【AQUA241号】第4回「BMW技術基礎セミナー」が開催

BMW技術理論、TPP問題、福島の現状について学習

  〜未来をひらく後継者・若手対象〜第四回「BMW技術基礎セミナー」が、二月一七日、一八日に開催されました。BMW技術協会会員の生産者団体、生活協同組合、流通団体、個人会員など、今後の協会活動を担っていく若手や後継者、六〇名以上が全国から参加し、BMW技術の基礎理論、応用技術から、TPP問題、福島の現状などについて学び、また、今後のネットワークづくりのための交流が行われました。

講演①「TPPについて」
特別講師:大野 和興氏(農業ジャーナリスト)

 現在、ギリシャ問題をはじめ、ヨーロッパ経済が大変な状況になっています。世界恐慌に入りつつあります。アメリカのサブプライムローン問題もそうですが、カジノ資本主義が世界中に浸透し、ギリシャ国債が投機の対象になったからです。つまり、グローバル資本主義がギリシャを発端に、世界を壊しはじめている。
 TPPは、自由貿易の推進のようにみえますが、実は、経済のブロック化、マーケットの囲い込みに外なりません。第二次世界大戦が起こった原因は、市場の囲い込みでした。その反省から、GATT、IMF、WTOなどができたわけですが、九〇年代から社会主義と資本主義が一体化してグローバル資本主義化が進みました。世界経済のブロック化は軍事化を伴います。武器と遺伝子組み換え食品がアメリカの二大戦略商品。これをどう売り込むかが、今回のTPPにおけるアメリカの思惑でしょう。
 農業生産物は、基本的には内需向け商品です。TPPによってチャンスが増えるという農家もいますが、アジアの富裕層に、日本の農産物がたいして売れるわけではない。中国やインドの富裕層が増えていくという実態もありません。
 TPPは好機と予想する人もいますが、その前に日本農業の基盤がなくなっていく。地方から、日本の社会全体の構造が崩れていく。日本の農家が大規模化してもアメリカの数百ヘクタール規模、オーストラリアの数千ヘクタール規模の農業にかなうわけがない。
 そもそも農業は経済の競争原理には不向きな分野です。だから農業保護政策が必要になる。農業保護政策は農民人口が多い時代には治安維持政策も兼ねていました。農民を保護することで治安が保たれた。しかし、農民は減り、現在、農業は保護されなくなってきている。
 もう世界恐慌に入っていると思われますが、日本はまずデフレを脱却しなくてはならない。「雇用不安」「消えた年金」など社会不安のためにお金を使わないデフレ状況になっている。政府は、TPPより、デフレと国内マーケットの縮小対策にこそ、手を打たなければならない。
 また、TPPのISD(投資家対国家間の紛争解決)条項は、人権や環境や倫理など関係なく、自由な貿易、投資を阻害したかどうかだけで判断されるものです。そうなると、法的に強い資本が弱者からむしり放題になる。医薬品もアメリカの大きな産業ですが、非関税障壁という名目で日本の企業や病院がやられる可能性がある。
 地域の独立した農業こそがTPPに対抗しうるし、また生産者の国際連携もこれから必要になるでしょう。
   (報告:BMW技術協会事務局 井上 忠彦)

講演②「放射能に汚染された村」
特別講師:伊藤 延由 氏(いいたてふぁーむ管理人)

飯舘村の概要
 飯舘村は、福島県相馬郡(浜通り)に位置し、福島第一原子力発電所から南部の一部は三〇㎞圏内にあります。標高は四〜五〇〇メートル(阿武隈山系北部)ほどで、七五%が山林、原発事故以前の人口は六〇〇〇人ほどの美しい村です。
 年平均気温は一〇℃。村の九〇%の世帯ではクーラー不要の清々しい気候です。「いいたてふぁーむ」のある野手神地区は、一三世帯、うち農家一軒、新規入植者が二件で、いわゆる限界集落といわれる地域です。いいたてふぁーむは二〇一〇年三月、IT企業である㈱エム・オー・シーの農業研修施設として開所しました。私はその管理人です。私自身、日本の農業の現状について危機感を持っていて、農業をはじめることができてとてもうれしかった。だから二〇一〇年の開設から一年間は、私にとって最も幸せな農業体験の日々でした。

