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2006年06月30日

AQUA174号 トップ記事

水の再生運動を通じて、流域共同体=ミクロコスモスの建設へ

 ~世界自然遺産「白神山地」の青森県・西目屋村でシンポジウム開催~

5月13日、世界自然遺産・白神山地を村内に持ち、岩木川の源流である青森県・西目屋村で、映画「白神の夢」上映・講演会と、岩木川流域の町村長らと石澤直士BM技術協会理事長が出席したシンポジウムが開催されました。一つの川の上流・中流・下流の市町村が、協力して水を守り、資源を生かし、地域づくり、人づくりを行なっていく重要性が話し合われ、今後、流域共同体として取組んでいく第一歩となりました。
 BM技術協会では、流域として地域ミクロコスモスの具体化を図る事を各地の会員と協力して、地方自治体等に呼びかけていく事を2006年度の方針としています。今回のシンポジウムは、その出発点となります。
 今回の取組みは、これまで会報アクアで紹介してきた映画「白神の夢~森と海に生きる」(※注1)を参考に、河川流域の水や土を守り、資源を生かした新たな地域づくりができないかという石澤理事長の呼びかけに賛同した関和典西目屋村長、小田桐智高藤崎町長、高松隆三五所川原市教育長ら、関係者の協力で実現しました。「好きです西目屋!講演会~白神エコツーリズムを考える ふるさと再発見~」と題して開催されたシンポジウムは、西目屋村中央公民館で開催され、村民160人が参加しました。その概要を紹介します。

≪映画「白神の夢~森と海に生きる」上映・講演会≫

 昨年、愛知県で開催された「愛・地球博」国連館で上映された「白神の夢」の縮小版の上映後、同映画プロデューサーの山下勉氏と、小池征人監督から講演が行なわれました。

■山下勉氏講演要約
[山下 勉氏:東京都出身、日本大学理工学部卒。
演劇舞台装置や大道具制作、環境アセスメントの仕事を経て、近年はそれらの仕事を生かし、映像記録という手法を取り入れながら自然の仕組みに基づいた地域振興策を提案、提言している。]

 この映像で紹介した秋田県の八森町にしても、西目屋村も、どこの農山漁村もそうですが、高齢化が進み、大都市に若い人が出て行ってしまっているのが現状です。そして、その都市でやってきた事が、地球規模で限界までに達して、資源の枯渇や温暖化や海洋の汚染とか様々な問題を起しています。
 一方で、皆さんのふるさとの西目屋村は世界自然遺産に指定されました。ここから流れている岩木川は日本海に流れ、十三湊(※注2)までいきますが、十三湊は、昔は大変な国際都市だったのです。皆さんが代々ここに住み、命をつなげてきた故郷は、どういう経過で、どうダメになり、どこに突き当たって、そして今世界自然遺産という評価を得て、これからどうしていくのか。この事を改革する方向で努力する事がこれから生まれてくるお子さん達や未来の為につながっていくのだと思います。その努力を今やっておかないと、未来の人の豊かさや、生きる自由を奪う結果になると思います。
 そのいい例がアフガニスタンや北朝鮮で、今、飢餓が起こっています。森を壊し、森を食いつくし、そして植物も生えなくなって、その大地に雨が降り、雪が降り、大地が崩れ、泥となって海に流れていきます。結果、近海漁業で豊かだった海の森といわれる藻場を埋め尽くし、魚も寄り付かなくなり、山の動植物はとれない、魚もとれない状況になっています。
 私達は、そういう世界共通の問題を抱えています。そして、その一番の模範となるような生態系の息づきが残っている白神山地は、命のつながりによって成り立ち、それを営々とやってきた場所です。そういう所に皆さんはいます。地球規模でどこの国も抱えている大事な問題の模範となるような資源を、この村は持っているという事です。
 それを未来にどう生かしていくかという事が非常に大事な事だと思います。
 世界につながっている岩木川流域の全市町村が、自然の資源の恩恵を受けて生きる生き方、未来に向けて、失ってはいけない価値観をどう次の世代につなげるかという事が重要です。

