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2005年05月01日

AQUA161号 トップ記事

栽培時術の向上を目指し、各地で学集会を展開~自然学を実践する~「土と水の学校」開催


 BM技術協会の今年度活動目標の一つに上げられている、「BMW技術を活用した農法の深化」を目指した学習会〜自然学を実践する〜「土と水の学校」が、三月一九日の白州郷牧場を皮切りに、青森、山形、茨城で行われました。講師は、(株)ジャパンバイオファーム代表取締役の小祝政明氏です。
 各地で対象品目と目標を設定し、圃場の土壌分析とパソコンを使った施肥設計で、小祝氏のアドバイスを受けながら目標の達成を目指します。また、土壌分析のデータを集める事によって、作物別にどのミネラルが吸収されているのか等を明らかにしていきます。これらの研究によって、BMW技術を活用した農業栽培技術の向上を図っていきます。
 そのスタートになるのが、今回の一連の学習会でした。各地の様子を報告いたします。(報告 長倉徳生)
 ○三月一九日、白州郷牧場の研修センターで午後一時より、牧場のスタッフ約一〇名の参加で学習会は行われました。最初に有機栽培についての基礎的な説明を受けた後、小祝氏に圃場を見てもらいました。
 その後、研修センターに戻り、自分達で簡易土壌分析キット「ドクターソイル」を使って行った土壌分析の結果をもとに、小祝氏のアドバイスをもらいながら、参加者でパソコンを使った施肥設計を学びました。
 白州郷牧場の目標は、ナスなど果菜類の品質向上と収量アップです。現在、自分たちで分析、施肥設計したものを小祝氏に見てもらいます。今後も、夏野菜など施肥設計にもとづき土壌をととのえてから栽培を行うという事です。
 ○四月一日には、山形県川西町のホワイトボード、写真等を使いながら、分かりやすく有機栽培の技術を解説する小祝氏ファーマーズクラブ赤とんぼの会議室で学習会を行いました。参加者は赤とんぼと米沢郷牧場の会員約三〇名でした。
 こちらでは米、キュウリの品質向上と収量のアップが目標です。午前中は、BMW技術と小祝氏の「有機栽培技術」の説明が行われ、この二つが結びつく事によって、非常にすぐれた有機農業の技術が完成する、と小祝氏の期待が述べられました。午後からは、作物別の栽培技術の説明等に続いて、実際にパソコンを使って、施肥設計のソフトを操作する、ということを行いました。参加者の年齢は二二才から六五才ぐらいと幅が広く、パソコンそのものに不慣れな人もいましたが、小祝氏の説明を熱心に聞きながら、操作をしていました。
 今回の学習会での大きな成果は、参加者の多くにBMW技術の持つ有機物を分解する能力の重要性が小祝氏の説明によって理解できた事です。また、作物を作るときBMW技術と小祝氏の「有機栽培技術」が合わさる事によって、収量が上がる事が理解できた事です。
 現在、十数名の会員に圃場から土を取ってきてもらい、一緒にドクターソイルを使って分析し、パソコンで施肥設計を行い、できたものを小祝氏に評価してもらっています。
 ○茨城では四月三日に茨城町の公民館の会議室を借り、約二〇名の参加で学習会を行いました。
 茨城BM自然塾の目標は、サツマイモ、ジャガイモ、ニンジン等根菜類の収量アップと品質向上です。
 学習会では、ドクターソイルで分析したデータをパソコンに入力し、実際に施肥設計を行いました。
 また、根矢氏(茨城BM自然塾会員)のホウレン草の圃場を訪れ、小祝氏にアドバイスをしてもらいました。
 今まであまり気にかけてこなかったミネラル等の微量要素が大切な役割を持っている事、土壌中の炭水化物の事、堆肥の役割がよく分かった等の感想と共に、これまで「よい」といわれてきた事の科学的根拠が分かり、自分で取り組む際の自信になった、という声もありました。
 六月に再び小祝氏に茨城に来てもらい、米、サツマイモ等を中心に指導をお願いしたい、という希望もあるそうです。
 
 ○四月六日から八日にかけて、常盤村養鶏農業協同組合の会議室において、青森のトキワ養鶏、八峰園、秋田の(有)ポークランドのスタッフが集まり学習会が行われました。山形の赤とんぼからも参加があり、約二五名が参加しました。
 学習会の内容は次のようなものでした。
リンゴと野菜の植物生理及び肥料吸収等に関する講義、体積法による土壌分析データに基づく作物栽培、堆肥製造(温度の関係)についての講義、スライドによる作物の表情学及び根の健康状態の説明、土壌分析の方法とパソコンによる施肥設計方法、等でした。これまでの講習会等では、地下部と地上部の関係を話す講師はほとんどいなかったので、受講者は興味をもって聞き入っていました。
 今後は、土壌分析による土壌中の肥料等の吸収推移を見ながら肥培管理に取り組みたい、また作物生育に関わる、苦土の関係を調査したい、という希望が出ています。

Author 事務局 : 2005年05月01日 16:21

 
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