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2006年11月22日

第16回BMW技術全国交流会」が開催されました(1)

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 11月17日、18日の二日間、「第16回BMW技術全国交流会」が、『~BMの原点に戻る~地域の土と水の再生を』をテーマに石川県加賀市で行われました。今回は「第2回アジアBMW技術交流会」を兼ねて行われ、韓国、タイ、フィリピンから発表者、参加者が多数集りました。日本各地からも多くの会員が参集し、約250名が熱心に発表、講演等に耳を傾けました。

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 BM技術協会の長崎浩会長が「BMW技術の概要と今後の展望」と題して、生物活性水を例にBMW技術の原理や利用分野を説明し、また生物とミネラル、土壌腐植の関係についても分かりやすく解説しました。

 BM技術協会の石澤直士理事長からは、基調報告が行われました。畜産の悪臭・公害対策から始まり、畜産糞尿を資源に変え、地域循環型の農業、そして水源地の水を守る活動を展開してきたBM技術協会の活動の経緯が紹介された後、今交流会をBMの原点に戻り、資源と人間の輪と技術が循環する社会『地域ミクロコスモス』を目指し、地域の土と水の再生を図っていく契機としたいとの表明がありました。そして、今後の取り組みとして、流域という観点から農村、都市住民が連携してBMW技術を生かし地域の土と水の再生を進める必要性などを訴えました。


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 基調報告に続き「地域の水を再生する」をテーマに発表が4つ続きました。農業集落排水にBMW技術を導入し、悪臭防止、汚泥の減容に大きな効果をあげた事例が、㈲北陸自然学研究所の佛田利弘代表取締役から「農業集落排水処理改善で、排水を生態系の水に」と題して報告されました。

 ㈱匠集団そらの星加浩二プラント事業部長は「BMW技術によって流域の水環境を守る」と題した発表を行い、BMW技術を導入した食品加工場の排水処理施設、畜産排水処理施設、中水利用施設、農業集落排水処理施設をBODの減少を数値で示しながら紹介し、これまでの成果を報告しました。


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 島根県池田農場の池田健二氏は「農と暮らしが調和したエコライフ」と題した発表を行いました。池田氏はトイレなど家庭の排水を原料にしたBMW生物活性水プラントを導入し、家庭排水を出さない暮らしをしているだけでなく、環境に負荷を与えないよう、太陽光発電、ハイブリッド車などを暮らしに組み入れています。

 関西の生協の組織WILLネットの石けん委員会は、今年行った生物活性水の家庭でのモニター調査の結果を「環境に負荷をかけない暮らしとBMW技術」と題して発表しました。調査は、お風呂、洗濯、台所、と3つに分けて行われました。お風呂では、残り湯の臭いが減少したと感じた人が多くいました。洗濯では排水ホースのぬめりの減少に大きな効果があったようです。台所では排水口の臭いを感じなくなったとほとんどの人が感じるほど大きな効果があったという報告でした。


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 開催地、北陸の岩石をテーマに「日本列島の形成と北陸地方の岩石と水」の講演が、名古屋大学教員、奥地拓生氏によって行われました。日本列島が花崗岩を主体にしてできている事の意味や花崗岩に凝縮されたミネラルが長い時間をかけて水に溶け出し、植物、動物の体を通り海に還り循環している事、BMW技術は岩石からミネラルが溶け出すプロセスを早回ししている技術である、と奥地氏は説明しました。


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 海外からの事例研究発表も4例行われました。「タイにおけるBMW技術の普及」と題し㈱パシフィック・トレード・ジャパン、木村俊夫氏が発表を行い、養鶏場に作られたデモプラントと堆肥センターの紹介、広がりつつある養鶏、養豚場の飲水改善プラントの報告、養豚場の糞尿から作った堆肥がバナナの生育に効果があった等の報告がされました。

 タイ農学局穀物調査研究所、チュッティマン・パーニッサックパタナー氏からは「BMW生物活性水を用いた緑豆栽培実験」と題した発表が行われました。3年間続けられてきた生物活性水を使った緑豆の栽培実験で、生物活性水が炭腐病を抑制する事、緑豆の生長を促進させる事、土壌中の細菌数を増加させるという効果が認められた事が報告されました。


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 フィリピンからの報告は「フィリピンにおけるBMW技術について」と題して日本ネグロス・キャンペーン委員会ネグロス駐在農業指導員、吉永紘史氏が行いました。生物活性水を用いた種子浸水や育苗時の生物活性水散布の実験の様子が紹介され、明らか違いが見て取れました。しかし、土壌の条件が悪く最初の土づくりの所から解決していかなければならない現状などが報告されました。

 韓国のイ・ヒョンボク氏からは「BMW技術を通して家畜と友達になること」と題して報告が行われました。首都圏の水源地として各種環境規制をクリアーし、かつ飼育環境の向上によって家畜の福利を増進するためBMW技術を導入した事、韓牛を飼育している環境にやさしい畜舎やレストラン、カフェが併設されているダンノモ農場の紹介や同農場でのBMW技術の活用方法、イ氏の「家畜をお金に見ないで生命体としてみよう」という家畜に対する考え方などが発表されました。

Author 事務局 : 2006年11月22日 11:59

 
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