■小池征人監督講演要約
[小池 征人監督:山梨県出身。中央大学卒。
水俣病をテーマにドキュメンタリー映画を作り続けている土本典昭監督の助監督を勤めた後、公害や差別、冤罪事件等常に社会的なテーマの作品を作り続けている。作品に「水俣の甘夏」「人間の街─大阪/被差別部落」「免田栄/獄中の生」等がある。]

 この映画をつくる時に調べた資料の中に、非常に感動した記事がありました。それは、白神山地・青秋林道建設反対運動の資料の中にあった新聞記事です。1945年の3月に赤石川の上流に、大然という集落があるのですが、そこが土石流災害に合い、一晩で六七人が死亡し、生き残ったのはわずか10数人という大事件が起こりました。つまり、源流域の山に手をつけたらどういう事になるのかということが書いてある記事です。この記事を見て、赤石川の源流域の人々が、その事をもう一度思い出した訳です。それは人間の体に例えてみれば、脳にメスを入れる事と同じだと、だから木を切ってはいけないのだという事に気づき、わずか1ヶ月で13,000人の署名が集まって、白神山地が残ったのです。 
 西目屋村も全く同じ、源流域の村です。ここに生きている人達が白神山地から日本海にいたる流域をどう考えるかという事が、大変大事だと思います。何故なら、頭(上流)に暮らす人々の生活のあり方そのものが、津軽平野一体の色々なものに影響すると、私は確信を持っています。
 白神山地というのは、ただ大きな山があるだけです。そこからもう一つ考えると、変わらない事が大事なことなのだという事に気づきました。変わらないという事は、そこに安定した人を生かす自然体系や人間社会の関係や、仕組みがあるという事です。だから、ここは、縄文以来の人々から、生き続けてきた命がつながっているのです。自然の仕組みが変わらずある事が、実はそこに生きる人達を永遠に生かす物質的な財産になるのです。その事を私達は違う定規を持ってしまったので、もう一回白神山地の自然の定規に戻って、そこから考えたならば、もっと楽になるのではという事に気がつきました。この映画は、それをテーマにした映画です。

≪パネルディスカッション 「外から見た西目屋村」要約≫

●パネラー
 小田桐 智高 藤崎町長
 高松 隆三 五所川原市教育長(旧 市浦村長)
 関 和典 西目屋村長
 石澤 直士 BM技術協会理事長((農)トキワ養鶏代表理事専務)
●司会
 森内 美夫 NPO法人クッピ副会長