順調だった農業
 いいたてふぁーむの開設一年目は、水稲の作付面積が二・二h、品種はあきたこまち、こしひかり(三五a)、二〇一〇年度実績で平均反収六俵で、一三六俵。野菜は、じゃがいも、インゲン、トウモロコシ、玉ねぎ、白菜、野沢菜、トマト、ナス、ほうれん草、小松菜など、果樹はブルーベリーやサクランボの植付を行いました。この地域は山菜も豊富で、ふきのとう、タラの芽、山ウド、タケノコなども採取し、営業促進に利用しました。

福島第一原発の事故
 最初から順調に農業ができたのは、いわばビギナーズラックだったのかもしれません。二〇一一年度は、近隣の農地四haを借り、水田、野菜のほか、果樹の栽培を含めて規模拡大をはかる予定でワクワクしていたのです。
 そんな頃、三月一一日を迎えました。強い揺れを感じましたが、飯舘村はもともと御影石の岩盤の上に位置し、地震に強い地域です。幸い、家屋の損害は軽微でした。大きな棚は、転倒を防ぐ器具を取り付けていたこともあり、室内の損害もたいしたことはありませんでした。その後の経緯は、時系列で記録してあります。

地震発生後の経過
・二日後の三月一三日一八時まで停電、その後も電話不通、外部との連絡不能(三月一五日まで)
・三月一四日、一五日、放射性物質のプルームが飯舘村を覆う→午後降雨、一五日夜半から雪、一六日雪(吹雪、積雪は一〇㎝ほど)
・原発からの放射能を避ける双葉郡住民の避難は、三月一二日からはじまり、一七日には避難者の第二陣が飯舘村に到着
・三月一九日には飯舘村から住民の一部自主避難がはじまり、栃木県鹿沼市体育館へ避難。
・三月二一日、飯舘村の簡易水道からヨウ素検出(九六五Bqの放射性ヨウ素)→二二日から飲料水配布。
・四月七日、飯舘村の広報で「作付はもう少しお待ちください」の指示。
・四月一二日、飯舘村、作付制限発令
・四月一二日、計画的避難区域発令
・四月二二日、計画的避難区域受諾→一次避難がはじまり、六月末をリミットに避難開始。

原発事故について
 これまで原発について、とくに関心をもっていませんでした。毎年、夏休みには孫たちを連れて、私の故郷である新潟に行くと、新潟・柏崎刈羽原発のPRセンターに見物に行ったものでした。
 このたびの福島第一原子力発電所の大事故は、原発の恐ろしさ、被害の大きさに唖然とさせられています。安全とされた原発は、まさに神話だったことが証明されたのです。飯舘村は南端の一部が福島原発から三〇キロ圏内、私の住むいいたてふぁーむは、原発から三五キロに位置しています。当初は、「屋内退避圏外」とされ、「計画的避難区域」として避難指示が出る四月末から六月まで避難が遅くなりました。その間、村民や子どもたちは放射線量の最も高い時期に放置されたのです。
 今回の事故で明らかになった飯舘村のような状況は、日本中のどこにでも起きる可能性があるということです。今回たまたま風向きが飯館村に向いていました。そしてそのとき雨が降ったということです。地震国であるこの日本に原発が五四基もあります。地震や津波は必ず起きる。この原発事故も起こるべくして起こった。それはどの地域にも当てはまるということだと思います。

飯舘村の現状
 現在の飯舘村の被ばく量を見てみましょう。私の住むいいたてふぁーむの被ばく量です。八時間戸外で活動し、一週間滞在したとします。一日当たりの被ばく量が八〇μシーベルトになり、一週間(八〇×七日)で五六〇μシーベルト、一年間を通算すると八〇μシーベルト×三六五日=二九.二ミリシーベルトです。国の法律では、一般の人が被ばくする限界を一ミリシーベルトと定めているわけですから、極めて線量は高い状況です。
 しかし、飯舘村役場にある文科省のモニタリングポストは、〇.六三μシーベルト/毎時。対外発表の数字は、実態とはかけ離れています。政府・東電の作為的な情報操作を感じます。原発事故では、政府・東電の情報隠しがおこなわれてきました。SPEEDIデータは、米軍には提供しましたが、国民には知らせなかった。原発敷地内で検出されたプルトニウムについても、プルトニウムは重いので拡散しないといいながら、実際には飯舘村でも検出されています。こうした国と東電の対応には飯舘村の人々は本当に怒っています。今後、私自身、農業を継続するのか、移転するのかはまだ決めていませんが、いまは、飯舘村のために、避難所から通ってでも飯舘村を守る活動を続けていくつもりです。 (報告:BMW技術協会事務局 大田次郎)

