千葉BM技術協会 研修会を開催【AQUA208号】

  野田市の「ウェル&グリーンファームのだ」を視察
茨城開催の「花崗岩フィールド調査及び学習会」及びキックオフ集会にも合流

 三月八日、千葉BM技術協会主催の研修会が開催されました。千葉協会会員の(農)和郷園、生活協同組合パルシステム千葉、(農)新生酪農クラブ、㈱新生酪農等から一三人が参加し、午前中は、千葉県野田市のパルシステム千葉及びNPO支援センターちばが運営している「ウェル&グリーンファームのだ」を視察し、午後は、茨城県笠間市で開催された「花崗岩(稲田石)フィールド調査及び学習会」及び第一九回BMW技術全国交流会キックオフ集会に参加しました。
 午前中の「ウェル&グリーンファームのだ」の視察では、最初に二〇〇六年から取組まれている園芸福祉農場や、同農場やBM実験ハウスで生産されている農産物が販売されている直売所を訪問し、NPO支援センターちばの飯島弘子さんから、経過や取組み内容について説明を受けました。その後、パルシステム千葉の宮城直さんの案内で昨年、地域循環型農業をすすめるために導入された生物活性水施設や、生物活性水を利用して作られているBM菌体づくり等を見学し、最後にBM技術協会が企画している~自然学を実践する~「土と水の学校」有機栽培講座で学んだ有機栽培理論とBMW技術の融合による応用実践ハウスを視察しました。ハウスでは、山梨県の白州郷牧場で研修を受けたサンチュ栽培や、生物活性水の応用実験等が行われていました。慣行栽培との対照区を設けた栽培実験では、収穫量や品質で、良好な成果を上げているとの報告が行われました。
 「ウェル&グリーンファームのだ」を運営するメンバーは、生協職員や定年退職者を中心とするボランティアら、農業未経験者で組織されているため、農作業や栽培管理等の基礎的な部分で、まだまだ不十分な点もあります。視察した千葉BM技術協会会長で、和郷園の向後武彦副代表からは、潅水施設や、ハウスの適正管理、栽培品目等についての注意事項が指摘され、運営メンバーにとっては、貴重なアドバイスとなりました。
 ハウスの視察修了後、研修会参加メンバーは、茨城県笠間市で開催されている学習会及びキックオフ集会に合流し、全国交流会の昨年の開催県・千葉から、今年の開催県・茨城へバトンを渡しました。(報告:礒田有治)

Author 事務局 : 2009年05月01日15:44

花崗岩(稲田石)フィールド調査及び学習会【AQUA208号】

 花崗岩(稲田石)フィールド調査及び学習会&「筑波山系『流域・生態系再生』調査研究・学習プロジェクト」「第一九回BMW技術全国交流会」キックオフ集会開催
 
 
 三月八日(日)、茨城県笠間市にて、筑波山系「流域・生態系再生」調査研究・学習プロジェクトの一環として、「花崗岩(稲田石)フィールド調査及び学習会」と、同プロジェクト及び今年度、茨城県で開催される「第一九回BMW技術全国交流会」のキックオフ集会が開催されました。
 同調査研究・学習プロジェクトは、昨年、実施された茨城県鉾田市の田中一作邸でのBMWシステムの生物多様性や水質、土壌調査を踏まえ、今年度から茨城県を象徴し、良質の水をつくる花崗岩を産出する筑波山系を水源とする流域に沿って、水系の生態系や、それに基づく農業、漁業等を調査していくもの。第一九回BMW技術全国交流会の活動の一環としても位置づけられています。
 活動のスタートとなる「花崗岩フィールド調査及び学習会」とキックオフ集会には、全国交流会の実行委員会を構成する生活協同組合パルシステム茨城、茨城BM自然塾、有機栽培あゆみの会、らでぃしゅぼーや㈱、パルシステム生活協同組合連合会をはじめ、協会会員団体、NPO法人生物多様性農業支援センター等が参加しました。また、途中から昨年度の全国交流会を実施した千葉BM技術協会のメンバーが合流し、総勢約六十人の参加となりました。
稲田石(花崗岩)の特徴を学び、
 壮大な採石現場を見学
 フィールド調査は、笠間市で花崗岩(稲田石)採取している中野組石材工業㈱に集合し、清水澄 BM技術協会常任理事(第一九回BMW技術全国交流会実行委員長、茨城BM自然塾々長)、今回の調査にご協力をいただいた中野剛弘 中野組石材工業㈱代表取締役、学習会講師の奥地拓生 岡山大学・地球物質科学研究センター准教授の挨拶から始まりました。
 続いて、全員で稲田石資料館「石の百年館」見学と中野組石材工業の稲田石採石現場のフィールド調査に向かいました。稲田石資料館では、展示された数多くの岩石の前で、奥地講師から稲田石の特徴や組成について専門的な解説がありました。また採石用の特殊な工具や爆薬、採石作業のビデオなどの展示も見学しました。
 中野組石材工業では、参加者は地下千五百メートルまで花崗岩が埋まっているというスケールの大きな採石現場を熱心に観察して、奥地講師と中野代表取締役に数多くの質問をしました。
ミネラルの生命活動における重要性の学習と、筑波山系を源とする河川流域の調査内容の提案
 昼食後は、学習会となり、奥地講師から「岩石と水とBMW技術」と題して、講演が行われました。約六千五百万年前のジュラ紀にできた稲田石の生成過程から、BMW技術における岩石の役割、有機栽培や生命活動におけるミネラルの重要性について、興味深くわかりやすい内容の講演でした。
 続いてNPO法人生物多様性農業支援センターの岩渕成紀副理事長から「茨城県・田中邸の一年間の調査結果と今年度調査に向けて」と題して、講演がありました。茨城県田中邸における家庭雑排水をBMW技術で水田等に再利用するシステムについて、生物多様性の観点からの研究報告や水質・土壌分析の調査報告と、今年度展開する筑波山系の流域調査研究・学習プロジェクトについて、調査内容の提案が行われました。
 昨年の田中一作邸の調査で得られた成果や課題と、今回の調査研究・学習プロジェクトのスタートに当たり、生態系や水質、土壌を調査する基礎的手法の解説からはじまり、世界的な生態系保存運動の現状報告も交えた、今後の具体的な方向性を示唆する講演でした。
 その後、中野組石材工業の中野代表取締役からは「稲田石は花崗岩の採掘量として日本一であり、東京証券所、原爆ドーム、鹿島神宮の鳥居など多数の有名建築物に使用され、ニュースの背景には必ず稲田石がある」と稲田石についての興味深いお話がありました。
 全国交流会を千葉から茨城にバトンタッチ
 学習会後は、キックオフ集会となり、第一八回BMW技術全国交流会の実行委員長を務めた向後武彦千葉BM技術協会会長、副委員長を務めた平野都代子生活協同組合パルシステム千葉理事長から、昨年の全国交流会の成果および課題について挨拶と報告がありました。報告では、自治体を巻き込んで活動を拡大していくと良いのでは、との具体的アドバイスも行われました。
 この報告を受け、第一九回BMW技術全国交流会に関して、現在までの決定事項と今後の進め方について生活協同組合パルシステム茨城の横田敦実氏から現状報告が、また「流域・生態系再生」調査研究・学習プロジェクト実施に向けて、NPO法人生物多様性農業支援センターの田崎愛知郎氏から今後の進め方について提案がありました 。
 最後に、第一九回BMW技術全国交流会の清水実行委員長と、副実行委員長を務める小谷悠子生活協同組合パルシステム理事長から挨拶と全国交流会へ向かっての抱負が語られ、昨年度の開催県の千葉から、今年度の開催県の茨城へバトンタッチが行われました。
(報告:井上忠彦)