(司会) 岩木川の源流は、西目屋村で、全長は102キロ、その間に藤崎町、旧常盤村があり、最後にシジミ貝のふるさとである十三湖に流れ込んでいます。川との係わりから、その思い入れを紹介していただきたいと思います。
(小田桐 藤崎町長) 今、ペットボトルに入った水が500ミリリットル、120円か130円で売っています。これはガソリンよりも高い値段です。1リットルに直すと300円近くします。それを下流の人は、お金を出して飲まなければいけないという時代です。藤崎町は岩木川の流域にあり、白神の水の恩恵をうけている町です。農業用水や飲水に使わせていただいています。藤崎町は農業の町であり、農産物にはきれいな水が必要です。だから、この水を汚さないように使わせていただいて、またきれいにして、返さなければならないという思いでいます。
 白神山地から流れる水は、岩木川となり、弘前市、藤崎町等を通り、最後は十三湖に注ぎます。そこには、シジミ貝が生息し、我々が汚した水は、最後はシジミ貝が浄化しています。それを我々はおいしいと食べています。だから我々が汚した水は、きれいな水にして返さなければ、やがては自分の口に入ってくる事を認識しておかないと、必ずしっぺ返しを受けます。
(高松 五所川原市教育長) 我々の生活形態は、川の恩恵を受けているのにもかかわらず、生活用水の垂れ流しや、農業で利用される除草剤等の農薬が各河川から十三湖に流れ着きます。特に岩木川は、東北で二番目に汚れている川と言われています。その証拠に田んぼにドジョウがいなくなり、川にメダカがいなくなっています。昭和三〇年頃には十三湖には、白鳥が千羽以上来ましたが、今は多くて五〇羽程度しか来なくなりました。だから、上流と中流と下流の人々が一体となって、川を守らなければならない。いくら上流できれいな川を守ったとしても、途中で汚されてしまえば、やがては人間も住めないような所に変わっていってしまう。上流と下流の価値観を再認識しながら話し合ってほしいと思います。
(石澤 BM技術協会理事長) 農業で一番重要なのは水です。トキワ養鶏でもBMW技術で、畜産の糞尿を宝に変えようということをやってきました。また、高知の最後の清流といわれる四万十川でも、畜産を中心にこの技術が取り入れられています。小田桐町長が昨年のBMの全国交流会で、シジミ貝の話をされ、川の重要性に気づき、その話を関村長に話をさせていただき、今回の会が開かれることになりました。関村長は、日本で一番若い村長で、自らが日本一の村のセールスマンになりたいという方です。
 上流と中流と下流が手を結んでやっていけるか、その第一歩が今日だと思います。
関 西目屋村長 白神+西目屋村で、岩木川の上流という答えがでます。この上流というものをどう生かしていくかという事で、色々答えが出てくると思います。西目屋村の産業は、農業が基本です。つくる事=売れるという芯がないと、つくる楽しみや、意欲がわきません。西目屋村で何かをつくったら、農産物に付加価値がついて売れるというシステムをつくりたいと考えています。今日、映画を見、皆さんのお話を聞いて、西目屋村はどん詰まりではなく、川の上流にいたのだという事に自信を持たなければならないと気づきました。また、小池監督の話によれば、我々は中流・下流の人々の頭脳なのだから、きちんと考え方を持ってやっていかなければならないと思います。
(司会) 皆さんから、川を大事にし、川のエネルギーで町を活性化していきたいというお話しがありましたが、西目屋の村民にメッセージをお願いします。
小田桐 藤崎町長 産業構造は、西目屋村も藤崎町も変わらず、米とリンゴの農業が中心です。あとは付加価値をつけて販売していく事が大事だと思います。ここには、世界遺産の白神と、美しい水、と他にないものがあります。そういう事をセールスポイントにすべきだと思います。藤崎町では、有機農業や減農薬農業を進めており、ドジョウがいて、ホタルがまだいます。こうした事が付加価値につながると思います。
(高松 五所川原市教育長) 九州のある町長は、1,000万円かけてプールをつくるなら、川に1,000万円かけて、子供達の遊び場をつくるそうです。そうすれば、お母さん達は平気で合成洗剤を流せなくなるだろう、ゴミを捨てなくなるだろうという事で頑固一徹で通してきた町長もおられます。先ほどの映画にもあったように地球上の全ての命は、水の中から生まれます。水が無ければ命は存在しません。だから、西目屋村も確かに白神があり、岩木川の源流であるけれども、ただ源流というだけでは、村民の生活に大きな影響を及ぼす事はないでしょう。源流である西目屋村をどういう形で売り込み、付加価値をつけるかが問われるところです。先ず、水に学び、水を生かす方法を考える必要があります。先ほど小田桐町長がミネラルウォターの話をされましたが、これを1トン換算すると約30万円。ところが皆さんが毎日使っている水道水は、1トン当たり月の水道料金にすれば、約250円~300円です。それでも水道料金は高いという。でも水道水の何倍かの水は平気で飲む。景気が悪くて収入がないといいながら、これは何本でも飲む。この感覚が私は少しおかしいのではないかと思います。こういう事を再認識し、世界遺産である白神を活用して生活していけるような西目屋村の新しい生き方がこれから問われると思います。
(石澤 BM技術協会理事長) 川を大事にしていく事を西目屋村から始めていけば、この事自体がブランドになります。この流域全体がブランドになり、そこでつくったものがいいものになっていきます。普通の当たり前のものを、その川の水を使ってつくったという事が一番大事なブランドになると思います。汚い水の所でつくったもの、農薬の流れている川の水でつくったものに、本当の価値があると言えるでしょうか。
 この水を守るきっかけになった今日が、始めの一歩となり、この小さい村からの発信が非常に重要で、歴史に残るような一日になるのではないかと考えています。これだけの皆さんが集まり、お話できた事が、弘前市、藤崎町、板柳町、五所川原市という岩木川の流れにつながっていくと思います。是非、この地域から先ず、発信していただいて、中流、下流につながっていけるようにしていただきたいと思います。
 最後に、映画にも出てきましたが、小学校の子供達が白神山地や地域の事を勉強して、成長し、卒業するときにはとても凛々しい顔になっていきます。だから、西目屋村も子供達を宝物にして、この地域を教育の場として育てていってほしいと思います。それがいずれは希望となり、世界のモデルになっていくのではないかと思います。今日がその第一歩になってくれればと思います。
関 西目屋村長 今日の映像は秋田県八森町の映像でした。しかし、この映像は、日ごろ我々が見ている光景です。母さんがいて、父さんがいて、ご飯を食べているという光景は、日常的に我々の周りにある光景です。という事は、あの映像の中にあるのは我々なのです。その中に色々なヒントがあったと思います。我々は何を大事にしなければいけないのか。我々がどういう地に足をつけて立っているのかという事をこれからも学んでいきたいと思っています。そして、それを一つの方向にまとめていきたいと思います。