講演③「耕作におけるBMW技術活用法」
  講師: BMW技術協会理事 礒田 有治 氏

 礒田有治氏より約一時間半にわたり、資料に基づいた丁寧な講演がありました。その内容を簡単にまとめて報告します。
 BMW技術の始まりは、主に畜産の糞尿処理に活用された。生物活性水の活用により良質な堆肥が作られ、耕作現場での有機栽培農場等で広く活用されるようになり、現在ではその活用方法がさまざまな場面で利用され応用されている。植物栽培の基礎とBMW技術では、森、河川、海の生態系の水の循環、微生物の働き、腐植の形成、キレート化したミネラル(フルボ酸鉄)などによる自然界の流れ、BMW技術はこうした生態系におけるミネラルのキレート化生成過程を人工的に再現している。その仕組みを、BMW技術のかなめであるBMWバイオリアクタ―、BMW飲水改善・潅水改善施設、BMW生物活性水施設について図を用いて説明があり、生物活性水の成分特徴について水質調査表を用いて、使用する原料やプラントによって異なるとのこと。
 生物活性水中の微生物について細菌類、糸状菌類、酵母類、バチルス菌類、放線菌類等が確認されているが、これらの微生物の働きをどのように活用するかを考えれば、色々な場面で応用する事が出来る。生物活性水を堆肥の原料に加えることにより微生物の活動が活発化し、発酵が促進される。植物栽培にBMW技術を有効に活用するには、利用目的、堆肥・生物活性水の特性、利用方法を考慮しながらどのような堆肥づくり、生物活性水づくりをするのかが重要である。
 韓国霊南大学校の金教授の研究結果では「生物活性水(BMW)を応用した微細藻類の培養研究」でクロレラ培養に必要な培地に生物活性水三%溶液を加えると、細胞成長率は三倍、光合成率は一.三倍、機能性をもった分析物質(アミノ酸、色素など)の光合成率が最高五〇〇%まで増加するとなっている。この培地を農業における土壌に置き換えてみると植物の生育環境を整え、生育に必要な栄養素やミネラル成分を調整する施肥設計を行った上で、生物活性水を活用すると同様な現象が起きうるということが、理論的に成り立つ。また、韓国・BMW天然キレーティング剤の効果研究におけるDOC(溶存有機炭素)に関する発表から、BMW生物活性水は処理前の原水に比べDOCが増加する。生物活性水には、植物に吸収されやすい液状化した炭水化物が存在する。これに注目することによって、多収穫・高品質栽培が可能になる。
 まとめますと、①植物栽培には、水の質が重要。②植物は、液体(液状化した物質)で吸収する。③堆肥・ぼかし肥料づくりの基本は、加水分解。④堆肥・生物活性水は、原料によって成分が異なる。⑤堆肥・生物活性水の微生物相は、製造過程・原料によって、変化する。⑥耕作農業では、栽培環境、栽培品目によって、必要とする堆肥・生物活性水を自らつくる。

 簡単にまとめましたが以上が講義の内容でした。私も、改めてBMW技術の奥深さや幅広さを感じました。私たちもBMWプラントを導入して一七年目になります。導入当初は今回の講義の内容のような説明もなかったのと栽培技術もなかったので色々と試行錯誤したのを思い出します。生物活性水を利用した野菜の栽培事例をBMW技術全国交流会で何度か発表もしました。この間、野菜の残渣を堆肥化するリサイクルセンターやバイオマスプラント事業の取り組み、またプラントから作られる液肥の畑での使用により購入肥料の削減など、BMW技術の取り組みを色々な場面で応用してきました。今回の基礎セミナーで後継者、若手、新規会員の皆さんもBMW技術の仕組みやメカニズムなどを学べたかと思います。今後も農業現場や生活環境などで幅広くこのBMW技術を活用し、発展させて頂きたいと思います。
(報告:BMW技術協会常任理事
     〈農事組合法人 和郷園〉木内克則)

