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2005年11月01日

AQUA167号 トップ記事

 青森県藤崎町の常盤地区農業集落排水施設で、㈱匠集団そらと㈱NIPPOコーポレーションが共同で新技術を開発し、悪臭防止実験に取り組み、実験開始後わずか二週間で悪臭の原因となっている硫化水素やアンモニアは検知されなくなりました。

 今年度の協会活動方針の一つ、「地域の水を再生し、地域生態系へ戻す活動」の具体化を図るため、㈱匠集団そらでは、昨年から農業集落排水施設における悪臭防止と余剰汚泥の減容をはかると同時に、再生された水を地域に、そして良質な汚泥を農地に還元するためにBMW技術を応用した施設改善事業を進めてきました。㈱匠集団そら及び業務提携関係にある㈱NIppOコーポレーションは、現在、共同で千葉県山田町や青森県藤崎町などでこの施設改善事業導入を提案しています。
 今年七月には協会の石澤直士理事長の地元でもある青森県藤崎町で、農業集落排水処理施設の改善を検討する現地調査を行いました。調査では、「施設での悪臭の発生と、悪臭の主な原因物質となっている硫化水素による施設の腐食が当面の問題」と同町下水道課からお話がありました。
 そこで、小学校が施設の前にあり、悪臭発生に困っている同町常盤地区農業集落排水処理施設で、まずBMW技術による消臭効果を上下水道課に確認していただくため、小田桐智高町長のご理解と担当課のご協力をいただき、今回の実験を提案し進めてきました。
 悪臭除去実験の概要は、濃縮された余剰汚泥の貯留槽内にリアクターシステムを設置して微生物培養調整による活性汚泥の改質を図り、悪臭を防止するものです。
 実験は、一〇月七日に小田桐町長、對馬一孝下水道課長補佐に、実験前と実験後の汚泥貯留槽の臭気を比較してもらうため、石澤理事長立会いのもと、実際の臭いを確認してもらうことからスタートしました。一〇月八日から、汚泥貯留槽にリアクターを設置し、臭気はガス検知管で測定し、データの収集を行ってきました。実験前検出のデータでは、硫化水素濃度は五八ppm、アンモニア濃度は五ppmでした。槽内に顔を近づけるだけで、ムッとくる下水道臭がありました。実験を開始した翌日には硫化水素は検出されなくなりました。アンモニア濃度も徐々に低下し、二週間後の二一日には、悪臭は感じられなくなり、検知管でも検知されなくなりました。二八日には、実験後の臭気レヴェルを実感して頂くため、再度小田桐町長にも確認に立ち会って頂き、実験は終了しました。
 この成功を受けて、㈱匠集団そらと㈱NIPPOコーポレーションは、BM技術協会のリーダーシップのもと普及活動に入ります。
(報告=㈱匠集団そら・星加浩二)

Author 事務局 : 2005年11月01日 09:00

 
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