※注1:アクア170号8面、172号6面参照
※注2:十三湊(とさみなと)日本海と十三湖に挟まれて延びる砂州の上にあり、中世、当時の最北端の港として、中国との交易をはじめ、国内外の物産がこの地に集まり、大交易港、北の都として脚光を浴びた。

(報告 礒田有治)

Author 事務局 : 17:50

2006年06月22日

「土と水の学校」in宮城を大郷町で開催

 6月22日、大郷グリーンファーマーズ主催による、~自然学を実践する~「土と水の学校」、有機栽培編が、大郷グリーンファーマーズの生産者や、あいコープみやぎから22人が参加して開催されました。㈱ジャパンバイオファームの小祝政明先生を講師に、トマトやレタスやブロッコリー、水田圃場などの現場で、現地講習が行なわれました。

トマトハウス

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 初期成育は順調だったが、6月になってから悪天候になり、5段目の花がついたあたりから、葉かび等の病気が発生した。苦土を追肥していたにもかかわらず、潅水チューブの位置が誤っていたため、苦土が溶けず効かなったことや、湿度が高かったことが要因。チューブの位置、湿度管理の徹底で状況は改善できる

レタス畑

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 有機肥料の窒素が生育後半に分解し、窒素が後効きしたことにより結球しているレタスの外葉が立っている。すでに完成している葉に窒素が効き、そこから腐り始める原因となる。分解しにくい有機肥料は、前年にすきこんで、土の中で発酵させる必要がある

ブロッコリー

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 やはり、分解しにくい有機肥料が後効きした例。ブロッコリーの芯が腐り始めている

肥料

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 肥料の解説。市販の有機肥料には、未分解の原料が入っていないか十分注意し、成分を見て、栄養成長期に適したものか、生殖成長期に適したものか判断すること。また、石灰や苦土肥料にも、それぞれ特質があり、土壌のPH等によって使い分けが必要

水田

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 苦土を施肥した稲と、未施肥の稲を比較。苦土を施肥した稲の方が明らかに生育、葉色がよい。
また、前年の秋ではなく、春に有機肥料を施したため、水田でガス湧きが起きている。


