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2006年11月22日

第16回BMW技術全国交流会」が開催されました(2)

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 パネルディスカッション「新しい生産者会員のためのBMW農法に関する初心者講座」は、『生物活性水の使い方』を題材に、BMW技術に取組んだ経緯などがパネラーから報告されました。長崎会長が司会、石澤理事長がコメンテーターを務め、パネラーに清水澄常任理事(清水牧場)、押田明理事(綾豚会)、高草木理事(白州郷牧場)、豊下勝彦理事(ポークランド)、山本優作理事(夢産地とさやま開発公社)の各氏が、BMW技術に出会ったきっかけ、BMW技術に取り組んだ目的、導入後の変化や生物活性水の利用方法などについて報告しました。

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 韓国の金美京教授(嶺南大学校海洋科学研究センター)は「微細藻類の高効率培養を助けるBMW天然キレーティング剤の効果に関する研究」と題して、研究の発表を行いました。微細藻類の培地に生物活性水を添加すると、細胞の生長や光合成能力が高まり、かつ、その培地で栽培した藻類は機能性食品として、抗ガン効果がある事、また、生物活性水はキレート剤(EDTA)の天然代替物質となる事が報告されました。

 山梨自然学研究所の西村美香氏からは、昨年の韓国の金教授の発表をヒントに山梨大学の御園生拓教授と共同で進められている生物活性水によるクロレラの培養実験について、「生物活性水による単細胞緑藻クロレラの培養」と題して、研究発表がありました。生物活性水は合成培地に比べて生長が遅いがクロレラは十分に生長する事が分かり、今後は実用化に向けた大量培養システムを構築し、養鶏飼料としての有効性についての試験を行うとの発表が行われました。


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 昨年からBM技術協会会員産地で取り組まれている~自然学を実践する~「土と水の学校」の報告は昨年の全国交流会に続いての報告となりました。

 はじめに礒田有治BM技術協会事務局長が、これまで耕作でのBMW技術の活用は、土壌の物理性、生物性についてはBM堆肥と生物活性水で対応できるが、土壌の化学性の改善については不十分だったと課題を示し、この課題を中心に「土と水の学校」を開催してきたと説明しました。「土と水の学校」講師の小祝政明先生からは、「BMW技術と有機栽培理論」と題して、植物生理の解説、BMW技術を用いて作られた堆肥に足りないミネラル分を加えることで理想的な栽培体系ができあがる事、等が解説されました。また、植物生理に基づいた化学性の課題を解決すれば、日本の有機農業技術の中で、BMW技術は有機栽培技術の確立に最も近い所にある技術と評価しました。


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 秋田県の十和田湖高原ファームとJAかづのは、キュウリの多収生産をテーマに取り組みを発表しました。十和田湖高原ファームでは初期成育は非常に順調だったものの、追肥の仕方で失敗し思った通りの結果は出せなかったが、こうした問題をクリヤーすれば多収穫が達成できるとの感触を得たことが報告されました。JAかづのではキュウリの一節からほとんど2本以上の実がなり、全体的な良品率も向上したという報告が行われました。

 山形県のファーマーズクラブ赤とんぼでは、米の多収、高品質、高食味生産をテーマに取り組みました。低温のため初期の生育が遅れたが、実験圃場の収量は10俵と良く、取り組んだ生産者の食味も全体的に良かったことが報告されました。また、来年の課題として、雑草対策をどのようにしていくか、等が上げられました。

 新潟県の謙信の郷も米の多収、高品質生産をテーマに取り組みました。謙信の郷ではこれまでのアイガモ、米ぬか除草などの有機栽培技術に今回の土壌分析に基づく施肥管理を取り入れ、それぞれの有機栽培技術ごとに収量、食味の比較などを行いました。発表した金谷武士は「多収しても極良食味を実現できる確信をもてた」と発表を締めくくりました。

 茨城県の茨城BM自然塾は、サツマイモの栽培実験について発表しました。今年は初期成育が後れたものの、イモの形が揃い良品率も75%以上と報告しました。収量も反あたり2.5トンと報告されました。栽培を行った米川修さんは、今回苗をまっすぐさす「直植え」と斜めにさす「船底植え」を行い、結果は「船底植え」がイモの形、サイズの揃いも良かったことが報告されました。

 こうした発表を受け、礒田有治BM技術協会事務局長は「BMW技術による農法の確立に向けて」と題して、まとめを行いました。その中で、それぞれのBM堆肥の成分などを知ること、適正な使用量の大切さと、利用目的に合わせた堆肥の開発について説明しました。また、生物活性水の新たな目的別利用方法とその開発研究の必要性を訴えました。

Author 事務局 : 2006年11月22日 11:10

 
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