視察:埼玉県小川町「霜里農場」
(視察参加者は三七名)

 日本における有機農業のパイオニアとして四〇年以上のキャリアを持つ金子美登氏。埼玉県小川町下里に金子さんが経営する霜里農場があった。事前に霜里農場についての予備知識を入れてこなかった私は、今回、有機農業についての技術や経営方法を少しでも習得できればと簡単に考えていた。しかし、それはあらゆる意味で裏切られた。そこは、私にはまるで有機農業のテーマパークのように感じられたのだ。
 野菜圃場や堆肥置場、牛舎、イチゴのハウス、薪ストーブ、更にはSVO(注)やバイオガスプラントという、言わば様々なアトラクションが存在し、その説明についても一つ一つ丁寧にわかりやすい説明を受けた。テーマパークやアトラクションなどと言ってしまうと金子さんに対して大変失礼になってしまうかと思うのだが、私の率直な感想であり、一番わかりやすい表現だと自分では思う。またアトラクションという言葉を和訳すると「魅力」という意味になる。まさに、一つ一つそれぞれが魅力的であったという事をご理解頂きたい。
 牛の糞をかき集めてバイオガスプラントに投入すると、メタンガスが発生し生活のエネルギーとなる。またその副産物として液肥ができ、それを堆肥に混入して圃場に施肥する。圃場の雑草や野菜から出てしまう生ごみを牛が食べ、そしてまた排泄される。そのサイクルは永遠に続いていく。また、その生産物の出荷先の飲食店や豆腐屋から廃油を集め、SVOというディーゼル燃料を使ったトラクターで圃場を耕作する。
 この農場は、有機農業の現場というだけでなく、有機的生活を行っている場なのだと感じた。有機的とは「多くの部分が集まって一つの全体を構成し、その各部分が密接に結びついて互いに影響を及ぼし合っているさま(三省堂 大辞林より抜粋)。」の事を言う。おそらく、この霜里農場には無駄なアトラクションは一つもない。逆に言えば、どれかが無くなると不都合が出てしまうのではないかと思うほどだ。お互いが密接に関係を持つことによって、農場全体が形作られ、保たれているのではないだろうか。ここでは有機物の持続的循環が確立されていた。
 下里地区では二〇〇一年より集落全体が大豆の生産方法を有機栽培に変え、その全量を地元の豆腐屋と契約し、有機大豆の豆腐として加工・販売されている。また、二〇〇三年からは小麦、二〇〇九年からは米が集落全体で有機栽培に転換した。米については地元の酒屋に卸して清酒になっているだけでなく、一般企業(リフォームの会社)とも取引をしており、その有機米は社員の給料の一部として支給されるということである。金子さんは「こういった有機農産物における価値を自覚した企業が増えて欲しい」とおっしゃられていた。確かに消費者は、有機農産物が体に良いとか、環境に優しいとか、そういった事をわかってきているのだが、それが個人としてだけではなく、更に社会における組織、企業といったレベルで考え方が変わっていかないと有機農業を根底から支えることは難しいのかもしれない。やはり、そういった考え方が広がる事は私たち生産者の成果に直結する事だと思うし、そのための努力は、私たちが先頭に立って行うべき事であると思う。
 霜里農場を訪れて感じたのは、有機農業の基本は、物質の循環であるということ。またそれが農場の現場だけでなく、社会企業まで続いているということ。さらに、時代背景も関連するが、エネルギーの確保も視野に入れて生活していかなければならないこと。BMW技術も基本は自然の水やミネラルの循環であると考えられるし、これらを有効利用していく技術はまだまだある。今回、有機農業の可能性を考えさせられ、私自身も農業に対する更なるチャレンジを誘起させられた。
  (報告:山梨県萩原フルーツ農園 萩原貴司)

注:SVO:Straight Vegetable Oil ストレート ベジタブル オイル。植物由来の廃食油SVOを処理して活用するシステムは、環境負荷が少ない。ゴミとして出る油かすも、農業堆肥として活用できる。