大郷グリーンファーマーズ・西塚さんの飲水・生物活性水プラント

  生物活性水プラントについての説明はこちら (株)匠集団そら 

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西塚さん、敦子夫妻と飲水改善、生物活性水プラント。西塚さん夫妻は、採卵鶏と、水田4ha、野菜60㌃の有畜複合経営を行なっています

養鶏

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 採卵鶏1500羽は平飼いで飼育。鶏糞を生物活性水で発酵させ、耕作農業に利用している。

Author 事務局 : 06:34

2006年06月21日

「土と水の学校」秋田県・鹿角で開催

 6月21日、北東北BM自然塾主催による、~自然学を実践する~「土と水の学校」、有機栽培編が開催されました。BM協会会員の(有)十和田湖高原ファーム、(有)ポークランド、JAかづのから12人が参加しました。㈱ジャパンバイオファームの小祝政明先生を講師にキュウリの栽培圃場での実践研修と、講義が行なわれました。

十和田湖高原ファーム キュウリ

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 土壌分析による施肥設計とポークランドの豚糞堆肥と生物活性水の利用で、天候が悪く、低温にもかかわらず、生育は極めて順調なキュウリ。定植後、活着が異常に早く、11日目で根が約50センチ伸びている(十和田湖高原ファームの実験圃場で)

JAかづの キュウリ

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 堆肥の炭水化物が効き、天候不順でも順調に生育しているキュウリ。早めの追肥(窒素分とミネラル)と微量要素欠乏に留意することが今後の栽培のポイント(JAかづの生産者の圃場で)

JAかづの講義

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 圃場での検証に基づいて行なわれた学習会。植物は、細胞と植物繊維(セルロース)からできている。細胞をつくる原料は何か。セルロースをつくる原料は何か。細胞の生命活動を維持するものは何か。これらを体積法による土壌分析を行なって、植物に供給することが作物栽培の要点と講義する小祝先生


ポークランド紹介

バイオベット

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 軽石とBMW技術で製造された堆肥で約1メートル高さの層をつくり、その上で、豚を飼育するバイオベット 

生物活性水

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 豚の尿を処理した排水を原料につくられる生物活性水。豚舎の洗浄や堆肥製造などに利用されている

堆肥施設

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 ポークランドの堆肥づくりは、尿混じりの豚の糞を、できた堆肥と混ぜ、水分調整をしてから発酵させる

Author 事務局 : 05:49

2006年06月20日

「土と水の学校」青森県八峰園で開催

青森県・トキワ養鶏、八峰園で「土と水の学校」を開催しました。

 6月20日、青森県・トキワ養鶏グループの八峰園で、~自然学を実践する~「土と水の学校」が開催されました。同学校は、BMW技術を活用する会員を対象に自然を科学的に探求し、自然と調和した農業や生活を現場で実践するために、昨年からBM技術協会が企画している学習会です。

 今回は、その有機農業編。㈱ジャパンバイオファームの小祝政明先生を講師に、植物生理に基づき、体積法による土壌分析を行なった施肥や栽培管理を学び、実践するものです。農業現場では、この学習会を通じ、BMW技術を利用してできた堆肥や生物活性水のより効果的な活用方法や応用を学ぶことができます。
 今回開催された「土と水の学校」では、現場での実践学習が行なわれました。その模様をダイジェストで紹介します。


リンゴ畑

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 昨年、リンゴ畑に入れたミネラル肥料(カルシウムやマグネシウム)や、有機肥料、堆肥がリンゴにどう効いているか、リンゴの枝や葉を見ながら検証

リンゴの枝

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 肥料を施肥した時期、量、質が枝と葉に反映される。植物生理に適した施肥を行なうと写真のように葉の大きさが揃う

アスパラ

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 昨年から土壌分析に基づいた施肥を行なっているアスパラのハウス。
4月、5月は昨年と比較して、収穫量は約2倍になっている。

ニンニク

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カルシウムやマグネシウムを適正量施肥したニンニク。白く太い根が出ているのが特徴。
玉太りも良好だ

