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2007年09月01日

「農業は、環境問題と石油危機に向き合う時代に」 【189号】

BM技術協会を新体制発足にあたって

「農業は、環境問題と石油危機に向き合う時代に」 BM技術協会 理事長 石澤直士

 去る6月に開催されたBM技術協会全国事会で、長年、協会の発展に貢献されてき長崎浩会長が体調の件もあり、今期で勇退れることになりました。まずは、長年の協発展の為のご苦労に感謝申し上げます。もろん、これからも長崎先生には、協会の発展のためにアドバイスを頂きたく、お願い申上げる次第です。また、向山茂徳副会長には、常任理事として引き続き協会の発展にご力いただくことになりました。
 さて、今後の協会組織についてですが、会・副会長職は廃止し、常任理事会及び全国事会は、理事長の名の下に開催することとりました。全国理事会では、会則には謳いせんが、椎名盛男常任理事を筆頭常任理事して、現在の常任理事の留任と、秋田県・(有)ポークランドの豊下勝彦理事、千葉県・(農)和郷園木内博一理事、石川県・(有)北陸自然学研究所佛田利弘理事の新常任理事就任並びに、千葉県・(農)和郷園の向後武彦監事の理事就任と、(株)匠集団そらの星加浩二氏の監事就任をおはかりしました所、承認を頂きました。また、礒田有治事務局長には、引き続きご尽力頂きます。今後は、この新体制で協会の発展と技術普及に努めてまいる所存です。
 今回の新体制にあたり、三人の若手経営者に、常任理事就任をお願いしました。豊下常任理事には、大規模養豚で培われてきた経営手腕と、環境問題に取り組んできた経験を生かし、今後益々、予想される畜産の大規模化に伴うふん尿及び環境問題への対策と技術普及を期待しています。木内常任理事には、その斬新で大胆な発想でBMの現状を更に発展させて頂きたく期待をしております。最後に佛田常任理事には、その冷静な分析能力で、BMを分析し、発展させて頂きたく期待をしております。
 いずれにしても、この新体制がやるべき事は、BM技術協会が今まで取り組んできた中身を、いつまでも理想論ではなく、地に足の着いた実践とすることです。到達すべき目標として「健康な農産物づくり」を高く掲げ、地道な技術運動を展開したいと思います。
 私事になりますが、今年の4月に無農薬でりんごを栽培して30年という木村秋則さんという方の講演を聞く機会を得ました。その講演の中で私の印象に一番深く残ったのは、NHKで木村さんの取り組みが紹介されたときに、そんな事が出来るはずがないという苦情を言ってきたのが、地元のJAとりんご協会だそうです。このお話を聞いて、とにかく実践してみようと思い、私自身今まで無理だと思っていた無農薬りんごの栽培に今年の4月から、我が家の畑(りんごとプルーン成木及び幼木併せて400本、その他の花木100本の合計500本)約1ヘクタールで取り組み、現在に至っています。ただし、酢と生物活性水を週に一度、約8時間かけて手作業で散布しています。先日、木村さんに我が家の畑を見ていただきましたが、想像以上にがんばっているとのお話を頂き、その中でも生物活性水に興味を持たれたので、トキワ養鶏のBM方式を見ていただきました。通常では、不可能なりんごの無農薬栽培が一年目でここまで来た要因は、このBM農法にあると感心しておられました。
 木村さんは、とにかく農薬を減らし、無駄な肥料を減らす事(現実に木村さんの農法は、無農薬、無肥料の自然栽培)。もちろん、農薬や化学肥料だけが原因ではないが、このことによって岩木川をきれいにし、青森県の農産物の価値を高める事が目的であると言っておられました。方法は違いますが、目指すべき方向は同じです。「先ずは隗より始めよ」農家すべてがこの無農薬への取り組みが出来るわけでは有りませんが、農薬を減らす事は、可能だという事がわかりました。それと併せてよい堆肥を作り、人が食べても害のない食べ物を作る事。これが、組織の発展と流域の土と水の再生そして地域の発展につながることだと考えます。
 農業は、環境問題、石油危機と深く関与するようになりました。日本農業は石油に依存し、カロリーベースでの自給率40%を切りました。石油危機を有機農業で乗り切ったのがキューバです。戦後60年の農業技術の在り方そのものが問われています。BM技術協会が、この問題に真正面から立ち向かう時代になったのです。

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Author 事務局 : 2007年09月01日 15:15

 
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