Author 事務局 : 2012年04月01日22:15

【AQUA241号】北見畜産BMプラント完成式報告

生活協同組合パルシステム千葉
組織運営本部長 中根 裕

 二〇一二年二月二〇日(月)、千葉県市原市にある北見畜産(有)にて、BMプラントの完成式が行われました。BMW技術協会、千葉BM技術協会及びパルシステム千葉の共催という形で準備を進めました。当日は米沢郷牧場からBMW技術協会伊藤理事長が駆けつけたほか、千葉BM協会の会員である㈱パル・ミートから四名、NPO支援センターちばから一名、千葉自然学研究所から一名、パルシステム千葉から一一名、BMW技術協会二名、㈱匠集団そら二名と北見畜産(有)の北見専務取締役が参加し、計二二名の完成式となりました。
 完成式の開催に先立ち、まずは新設された北見畜産でのBMプラントシステムを見学しました。プラントには生物活性水が満水となっており、今後の北見畜産での活用に期待が膨らみました。また、プラント設備の基礎工事や建屋工事は北見専務自らのオーダーメイド。北見専務の熱意が伝わりました。
 見学後、プラント施設の正面入口前で完成式を開催。冒頭、パルシステム千葉の平野理事長から、これまでのBMW技術協会との関係や千葉での取り組み、また、今後の北見畜産での生物活性水活用に関する期待について挨拶をいただきました。その後、㈱匠集団そらの星加氏からプラントに関する説明が行われました。

 プラントは、五トンのホーロータンク六槽を利用して構成してあり、原料はBM活性堆肥を使って培養調整をしています。今後は、場内にある尿処理施設から尿処理水を利用できるように配管する予定です。出来上がった生物活性水は、水質検査で亜硝酸態窒素や大腸菌、サルモネラ菌が検出されない結果がでており、さっそく繁殖豚舎への飲水供給タンクへ希釈添加したり、踏み込み豚舎へ散布して豚舎内の環境整備に活用する予定です。

 その後、会場を「里見庵」に移動し、懇親会となりました。「里見庵」は北見専務自らが農業体験圃場や直売所として運営している施設です。これまで、北見畜産(有)が参加しているパルシステム指定産地「首都圏とんトン協議会」の総会や、パルシステム千葉との組合員交流でも活用されています。ここの施設も、家屋を除いてすべて北見専務自らの手作り。養豚の合間に、交流に使う圃場の整備・管理も行っています。
 この想いのこもった「里見庵」での懇親会は、パルシステムに出荷している北見畜産(有)の産直肉を中心としたバーベキュー。懇親会の冒頭、北見専務から今後の抱負と生物活性水への期待について挨拶を頂いたほか、閉会では伊藤理事長から挨拶を頂きました。
 パルシステム千葉としては、千葉県内の重要な産地の一つである北見畜産(有)にBMWプラントが設置され、糞尿処理活用だけでなく、独自商品である「千葉のこめ豚」の品質向上につながっていくことは、大変意義のあることと捉えています。資源循環型の追求、また、地産地消の推奨という視点からも、今後もBMW技術を通じた連携強化を続けていきます。