トマト

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 若干、前作の肥料が残っていて、窒素分がやや多めだが、順調に生育しているトマト。マグネシウムやカルシウムの施肥により、植物の生理が活性化され、土から養分を活発に吸収している。マンガン等微量要素欠乏に注意しながら、追肥の内容、時期を決めていく


トキワ養鶏のBMW技術

平飼鶏舎

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飲水改善、生物活性水システムが導入されている平飼鶏舎

堆肥ライン 
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堆肥は鶏糞と籾殻を原料に製造されている

生物活性水

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 鶏糞堆肥を原料に製造される生物活性水。鶏舎への撒布、飲水への添加、堆肥の発酵促進、耕作農業に利用されている

飼料米実験圃場

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 有畜複合の循環型農業を目指し、トキワ養鶏の鶏糞堆肥と生物活性水を活用し、実験栽培が行なわれている飼料米の水田。

Author 事務局 : 15:23

2006年06月14日

「土と水の学校」山形県・ファーマーズクラブ赤とんぼで開催

 6月14日には山形県の有限会社ファーマーズクラブ赤とんぼで「土と水の学校」が開催されました。赤とんぼも昨年から「土と水の学校」を開催し、水稲の品質・収量向上を目的に、昨年1年間施肥設計に基づいたミネラル等の施肥を行いました。その結果、苦土、石灰等のミネラルを施さない対象区と比べて反当たり一俵程度の増収が確認されました。

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 今回は各自の田んぼの確認を中心に行いました。この地域は、もともと水田の酸性が強い所です。そのため、苦土、石灰を施肥しているにもかかわらず、まだPHが上がっていない田んぼも見られました。土壌分析をこまめに行いながら、さらに積極的に苦土、石灰を施肥する事が確認されました。田んぼのPHが高いところでは、しっかりとした白い根の張った稲が確認されました。

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 午後からの講習では、苦土、石灰の施肥の次の段階として、田んぼのような嫌気状態の中で有機物を分解し、アミノ酸にする酵母菌等の微生物の積極利用や、ミネラルの働き等が重要である事を確認しました。マグネシウムは光合成をするときに欠かせないミネラルであり、カルシウムは細胞同士を接着し、鉄は植物の呼吸に関係するミネラルである事等を学習しました。

Author 事務局 : 17:45

2006年06月13日

「土と水の学校」茨城県・茨城BM自然塾で開催

 6月13日に茨城BM自然塾主催の「土と水の学校」が行われました。茨城BM自然塾では、主として、根菜類の品質・収量の向上を目的に、「土と水の学校」に昨年から取り組んでおり、昨年の11月に行われた「第15回BMW技術全国交流会」で、1年間の取り組みの成果発表を行っています。
今年はジャガイモ、サツマイモ、コメ、小松菜等の作物で、それぞれ大きな成果を見せています。

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 ジャガイモは初期成育が順調で、試し堀でも1株15個ぐらいの成長した芋を付けていました。ただし、成長が順調なだけに微量要素などの吸収も多く、鉄分が不足傾向ある事が観察されました。このまま順調に生育すれば昨年の倍近い収量が見込めるのでは、との事でした。

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 小松菜は、20センチほどに生長していますが、最初に発芽した双葉がしっかり緑色のまま残っていました。これは苦土が効いている証という事です。生産者もこれまでとの違いを実感しており、葉の厚みがましている事等を参加者で確認しました。しかし葉の色からは、若干、鉄の欠乏がうかがえ、早い時期に土壌分析を行い、微量要素の減少に注意する事を確認しました。

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 サツマイモは苦土、石灰と炭水化物の多い肥料を施肥したという事で、初期の生育が大変順調でした。根のはりもしっかりしていて、赤く膨らみ始めた根もありました。茎は、節間が短く、色が赤くしっかりしていました。これは順調に生育している証拠だという事でした。特に茎の赤い色はアミノ酸の色で、こうした健康なものには虫も入らない、との解説が小祝先生からありました。今後は微量要素の施肥管理が課題になります。

