腐の水分が腐敗して臭いが発生しているのでは?」といった意見や、「発酵したおからに豆腐の屑を入れることによって臭いを抑えられるのでは?」という意見もありましたが最終的におからが腐敗している可能性もあるのでまずおからの腐敗を抑える実験から始めていくという結論になりました。実験内容は少量のおからが入るコンテナを複数用意し、それぞれにBM菌体や米糠、ヨーグルトを使っておからを発酵へ誘導し臭いが抑えられるか検証します。今回は実験の実施期間を五月下旬から八月までと決め、おからの量とBM菌体や米糠、ヨーグルトの分量については検討中です。まだ大まかな内容しか決まっていませんが実験結果が良好であれば環境改善のため積極的に利用していこうと考えています。
 本来ならばおからは資源化し再利用するのが一番だと思います。しかし現在、工場の周辺に畜産農家等が無く、処理施設が整っていないことや、一日あたりのおからの量が多いため廃棄処理をしていますがこのおからをどうやって再利用していくかが今後の課題だと思います。今回の実験ではおからの腐敗臭を抑えるといったものですが学習会ではBMW技術の始まりは畜産の悪臭、公害対策という話もあり少しずつですが出来ることは積極的にやっていこうと思いました。そしてこの実験でBMW技術を学び、知識を付け視野を広げていくことでおからの再利用へと繋げていきたいと考えています。
  (報告:(株)豆伍心 小西歩)

Author 事務局 : 2013年07月01日20:28

【AQUA255号】BMW技術ベーシック#1長崎浩顧問講演

 ときに難解ともいわれるBMW技術を、初心者もわかりやすく理解するために「BMW技術ベーシック」として、過去の記事や講演記録から抜粋してご紹介いたします。
 今回は、BMW技術協会顧問、長崎浩先生の一九九七年「土と水をつくる人々の会」学習会における「BMW技術の基礎知識」講演内容を掲載いたします。

 今日は家庭での生ゴミ処理の背景にある理論的なことについてお話します。家庭の生ゴミ処理の基本的な特徴は、バクテリアという他人に処理してもらう「他力本願」な所にあります。当たり前だというかもしれませんが、工業製品は違います。これは、最後まで人間が処理しなければなりません。なお、この他力本願という特徴はBMW技術そのものも持っていますし、生き物相手の技術は基本的にこういう面があります。

 まず、バクテリア、微生物の世界の話から始めます。
 約三六億年前、地球上に誕生した最初の生命がバクテリアです。現在のように多様な生命が出現したのは、ずっと後で五〜六億年前。微生物は由緒のある歴史の長い生物で、現在も変わることなく生きています。
 この微生物の働きですが、一つは病原菌、つまり人間に病気をもたらす働きがあります。最近は、O157など病原菌が問題となって、社会全体に減菌思想が広がっています。しかし、この働きをする微生物は種類も数もごくごく少数なのです。
 もう一つの働きに発酵があります。実はこの働きをする微生物が家庭の生ゴミ処理の主役になっています。でも、これもごくごく少数です。
 じゃ、大部分の微生物は何をしているのかというと、もっともポピュラーなものは腐敗です。
 以上は割と知られていますが、もう一つ非常に大切な働きがあります。あまり注目されていませんが、簡単に言うと土をつくるということです。
 土といっても造成地にある石と砂のような土では作物は育ちません。作物を育てる土を仮に土壌と呼ぶと、それは石や砂にもう一つ土のエッセンスが加わっているということです。土のエッセンスとは、まさに微生物が作り出した腐葉土のことです。腐葉土のエッセンスのことは腐植と呼びます。
 微生物には、以上の四つの働きがあります。
 今度は、具体的に生ゴミの処理のことを考えてみます。今は専用の容器があり、毎日水を切った生ゴミを入れて菌体を混ぜ、一〜二週間経ったら土に戻すということをしてると思います。
 容器の中で何が起こっているかというと、微生物が生ゴミをエサとして食べているわけです。臭いが出るのは腐敗の方向に行っているからです。これをどう防ぐかというと、発酵の働きを使うのです。野菜を漬け物にすると腐らず保存食になりますが、これと同じです。発酵過程に入れて生ゴミを一時保存する。菌体は微生物のエサの補助、呼び水というわけです。
 何故、こんなことをするのか。 毎日土の中に入れられればいいのですが、都会生活ではそれができません。日曜日にまとめて洗濯するようなものです。そして最後は土に戻す、土をつくる働きの所に戻してやります。何故かこの方が土に戻る時間が早く、割といい土ができます。
 なお、発酵の過程、漬け物の過程のことを嫌気的な働きということができます。発酵は嫌気的であり、空気を入れることは腐敗の元になります。従って容器のフタをします。
 微生物の活動能率からいうと、空気があった方が二〇倍ほど効率がいいんです。処理の観点からみると、発酵は能率が悪く、一〜二週間ではカサが減りません。土をつくる過程が一番能率がいいんです。
 でもそれができないから発酵の働きを通じて二段階作戦でやっていく。というのが微生物の働きからみた生ゴミ処理ということになります。

