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2006年03月31日

AQUA171号 トップ記事

 二月一八日、フィリピン・ネグロス島のカネシゲ・ファームで、BM技術協会の設立と発展に、多大な尽力を果たされた故兼重正次さん(一九九五年八月三〇日逝去、当時BM技術協会常任理事、グリーンコープ事業連合専務理事)の一〇周年忌が、日本ネグロス・キャンペーン委員会(JCNC)及び㈱オルター・トレード・ジャパン(ATJ)主催、BM技術協会後援、で行われました。

 兼重さんは、JCNCやATJが現地との連帯によって進めていた(ネグロス島の元砂糖キビ農場労働者が、持続可能な農業と民衆交易によって、自立する)取組みに、バランゴンバナナ生産を組み入れる事を提案されました。そして一九八九年から、ATJを通じ日本の生協等で、バナナの民衆交易が始まりました。また、バランゴンバナナ生産で発生する病害対策と、現地での地域内循環型農業や共同体づくりのため、BMW技術を活用される事を提案され、その拠点農場として、一九九四年に養豚施設と生物活性水プラント、堆肥製造施設を備えたカネシゲ・ファームが設立されました。
 一〇周年忌には、現地からバランゴンバナナ生産者協会や関係者約五〇人と、日本からは主催者をはじめ、一二人が参加しました。BM技術協会からは、椎名盛男常任理事(白州郷牧場代表)、生田善和常任理事(アルファコープおおさか専務理事)、BM技術協会事務局の礒田が参加しました。
 セレモニーは、関係者の兼重さんとの思い出を交えた活動報告から始まりました。
 椎名常任理事からは「兼重さんの遺骨は、三個所に眠っています。彼が生まれた九州と、このカネシゲ・ファーム、そして子供達の教育の場となっている山梨県の白州郷牧場という農場にあります。その白州には、兼重さんが亡くなった時、手帳にあった言葉が記念碑に刻まれています。それは『自然に溶け込んで生きている人は、感動的に美しい』という言葉です。その言葉が、白州で行っている農業と子供達の学校の精神になっています。兼重さんとグリーンコープに出会って、BMW技術は社会化する事ができました」と報告が行われました。
 また、生田常任理事は次いでこう語りました。「兼重さんは、私達生協の先輩というべき、尊敬すべき人でした。兼重さんは会う度に、ATJのバランゴンバナナとBMW技術の事を繰り返し話されていました。そして、ATJの民衆交易と、BM技術協会の農業技術の運動を全国の人に語る伝道師のような方でした。兼重さんが亡くなる直前にお会いした時に、この二つの運動の将来について心配されておられました。そして、ATJが中心となった民衆交易は、九州だけでなく、日本全国に広がっています。また、BM技術運動は、農業や環境問題を解決する糸口として日本中に広がっています。兼重さんが心配された二つの運動が立派に根付いている事を報告いたします」
 それぞれの報告が終わった後、参加者全員で、兼重さんの記念碑に献花や香を捧げ、一〇周年忌は終了しました。(報告=礒田有治)

Author 事務局 : 2006年03月31日 16:53

 
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