Author 事務局 : 16:38

2006年06月12日

「土と水の学校」新潟県・謙信の郷で開催


 6月12日には新潟県の「謙信の郷」主催の「土と水の学校」が行われました。謙信の郷は、有機栽培におけるコメの収量アップ等を課題に、今年から「土と水の学校」の取り組みを始め、今年1月に続いて2回目の開催となりました。前回は植物生理の学習、土壌分析と施肥設計の方法を学びました。今回は、施肥設計に基づいて栽培されている稲の視察から始めました。

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 この地は鉄分が多く、稲の根が酸化鉄で赤く皮膜されているものが多く見られました。小祝先生によると、根に赤く鉄の皮膜ができると養分を十分に吸収する事ができなくなります。これを防ぐためには、石灰等を十分に入れPHを上げておくと、鉄が水に溶け出さなくなるという事です。実際、PHの高い田んぼの稲の根は、太く、しっかりしていました。

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 午後からの講習会では、稲の植物生理に話を絞って科学的な解説が行われました。稲の苗は2.5葉ぐらいから気道を作り葉から根に空気を送り始める事、未熟な堆肥を使うと嫌気状態の田んぼの中で有機物の分解に時間がかかり、分解されたチッソ分が、稲の生育後半できき始め、無効分けつにつながる事等を学習しました。今年の秋は、堆肥や石灰・苦土等の施肥時期と量が課題となります。

Author 事務局 : 16:27

2006年06月11日

「土と水の学校」山梨県、白州郷牧場で開催

 6月11日に「土と水の学校」が白州郷牧場で行われました。白州郷牧場では昨年より、水ナス等果菜類や葉菜類の収量の向上を課題に「土と水の学校」を開催し、土壌分析に基づいた施肥を行ってきました。その結果、ホウレン草の収穫量の倍増等の成果を上げています。

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 現在、ハウスで栽培されているサンチュの生育状態は順調で、土壌分析に基づいた施肥設計の効果が確認されました。今後は苦土、石灰の施肥の次の段階として、微量要素の追肥について生物活性水の応用を含めた研究が課題となります。

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 路地の水ナスの圃場でも、順調な生育が確認されました。現在付いている花が大きく、特に初期の生育が順調だった事がうかがえました。

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 講習には、白州郷牧場のスタッフ等、12名が参加しました。
 小祝先生は、土壌診断に基づいた苦土と石灰の施肥により、成果が出ているとし、次のステップとして鉄、マンガン等微量要素の役割等について解説しました。植物が細胞を分裂させるために鉄が必要な事と、マンガンは二酸化炭素を吸収できる一酸化炭素に変えるために使われている事、を学習しました。(写真:サンチュの状態を聞く白州郷牧場のスタッフたち)

Author スタッフ : 10:37

2006年06月09日

池田農場 生物活性水プラント



BMで環境に負荷を与えない暮らしを実践

島根県斐川町 池田健二さん

 出雲大社で有名な島根県出雲市と斐川町を分けて流れる斐伊川、この川は出雲平野に昔から大きな恵みをもたらしてきました。斐伊川の川沿い、斐川町に暮らす池田健二さん宅に生物活性水プラントが完成したのは2003年11月の事です。


 池田さんは農業が生業ではなく、現在はプラスチック製品屑を再生し、再び原料を製造するリサイクルを仕事としています。

自然の中で環境を守りながら暮らす大切さを語ってくれた池田夫妻。屋根裏にムササビが巣を作ったこともあるそうです

 池田家では両親がコメを中心にタマネギ栽培等の農業を営んでいます。しかし、池田さんと奥さんはほとんど農業の経験がありませんでした。ではなぜ、生物活性水プラントを家に作ったのでしょうか。

