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2006年01月01日

AQUA169号 トップ記事

 『「日本の人口 初の自然減」想定より二年早く』の見出しが二〇〇五年一二月二三日の新聞紙上を賑わしました。政府が予測していた二〇〇七年よりも早まる可能性が高まったそうです。なぜ、人口が減少するのか、どうしたら歯止めがかかるのか等の議論が進められています。この問題についての解説はともかく、昨年いろいろなヒントを頂いたような気がします。

 さて、昨年は農産物にとって、災害のない大変恵まれた年でした。一方で、採れ過ぎた為に価格の付かないと言う、昔から言う豊作貧乏の年でもありましたが、本来豊作と言うのは喜ばれるべきものだと思います。また、畜産の世界では、鳥インフルエンザが、冬場に発生するのでは、と言う予想を覆し、六月に発生し、しかもその後の発生の多さに、政府が方針に一貫性を欠き、越年すると言う不手際で、しかも、確たる証拠もないのにワクチン説を流布していると言うのも如何なものかと考えます。いずれにしても、早期に原因究明を図り解決に努めて頂きたいと思います。また、牛乳の消費の落ち込み、アメリカ産牛肉のなし崩し的輸入解禁。いずれにしても、食べ物が豊富な中での葛藤が続いています。
 「白神の夢」(企画・制作 白神の映画を作る会)をご覧になりましたか。三時間三〇分の超大作、この中で、秋田県八森町の子供たちの成長とその考え方の素晴らしさに私たちは、多くの事を学ばせて頂きました。地域の中に有る普段の生活や景色が実は、普通の事や普通のものが、実は普通ではなくとても大切なものだと言う事を、子供たちが、新鮮な目と真剣な気持ちの中で、砂に水が入るように吸収されて行き、その子供たちを地域の宝物として、大切に育てていく。小学校六年生が、マイナス二度でも醗酵する酵母菌「白神こだま酵母」を使って出来たパンとの出会いから始まり、白神山地の事を学んで行くうちに、この子ども達はもちろん、家族や、地域までもが変わっていく姿を、一年以上の歳月を掛けて記録したDVDです。ご覧になっていない方は、是非一度ご覧ください。
 昨年我が常盤村は、お隣の藤崎町と合併し、高校が一校、中学が一校、小学校が二校、幼稚園一校、保育所が四ヶ所増えて教育施設が五ヶ所から一四になりました。その内の二ケ所の小学校と、お隣の青森市にある中学校の子供たちが、体験学習及び見学に来ました。鳥インフルエンザ騒ぎの真っ最中に、子供たちは、鶏の姿や、卵に驚いたり、喜んだり、帰った後にたくさんの質問が、手紙で着ました。
 本当に基本的な事への質問が多く、例えば、「ニワトリはなぜニワトリなのですか?」とか、その中でも、小学校三年生の「うちのおばあちゃんは朝早くから畑仕事をやって養鶏の仕事をやって家では、家事をやっているのにどうして元気なのですか?」子供たちの観察力と、子供たちとの接点が本当に大切なのだと言う事を教えられました。
 最後になりますが、昨年の岩手大会(第一五回BM技術全国交流会)への評価を色々な方から頂きました。韓国の研究者、金美京さんからの発表、小祝正明さん(ジャパンバイオファーム代表取締役)の土の分析、松井眞一さん(松井ファーム)の生き方、いずれにしても今大切な事は、自分の生き方、そして、家族、次に地域、そこから、都道府県や国へと繋がる事を学んだように思います。目先の事も大切でしょうが、「地域の宝物」をどの様に育んで行き、継承していくのか、これからの数年間がとても大切になると思います。
 皆さんが、この協会に色々な地域の試みや宝物を大切にし、お互いに自慢していくならば、かならずや酉羽ばたいて戌笑う、そのような一年になるでしょう。
 今年一年BM技術協会をよろしくお願い申し上げます。

Author 事務局 : 2006年01月01日 16:54

 
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