Author 事務局 : 2009年05月01日15:43

第1回BM基礎セミナーを開催【AQUA208号】

明日の日本農業を担う人々のネットワークづくりへ
~未来をひらく後継者・若手対象~第1回BM基礎セミナーを開催

 二月二三日(月)、東京・浜松町で、「~未来をひらく後継者・若手対象~第一回BM基礎セミナー」が開催されました。
 BM技術協会会員の生産者団体、生活協同組合、流通団体をはじめ、個人会員まで、今後の協会活動を担っていく若手や後継者等、全国から九十人以上の参加があり、BMW技術の歴史や基礎理論、活動内容等を学ぶとともに、今後のネットワークづくりのための交流が行われました。
 まず、石澤直士BM技術協会理事長から「去年の『第一八回BMW技術全国交流会』は成功して終わったが、ここで基本にかえりBMW技術の思想とその歴史を学習し直すことは大変重要だと思う。本質的な価値のあるものしか残らない時代が来ている」とこのBM基礎セミナーを原点回帰と位置づける開会挨拶がありました。
 次に、伊藤幸蔵BM技術協会常任理事から「志を持った若い人たちが知り合うきっかけをつくりたかった。理念と技術の両輪をまわしていくためには人と人との関わりが重要だ。この会が、生産者と流通や消費者団体が一緒になって日本の農業の明日を話し合っていける関係づくりに役立てば幸いだ」と趣旨説明がありました。
 続いて講演に移り、椎名盛男BM技術協会常任理事から「BM技術協会活動の歴史と技術の概要」と題して講演が行われました。
「地球には二つの浄化システムがある。一つは『腐敗』で悪臭を出すが、BMW技術はもう一つの浄化システムである『発酵』に関係している技術だ。発酵のシステムは『A+B=C』という公式で説明できる。Aは基質、Bはバクテリア等の触媒、Cは製品をあらわす。たとえば小麦という基質にイースト菌を加えるとパンという製品ができる。動物の糞尿という基質に酵母菌や放線菌などの微生物が加わると、コンポストや生物活性水ができる。これらを畜産や植物栽培などに活用しているのがBMW技術に基づく有機農業だ。家畜の糞尿は動物のエネルギー代謝から出る廃棄物だがそれをそのままに放置していくと環境は劣化し、生態系が破壊されてしまう。しかしBMW技術はそれを資源として活用し、循環型社会を目指す」とBMW技術の基本原理とその思想が説明されました。
 またBM技術協会発足以前の故内水護博士による自然浄化システムの実験ビデオ映像等を交えて、いままでのBM技術協会の歩みが紹介されました。
 次に、向山茂徳BM技術協会常任理事から「やまなし自然塾の取り組みと黒富士農場のBMW技術」と題して講演がありました。
 「鶏が元気になる餌づくり」として、黒富士農場でのクロレラ培養研究、発酵飼料の自給生産、カナダオンタリオ州での有機コーン生産などの事例紹介と、山梨県の土と水と食を考える会、「やまなし自然塾」の歴史や有機農業への取り組みが発表されました。
 「自然治癒力を高めるために、森と共生して鶏は鶏らしく育てる」「農業は産業というより文化ではないか」「Think globally, act locally.」「農場には学校としての価値が眠っている」といった言葉が参加者の印象に残りました。
 休憩の後は、今セミナーの参加者全員が自己紹介を行いました。詳細は二~三ページをご覧ください。自己紹介の後、会場を移動して交流懇親会となりました。食事をともにしながら、参加者による活発な交流が行われ、情報や意見交換の場となりました。
(報告:井上忠彦)

Author 事務局 : 2009年05月01日15:42

 
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