 きっかけは、池田さんが新聞で書籍「夫婦二人の農場を始めよう」(小野雅弘著/太田出版/1999年)の広告を見た事でした。この本は、退職後茨城県で自給的な暮らしを始めた田中一作、智恵子夫妻の暮らしを紹介したものです。田中夫妻は、トイレ、風呂などの生活雑排水を原料とした生物活性水プラントを全国に先駆けて導入し、生物活性水を使って野菜を作り、鶏を飼い、もち米作りまで行っています。

 タイトルに興味を持った池田さんは、本を購入し読んでみました。5年ほど前の事です。普段あまり奥さんと旅行などしない池田さんですが、田中夫妻の暮らしぶりに興味を持ち、二人で茨城県の田中さんを訪ねました。そして、BMW技術に大きな関心を持ちました。田中さんのところで見た堆肥は、それまで見てきたものと違ってさらさらしていて臭いもありませんでした。また、鶏小屋にも入れてもらいましたが、小屋の中も子供の頃の印象と違って臭くありませんでした。そして、何より関心を持ったのが、環境に負荷を与えない暮らしぶりでした。排水を外に出さずに生物活性水に変え、様々な形で利用する暮らしです。それ以来、「自分の所でもBMWプラントを作って・・」と思い続けたそうです。

以前は農機具小屋だったところを生物活性水プラントに

 一昨年の11月に完成したプラントは、田中さんと同じようにトイレなどから出る生活雑排水を原料にして生物活性水を製造するものです。トイレの流し水には、生物活性水が戻される仕組みになっています。

 できた活性水は現在、ご両親が畑作に使っているほかに、家の前にある田んぼで自家用のコメの有機栽培に使っています。昨年は稲の葉の色が少し悪いなと感じたので、葉面散布を行ったといいます。効果は、と池田さんに聞いてみると、化学薬品ではないのではっきりした効果は感じないが、畑作に生物活性水を使ったご両親は根のはりがいいようだといっていたという事でした。

田んぼにホタルが戻ってきた

家の前に広がる自家用の田んぼ。右から2つ目の駐車場の屋根には太陽光発電のパネルがのる

 家の前の自家用田んぼは池田さんが管理しているもので、オーバーフローした生物活性水がここに流れ込む仕組みになっています。この田んぼは農薬を使わない事もあって、生物が豊かです。小さい虫等が多種生息し、しばらくみられなかったホタルも今年から見られるようになりました。また、島根県のレッドデータブックで「要注意種」とされているモリアオガエルの卵も今年たくさん見られたということです。

 「稲(を作るのは)は楽しいです。夕涼みがてら田んぼの脇に立っているだけでも気持ちが落ち着きます」と池田さんはいいます。
 「絶やすまい、ホタルのひかり、赤とんぼ」これは、町の環境フェアーの際に池田さんが応募し、特選に選ばれた標語です。

 BMWプラントのほかに、太陽光発電を池田家では導入しています。今年、車も走行あたりの排ガスが少ないハイブリッド車に買い換えました。

 今後の事をうかがうと、生活面での生物活性水の利用を進めたい、現在小規模でやっている有機栽培の畑を増やしたい、そして鶏を飼って循環を作りたいと、主に3つの目標が返ってきました。

流し水に生物活性水が循環しているトイレ。奥さんによると水道代もこれで少し助かっているそうです

 生物活性水の生活面での利用については、池田さんが昨年出席した「BMW技術全国交流会」での発表「家庭におけるBMW技術」(永野華那子・アルファコープ)が刺激になったようです。鶏の飼育は田中さんの所を見学して以来、願い続けている事のようです。特に奥さんが希望していて、「烏骨鶏を飼いたい」と品種まで決めていました。しかし二人とも現在仕事を持っているため、なかなか実現までいたりません。

 環境に配慮した暮らしをしたい、と語る池田さん。その思いは、昨年病気をした後、さらに強くなったといいます。

 「うち一軒がやってもしょうがないかもしれんけど、誰かがやらんとね。すこしでも」と池田さんはいい、今後も自分でやれる事をやっていきます、と淡々と語りました。

(取材 長倉徳生)

Author 事務局 : 10:42

 
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