Author 事務局 : 2012年04月01日22:14

【AQUA241号】やまなし自然塾が「みやぎBM技術協会」を訪問しました

 一月三一日〜二月一日の二日間、山梨県のやまなし自然塾のメンバーが宮城県のみやぎBM技術協会のメンバーの圃場や施設、被災地を訪れました。私も同行させてもらいました。雪が降り落ちる中、みやぎBM技術協会の西塚会長(大郷GF副代表)の案内で最初にあいコープみやぎへ。七郷みつば会の生産者の方々や吉武理事長、小野瀬副理事長はじめあいコープみやぎの皆さんと交流をおこないました。七郷みつば会の仁平さんが当時の状況から現在にいたるまでのことを話してくれました。みつば会は仙台市内中で津波の被害がもっとも酷かった地域にあります。仁平さんは「同じ地域内で海岸から二キロ以内にあった一二〇軒の家は全部流された。幸い、自分の家は二キロより若干内陸側なので家は流れなかったが圃場は全部ヘドロや瓦礫混じりの海水を被ってしまった。ハウスの被害も大きかった。死者が多く、被害も大きかったので半月ぐらい地域は閉鎖されたままで戻ることができなかった。入れるようになってからは、とにかく片付けの毎日。多勢のボランティアの方々が手伝いに来てくれた。復興をあきらめかけていたがボランティアや生協の方々の支援によって励まされ勇気づけられた。田んぼは今年も無理だが、来年ぐらいには何とかやれそう。ほうれん草や白菜などは作れるようになってきた。周辺地域の復興は水田、用排水の整備にかなりの費用がかかってしまうので、小さな区画を一町歩ぐらいに集約することを国は推進しているとのこと。この地域の農業が大型化などしていけば、個人でやっていた人たちは厳しい状況になっていく。グループでやっている生産者はなんとかやれるのかもしれないが、亡くなった方もいる中でここ荒浜の三〇〇ヘクタールを誰がどうやって生産していくのか不安が残る。」と話されました。塩水害の問題は東北大学やあいコープみやぎの千葉さんを中心に、七郷みつば会のメンバーの圃場で重金属などの残留がないかを徹底的に調べあげたとのことでした。さらに放射能汚染の問題もあり、復興への道はまだ険しく遠い感じを受けました。翌日は石巻の被災地を視察、高橋徳治商店を訪問し、高橋社長から当時のことから現在に至るまでのことやこれからのことを聞きました。高橋社長は「自分の会社の被害は二億八千万円ほどの被害。あまりにも酷い状況に再開する気はなかった。(中略)震災後から延べ一四〇〇人のボランティアや生協の方々、近県の生産者の方々が片付けや復旧作業を手伝いに来てくれた。それでも明日が見えない毎日、死のうかとも思った。そんな日々を越え一〇月一日にやっと第一工場が復活できた。(第二工場は壊滅)」と話された。さらに石巻地域では被害に遭った方々のメンタルの問題、インフラ整備や瓦礫(石巻地域だけで六〇〇万〜八〇〇万トン)処理を請け負うゼネコン主導の復旧、放射能汚染問題を顧みることのない漁協の対応など、テレビのニュースや新聞では中々見えてこない現場の声を聞くことができました。この後には、あいコープみやぎさんの運営する福祉施設「わ・は・わ大郷」の生物活性水プラント、西塚会長のプラントと鶏舎、大郷GFのライスセンターなどを視察しました。西塚会長は昨年の全国交流会で被災状況の報告をされましたが(アクア一二月・一月号参照)、西塚さんは「復旧のめどがついてきたばかり、これからは復興を進めて行かなければならない。復興の方が大変だと思う。震災後の一ヶ月は今日、明日食べることしか考えてなかった。津波の被害が大きかった地域から野菜や卵を求めて来る方もいて、みんなでわけあって助け合った。生協や協会からの支援もあり、やっとのことでここまで来られた。震災を経験して、人は支え合っていきていることを実感し、謙虚な気持ちを持たなければいけないと思った。」と話されました。仙台を後にする新幹線の中で、やまなし自然塾の小澤会長や向山協会常任理事が「やはり現場に来て、現場の声を聞くことが大切だと実感した。今まで認識していた状況はもちろんそうだったが、わからなかったことの方が多かった。『本物を作る』という志とそれを支える人達がいるからこそ大災害からここまで来られたのかもしれない。」と話していました。地方協会(地方事務局)同士の交流は今まで多くはなかったように思いますが、今後このような形も含めて交流活動も協会としてサポートしていく必要性を大きく感じました。(報告:BMW技術協会事務局 秋山澄兄)

Author 事務局 : 2012年04月01日22:13

【AQUA241号】九州プラント点検報告2

 先月号に引き続き、一月一七日(火)〜二〇日(金)に、西日本BM協会に所属するプラントの稼働状況確認と点検の報告です。西日本BM技術協会事務局・内山氏の運転で福岡県、佐賀県、熊本県のプラント八か所を訪問、伊藤理事長(一七〜一八日)、事務局・秋山、匠集団そら・星加氏が稼働状況の確認を含めた点検を行いました。生物活性水の点検はpH(水素イオン濃度指数)、EC(電気伝導度)、亜硝酸態窒素の数値を測定、透明度や色ツヤなどを点検しました。