 廃棄物という観点からすると、BMW技術は広い意味で廃棄物の処理、資源リサイクルの技術といえます。その副産物として、健康で安全な農産物ができるということがあり、これは農家が行っています。私達はこの技術で農家の補助をし、できるだけよいものをリサイクルしてもらおうとしているわけです。
 ところで廃棄物はエネルギーの消費に伴って必ず出るもので、これをエントロピーといいます。また廃棄物は大きく二つに分かれます。一つは生物系廃棄物で、もう一つは産業系廃棄物です。先ほどいいましたように、生物系は微生物が処理する能力を持っていますが、産業系は人間が処理しなければなりません。
 生物系廃棄物ですが、地球全体で考えると森林や植物の枯れ葉や落ち葉が圧倒的な量を占めています。これが五〜六億年も続いているのですから、もし微生物が処理できなかったら、地球を覆い、海も埋まっていたはずですが、そうはなっていない。つまり大量廃棄にも関わらず、一年単位で土をつくるということが行われてきたのです。
 別の言い方をすると、地球上では生物系廃棄物を処理する能力を地球自身が持っていた。その結果、廃棄物の過不足のない定常状態が長年続いてきたというわけです。
 しかしここ数十年、都市に人口が密集し、生ゴミなどあらゆる廃棄物が膨大に集中することによって食べ残してしまうようになった。こうなると腐敗の過程に入り、メタンなどの臭いが出てきます。文明社会における生ゴミ処理問題が発生してくるわけです。ただこれは都市文明というローカルなところの問題なのです。
 これに対して産業系廃棄物は、人間がたかだか200年で作り出したのです。だから地球はこうしたものを処理する能力がなく、ただビックリというわけです。

 生物系廃棄物処理のことをもう少し詳しくいうと、これらは有機物でできています。有機物は基本的に炭素、水素、酸素、窒素の四つの元素を持ち、なかでも炭素があることが有機物の原則となっています。
 炭素でみると、例えばでんぷんなどの炭素化合物が微生物に処理され、大部分は二酸化炭素として空気中に放出されます。これを植物が炭酸同化作用で取り込みます。そして廃棄物となり、再び微生物のエサとなる。つまり地球全体でみると、炭素という物質は気体や有機物の形で循環しているのです。
 ところがこの炭素の地球リサイクルが、ここ二千年ほどの間に人類が石炭や石油を燃やすことによって乱されてきています。これまで出ていなかった二酸化炭素が産業廃棄物の側から付け加えられているのです。つまり産業廃棄物という形で地球の処理能力以上の、あるいは全然種類の違う負荷をかけたため、それが溜まってきているわけです。
 炭素以上に問題なのが窒素です。空気中で圧倒的な量を占め、量はそれほどでなくとも私達の身体にとってタンパク質の構成元素としてなくてはならないもの。これは作物にとっても同様で、窒素肥料や硫安肥料として与えることで現在のような農業が可能となったのです。
 この窒素についても地球規模での循環があります。問題なのは、過剰になると河川を汚染することです。河川に過剰に放出されると微生物が異常繁殖し、赤潮や青潮となって水を汚すのです。
 家庭から出される雑排水も原因の一つです。しかし、何といっても最大の原因は、大気中の窒素をアンモニアの形で取り込む技術がドイツで確立されたことにあります。これを原料にして肥料がつくられるわけですが、これは僅かここ百年の出来事で、まだ少ないとはいえバランスが崩れはじめています。
 以上のように廃棄物、特に生物系廃棄物を広くとらえてもらうと微生物の働きが見えてきます。そして、このミニチュア版が、家庭の生ゴミ処理なのです。
 最近は減菌グッズなどが流行し、微生物が悪役ととらえられがちです。O157などの病原菌はたたかないといけませんが、これらは微生物全体からするとマイナーな存在です。広大な微生物の世界とその働きにもっと注目して下さい。
 先ほど人間のここ二百年の活動がアンバランスを作り出しているといいましたが、微生物の世界も同様です。アンバランスにした反動として、O157など新しい病原菌の反逆といっていいような事態が起こっていると考えられます。

