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2007年08月01日

「世界の関心は再度、地球環境問題へ」 【188号】

BM技術協会の会員の皆様

暑い日が続いていますが、お元気でご活躍のことと思います。
さて、小生この度、協会発足以降続けてきました会長職を退任しましたので、AQUA誌上をお借りしてご挨拶申し上げます。今年の3月ですが思いかけず心筋梗塞の手術を受けるはめになりました。幸い術後の経過は良好なのですが、さすがに体調が病前に戻ったとはいえない現状です。そのためこれを機会に、石澤理事長を始めとした若い皆さんに後事を託することにした次第です。

BM技術協会のような組織に理事長以外に会長がいるとなれば、会長職は冠婚葬祭用、つまり名誉職というのが普通のことでしょう。私自身がお飾りになれなかったのは、立派な経歴に欠けていたからに違いないですが、他にもいくつか理由がありました。1つをあげれば、BMW技術そのものに私自身が関心を持ったということです。私は自然科学の訓練を受けたものですが、恥ずかしながら廃水処理の微生物技術はもとより、そのもとになっているはずの生物学について、全くのところ素養を欠いていました。ところが、BMW技術の経験に促されるようにして勉強してみると、生き物とか、生き物相手の技術や科学が、どうやらとても風変わりな性質のものらしいと気がつきました。風変わりとは、物理化学とそれをもとにした現代科学と比べてです。このことは農業と自動車産業との性質の違いにつながります。両者はかように違っているにもかかわらず、生き物相手の技術自身が、技術の独自の性質を十分理解していないし、技術の実績について科学技術とは別の観点で説明し、PRすることもできていない。そもそも、農学や微生物学の専門家達がこういう見方を受け付けない。BMW技術が実績を重ね農家の支持を受けるようになっても、新しい生物技術としてこれを世の中に出していくことは、なかなか困難なことであり、時間のかかることでした。すべてをBM技術協会の力のなさや怠慢のせいにはできない難しさがあったということです。
当時は、農業や環境分野で微生物技術が流行し始めた時代でした。多くはその道の専門家の外で、門外漢や変わり者が発明したとされる技術です。その経験や実績の1つ1つを疑う理由はないとしても、納得がいかないのは自らの技術を説明する仕方でした。なまじ権威筋から相手にされないこともあり、技術の説明は2つの極端に走りがちだったのです。
一方では、学会の最先端のトピックスのそのまた先を行き、分かっていない難しい科学の言葉で技術を説明する傾向です。そして反面、技術の効能をオカルトまがいの言葉で説明する傾向があります。いずれも、超科学的ともいうべき神秘主義です。物理学や現代の科学技術が生物や生物技術について極めて偏った見方をしていること、いわば、この壁に弾き返されるようにして極端に走ることを強いられている。私にはかように思われました。
それでは、BMW技術は自分をどんな風に説明するか。さらに、この説明にふさわしい組織と運動をどう作るか。技術の将来を決めるポイントの1つがここにあるように私は思いました。BM技術協会の活動をふりかえって、実情はどうであったか。皆さんの判断を待ちたいと思います。
さて、今世紀に入ってから今日まで、世界に「テロとの戦争」の嵐が吹き荒れました。それがここに来てようやく、人類社会の本当の脅威、つまり地球環境問題に世界の関心が戻ってきました。BM技術協会もまた関心の焦点に浮上するでしょう。会員の皆様も、どうか健康にご留意のうえ、今後もBM技術協会を盛り立てていってくださるよう、お願いする次第です。

BM技術協会 顧問 長崎 浩


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Author 事務局 : 2007年08月01日 18:30

 
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