■ドリーム野高(紅会・中村養豚場)
 一月一八日(水)の朝から中村さんの養豚場を訪問しました。中村さんは紅会の前会長で、昨年のBMW技術全国交流会の実行委員長を務められました。中村さんの養豚場は唐津市の中心部から車で三〇分ぐらい西へ向かった唐津市肥前町にあり、母豚三五〇頭、飲水改善プラントと簡易尿処理〜生物活性水プラントがあります。簡易尿処理プラントで処理された豚尿が生物活性水の原料となっています。中村さんの生物活性水はグリーンコープの耕種生産者にも多く利用されていて、ここから各生産者のもとへ運ばれています。プラントは土木槽で傾斜地に設置されていて、一槽の大きさは二〇tです。簡易尿処理プラントで処理した尿を、尿処理プラントの上側にある生物活性水プラントにポンプで送ります。最終槽からは敷地の下側にある貯留槽に移され、さらに貯留槽からはホースでトラックが入る場所まで生物活性水を送るシステムになっています。生物活性水プラントは途中曝気を止めている槽があり、その理由はこの槽でにごり(SS=残留浮遊物)を取るためとのことでした。中村さんのプラントに使用している岩石は、導入時に大きな花崗岩や地元の岩石を手に入れては自力で割って投入したため大変苦労したそうです。また、場内の各養豚舎に生物活性水をとりだせる蛇口がついていて、そこから豚舎内の噴霧などに利用するとのことでした。

■清村養豚
 一月一九日(木)に熊本へ移動し清村養豚さんを訪問。熊本市内から一時間ほど車で南東へ向かった御船町にあります。母豚は一一〇頭、簡易尿処理プラントがあります。すぐそばには熊本愛農会の集荷場と事務所があり、清村養豚さんも愛農会のメンバーでもあります。ここを訪れる前に愛農会の渡辺さんの圃場を見学させてもらいましたが、昨年の全国交流会での発表でもあったように、渡辺さんは清村養豚さんの簡易尿処理水を液肥として利用しています。また豚糞堆肥も同じように利用しています。愛農会の中で耕畜連携の系がなされています。しかし簡易尿処理水にしても堆肥にしても、耕種農家で使用するタイミングというのは季節を通して同じ時期に集中して必要となるので、簡易尿処理水も豚糞堆肥も年間通して一定の量を利用するということが難しい部分もあります。糞尿は毎日一定の量が出てくるので、使わなければ溜まる一方で集中して利用すれば処理も追いつかなくなる場合があるということでした。お昼に愛農会の事務所にて即席の学習会のようなものが開かれました。清村さん、渡辺さんをはじめ愛農会の生産者の方が集まりました。渡辺さんに続き、ほかの愛農会の方々も堆肥だけではなく、生物活性水を活用して行くために具体的にどうしていくかなどが話し合われました。

■大矢野原農場
 清村養豚からさらに東に行った山都町に大矢野原農場はあります。ブロイラーで総羽数は約四万羽。飲水改善と生物活性水プラントがあります。生物活性水の色が薄く、第一槽目(堆肥を投入している槽)のEC(電気伝導度)は低い数値でした。ここでは堆肥づくりに試行錯誤されているようで、生物活性水をどのように使っていくかを色々と考えているとのことでした。

■南阿蘇村
 一月二〇日(金)には、南阿蘇村を訪問しました。南阿蘇村の有機肥料生産センターには生物活性水プラントがあり、地域から出る牛糞を主体とした堆肥づくりに生物活性水が利用されています。原料はここで製造された堆肥です。プラントは五tのタンクを利用して生物活性水を作っていて、主に堆肥の水分調整用としての活用です。プラントはセンターの奥の方、堆肥舎の近くに設置されているのですが、センターの入り口付近には土木槽でできた貯留槽があり、最終槽から貯留槽へ生物活性水が送られるようになっていて、地域の生産者が持っていけるようになっています。ここでは匠集団そらの星加氏がリアクター塔充填材の交換の仕方を説明、またあらためてプラントの管理方法などについての説明をしました。センターでは、今後どのように地域で広めていけばいいかなどを検討しているとのことでした。