 最後にBMW技術のことですが、元々は人間のし尿や家畜の糞尿、食品工業などの排水を処理してきれいな水をつくる技術から出発しています。この技術を中心に、生物系廃棄物をリサイクルし、公害を防止し、できたものを資源として再利用したいということから始まったのです。
 最近では埼玉県にある生協、ドゥ・コープで中水利用施設が完成しています。事務所で働く人達のし尿、つまり生物系廃棄物をきれいにする装置です。処理された水は水洗用に戻すだけでなく、花壇や熱帯魚の水槽でも使われています。
 つまり単にきれいな水になるだけでなく、生物にとっていい水になる。だからリサイクルするだけでなく、資源として有効に利用する。こうしたことが都市生活の中でも実現できるようになっています。これは微生物の土をつくる働きによってできるのです。
 次はミネラルですが、元々は鉱物という意味で、石を造っている結晶のことをいいます。このミネラルが土を構成しています。微生物が廃棄物を土にするのはこの土の中、すなわちミネラル工場の中でするわけです。ですからミネラルの建て屋をつくってやろうということで石を加えるのです。
 そして水です。廃棄物を土にするということは、同時にきれいな水、生物を育てる水をつくる過程であるといえます。昔から生き物が飲んできた水は土の中を通ってきた水です。この水は微生物やミネラルを豊富に含んでいた。これが生き物にとっていい水であって、衛生的にきれいな水とは別のものなのです。
 一度土の過程をくぐらせるということは、生き物によい水をつくること。別の言い方をすると、廃棄物を処理することであり、、環境をよくすることであり、農業にとっての再利用資源を生み出す過程であるともいえます。
 こうしたことを総合的に、しかも地域単位で皆さんと一緒にやっていこうという理想を持って取り組んでいるのがBMW技術です。 (「アクア」一九九七年六、七月号掲載)

Author 事務局 : 2013年07月01日20:26

【AQUA255号】宮崎県綾町「綾豚会」で学習会開催

 四月一七日に宮崎県綾町の綾豚会でBMW技術の基礎学習会と飲水改善施設と生物活性水施設のプラント導入についての説明会を実施しました。
 学習会は、綾町養豚センターに飲水改善施設と生物活性水施設が平成六年に設置されてからすでに十九年がたち、今一度原点に立ち返りBMW技術に取り組んでいくことと、まだプラント導入がされていない会員にBMW技術を学んでもらおうと、綾豚会からの依頼があり開催にこぎつけました。