■まとめ
 前号においても書きましたが、今回訪問したほとんどのプラントで共通して言えることはプラントの管理方法についてです。例えばですが、浦養豚場の生物活性水プラントの例で言うと、プラントの大きさは一槽約二〇tの槽が全部で四槽あります。生物活性水を作る時は一槽の培養(処理)は七日間となっているので、二八日間で約二〇tの生物活性水が生産可能という計算になります。一日の生産量でいうと日量約二t、貯留槽があるため一日に二t以上使用しても問題はありませんが、例えば毎日一〇t使用した場合には生物活性水の生産が追いつかなくなるため、それを使用しても生物活性水としての効果は失われてしまいます。できれば洗浄用のタンクを別に設けて生物活性水を希釈して使うような形が良いと思い、そのような提案をさせてもらいました。次に熊本の清村さんのところでのことです。簡易尿処理としては少し泡が多く、ECも高く、処理が少し良くないような感じだったので清村さんに「このEC値と見た感じではもう少し処理がうまくいっても良いような気がするのですが」と聞いたところ、「そうですね。豚舎の規模に対して少しプラントが小さいかもしれません、また、植え付け前など耕種農家の使用が増えると集中して持っていかれてしまうのです。さらに貯留槽を入れた方がいいかと思ったりもしますが厳しいところでもあります。」と話されました。そこで「汚泥沈殿槽からの戻しを最初の槽にも入るようにした方が良いかもしれません、汚泥沈殿槽から最初の槽に戻し、活性汚泥を活用することにより少しは改善されるのではないかと。あとは厳しいかもしれませんが、別にタンクでも土木槽でもいいのですが槽を増やすといいのではないかと思います。」とアドバイスさせていただきました。母豚五〇頭規模における簡易尿処理についてBODは一〇〇ぐらいの数値になるのですが、清村さんのプラントではそれよりは数値が高めのような感じでした。また、清村さんの処理水を使用する、愛農会の耕種メンバーにもプラントの状況を理解してもらい、使わない時期も少しずつ引き抜いて、自分たちで保管するなどの工夫を皆さんでしてはどうかなどと提案させてもらいました。有畜複合(耕畜連携)が同じ組織の中で形成されているので、今後もお互いの状況を理解しながら取り組んでいただければと思います。
 ここでは二か所での例を書きましたが、他のところでもこれに似たケースで話すことがありました。全国各所に設置されているプラントは原料や槽の大きさがそれぞれに異なります。それにより、できあがりの成分なども大きく違う場合もあります。それぞれの現場に合わせた用途をあらためて確認する意味でも、基本的な管理方法、用途の確認などを共有する必要があるのではないかと思いました。
    (報告:BMW技術協会事務局 秋山澄兄)

Author 事務局 : 2012年04月01日22:12

【AQUA241号】事務局の活動報告

・一月三一日〜二月一日…山梨自然塾のメンバーがみやぎBM技術協会を視察のため訪問しました。事務局・秋山が同行しました。現地では、あいコープみやぎ、七郷みつば会、大郷グリーンファーマーズと交流、被災地や圃場などを視察しました。石巻の高橋徳治商店(水産加工)を訪問し、高橋社長のお話しを伺いました。
・二月二日…一月度常任理事会が行われました。(日程調整の結果二月二日になりました)
・二月三日…パルシステム山梨を伊藤理事長と事務局・秋山が訪問。白川理事長はじめ黒田常勤理事などに、法人会員入会に向けての挨拶と説明をしました。(二月末に二四年度からの加入が確認されました。)
・二月四日〜七日…中国・みどり農場のメンバーがフィリピン・カネシゲファームの視察、事務局・秋山が同行しました。
・二月八日〜一二日…中国上海〜常熟にてみどり農場ほか、新規プラント設置に関する視察と打合せを行いました。
・二月一七日〜一八日…第四回BMW技術・基礎セミナーを開催しました。
・二月二〇日…千葉県市原市の北見畜産にて、生物活性水プラントの完成式が行われました。当日はパルシステム千葉・平野理事長をはじめ、当協会の伊藤理事長をふくめ二二名が参加しました。
・二月二三日…山梨県山梨市の萩原フルーツ農園にて生物活性水プラントの設置工事が完了、培養調整中です。
・二月二五日…東京都千代田区のパレスホテルで行われた「radixの会」の総会に事務局・秋山が参加しました。

Author 事務局 : 2012年04月01日22:10

 
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