 当日の午前中には川南町にある綾豚会会員の㈲尾鈴ミートを訪問し、飲水改善施設の導入ついて事前に現地調査を行いました。農場は、国指定史跡川南古墳群の中にあり入口に前方後円墳の小高い丘があります。遠藤社長に案内していただき、現状の飲水用土木槽や尿処理施設を見せてもらいました。
 午後から飼料工場の隣にある綾豚会事務所の二階で、学習会を行いました。参加会員は、押田畜産の押田会長(協会理事)のほか、江島畜産の江島さん、尾鈴ミートの安藤さん、亀川農場の亀川さん、吉田畜産の吉田さん、吉井さん、今村さんの七名でした。パワーポイントを使ってのBMW技術の基礎について説明を行いました。
 また具体的な飲水改善施設や生物活性水施設の導入設置について、飼養頭数から必要な飲水量の算出と土木槽の大きさの確認や、設置場所についても活発な質疑応答がなされ、導入に向け検討を行いました。 (報告:㈱匠集団そら 星加浩二)

Author 事務局 : 2013年07月01日20:24

【AQUA255号】「涸沼生態系再生プロジェクト」第二回総会が開催

 五月二八日に茨城県茨城町にあるパルシステム茨城・水戸センターにおいて、茨城BM自然塾が中心となっている「涸沼生態系再生プロジェクト」の第二回総会が行われました。
 出席者は約三〇名、総会は茨城町の小林宣夫町長とパルシステム茨城の小泉智恵子理事長の挨拶で始まりました。議案審議は平成二四年度・事業報告と決算報告、幹事会役員の承認、平成二五年度の事業計画と予算案についてです。同プロジェクトの事務局長である米川寧氏より各報告が行われました。昨年度は涸沼湖岸に設置されたヘドロの浄化システムの動力(ポンプとミニブロア)を自然エネルギーで動かすという計画のもと、太陽光パネルの設置、生態系を取り戻すカギとなる「水生植物の移植・増殖実験」、ヘドロの放射能測定などをおこないました。今年度は昨年度と同じ取り組みに加え、涸沼の魚介類の個体調査、小水力発電の実用化検討などを行っていきます。さらには県立茨城東高等学校、茨城町自然観察クラブと共同で自然観察会や学習会を実施、行政へのアピールも続けることにより地域の人々に涸沼の現状を広め、涸沼の生態系再生へ向け市民運動として展開できるような活動をしていきます。
     (報告:茨城BM自然塾 市丸 滋幸)

Author 事務局 : 2013年07月01日20:23

【AQUA255号】CORDEVの新しい堆肥製造施設にて生物活性水プラントの移転工事

フィリピン・北部ルソン、イザベラ州カワヤン市郊外にある、CORDEVの新しい堆肥製造施設にて
 生物活性水プラントの移転工事が行われました

 北部ルソンの七つの州にまたがる生産者協同組合連合「CORDEV」は、フィリピン・ルソン島北部のイザベラ州カワヤン市の中心にある農地改革省内に借り受けた施設で、とうもろこしやサトウキビの残渣、オガクズ、籾殻燻炭、鶏糞などを原料とした堆肥の製造を行ってきました。
 生物活性水プラントは二〇〇九年に導入され、良質な堆肥作りと、その堆肥を利用する組合員生産者に利用されてきました。しかし昨年、農地改革省より代替地へ移転するようにとの通達を受け、今年三月にカワヤン市内から東へ車で三〇分ほどの代替地への移転を決めました。しかし、既存の生物活性水プラントは土木槽で作ったため移設ができず、新しい場所ではステンレスタンク(容量:約二t・日生産量/約二〇〇L)を利用しての再出発となったのです。
 工事が行われたのは五月二二日〜二六日の五日間、ネグロス島・カネシゲファーム責任者のアルフレッド・ボディオス氏、同ファームスタッフのジェスター氏を中心に、CORDEV責任者のトーマス・フェルナンデス氏、新堆肥製造施設管理人のマーシャル氏、秋山で行いました。
 フィリピンは雨季の始まりで毎晩のようにスコールがあり、昼間の湿度は気温と共にとても高く、体力勝負となりましたが工事は概ね順調に進み、日程通りにプラントは完成しました。
 六月末には再度訪問し、生物活性水の完成を確認します。

所感……この地域はとうもろこしと米の大産地でマニラ(フィリピンの首都)の台所とも言われているそうです。米やその他の穀物・野菜を満載した大型トレーラーが毎日のようにマニラに向けて走っています。(マニラまでの国道は一本しかないので渋滞の原因にもなっている)今回、プラントを移転した場所は、日本の北海道を彷彿させるような風景で、とうもろこし畑と水田、牧草地が広がっています。とうもろこし畑はそのほとんどBTコーン(遺伝子組み換え)で埋め尽くされており、除草剤を丁寧に畝間に撒く光景や、畑には殆ど草も生えていない、土も痩せて見えるのが印象的でした。近隣の集落では井戸を汲みあげて生活用水として利用していましたが、いずれ何らかの問題が出てくることは間違いないのではないかと不安に思いました。CORDEVのスタッフやアルフレッド氏は、敢えてこの場所に私達の活動の拠点を置き、ここにBMW技術が導入されていることがひとつのポイントと考えているようです。BTと「戦う」と話していました。
 (報告:BMW技術協会事務局・秋山澄兄)

Author 事務局 : 2013年07月01日20:22

【AQUA255号】新潟県内で、阿賀野市、上越市のプラント巡回を実施

今年、「第23回BMW技術全国交流会」が開催される新潟県内で、阿賀野市、上越市のプラント巡回を実施

 四月二五〜二六日の二日間で新潟県内のプラント巡回を行ったので報告します。

一、阿賀野市笹神 JAささかみ
   「阿賀野市ゆうきセンター」
 平成六年に設置された生物活性水プラントは五tのホーロータンク七槽(日生産量五〇〇L)、原料は地域内の牛(酪農)の尿です。牛の尿で作っている生物活性水ということでEC 二〇・六mS/cm、pH 九・二とやや高めで、色も濃いものでした。
 このセンターではJAささかみ管内の水田、約一五〇〇ha分の堆肥が製造されており、生物活性水は発酵促進と水分調整のために利用されています。訪問した時はほとんどの農家が堆肥散布を終え、代掻きが始まっていた頃であったため、同センターの堆肥もほとんどなくなっていましたが、これからまた秋に向け製造を開始していくとのことでした。
 また原料を供給している酪農家が現在では数軒しか残っておらず、供給量も年々減少しているとのこと。今後の課題としては原料の確保、また生物活性水を地域の農家にどう利用してもらうか、今年の全国交流会を機会に協会も一緒に考えていかなければなりません。

二、阿賀野市安田「グリーンアクアセンター」
 ヤスダヨーグルトをご存知の方がいるかと思いますが、その安田町の堆肥製造施設「グリーンアクアセンター」の生物活性水プラントです。協会会員の(株)技研が全体の設計施工を担当して、平成八年に設置されたプラントは尿処理プラントと連結されています。原料は安田町の牛(酪農・肥育)の尿です。
 ここで製造されている堆肥は阿賀野市、新潟市内の米農家やスイカ栽培農家に利用されているとのこと。近隣のホームセンターでも販売されていました。生物活性水は近隣の農家が利用していますが、昔から利用している人は今でも利用しますが、新しく利用する人はいないとのこと。ここでも、生物活性水の利用促進に関して検討していかなければなりません。

三、上越市頸城 「井沢牧場」(謙信の郷)
 井沢牧場は搾乳牛四〇頭、米栽培(一〇ha)、平成七年に簡易尿処理と生物活性水プラントが設置されました。プラントは土木槽で一槽が五t、原料は尿です。井沢さんはできあがった生物活性水にひと工夫加えて、田んぼへの利用なので色々と試しているとのこと。内容に関しては今年の全国交流会の時に発表されるかと思います。
 JAささかみと安田町でも同じ話が出ましたが、上越市も酪農家が減少して残り数軒とのこと。担い手の問題や餌の価格、生乳の取引価格などがほとんどの要因となっており、厳しい状況が続いています。
    (報告:BMW技術協会事務局・秋山澄兄)

Author 事務局 : 2013年07月01日20:20

 
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