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2007年12月01日

韓国訪問記「プルム農学校を訪ねて」 【AQUA192号】

地域全体で取組む有機農業とクリーンエネルギー導入
㈱匠集団そら 秋山 澄兄

前号の韓国視察レポート「山(サン)自然学校」に引き続き、今回は忠南洪城郡洪城のプルム農業技術学校(以下、プルム農学校)について報告します。
プルム農学校は最初に訪れた梧山から東テグへ出て、そこから電車を乗り継ぐこと約四時間、洪城(ホンソン)と言う町に着き、そこから車で二~三〇分のところにあります。この地域は生協を含め地域全体で有機農業に取り組んでいることでよく知られており、その中心を担っているのがプルム農学校です。ソウルからですと、電車で約二時間、まっすぐ南に下ったところに位置します。
プルム農学校は四五年の歴史を持つ民間の私学校で、高等部と大学課程があり、高等部には一学年二五人、計七〇人~八〇人の生徒がいます。教員・学校職員をいれて一〇〇人の全寮制の学校です。
大学課程は高卒の子や大人が農学と哲学を学べる「専攻部」として、学生が一一人、先生が一〇人います。
ここでも山自然学校と同様にBMW技術が導入されていて、専攻部の敷地に便所と学生寮の厨房の排水を利用した生物活性水施設、学生の手によって飼育されている韓国牛(四~五頭)の飲水改善施設がありました。
専攻部では、学生達が授業の中でもBMW技術を利用した循環式農業をはじめ、様々な有機農法の授業や実習、研究などが日々行われています。高等部では通常の高等学校での教育課程を含め、有機農業の授業や実習などが行われています。
先月号でお伝えした「山自然学校」同様にここでもソーラーシステムが導入されていて、全体の約七〇%の電力をまかなっているとのことでした。
また、校内を案内して下さった鄭ミンチョル先生のご自宅(学校近隣)もソーラーシステムを導入されていて、一〇〇%の電力をまかなっているそうです。
このように、この地域のあちらこちらで太陽光パネルと風力発電の設備、施設を多く目にしました。街灯はもちろんのこと、農家や公の施設など、梧山とは違い地域全体に太陽光パネルが設置されていると言った感じなのです。先にも書きましたが、この農学校は地域との関係を大切にしています。
学校と生協、そして地域の人々が一緒になって、有機農業を主体とした地域作りをしているとのことでした。例えば、稲作について学生と農家の人が一緒になって研究に取り組んでいることをはじめ、学校生協には学生だけでなく地域の人達も買い物に訪れます。もちろん自然エネルギーも地域での取り組みの一つだそうです。教育現場を中心にその地域全体が一体となって有機農業に取組む、このスタイルは私にとって初めて目にしたもので、大変驚きました。
今回の韓国訪問では二つの特徴を持った学校を訪れることができました。最初の山自然学校では教育現場の中で直接BMW技術に触れながら、子供達が自然・環境、そしてエネルギーを学ぶ「学校」、ここではBMW技術施設が導入されている教育現場、この教育現場である「学校」を中心に広がる「地域」。異なるようでもありますが、ひとつの筋と言うか、ひとつの線で何かつながっているように感じました。前号での報告で、BMW技術が「教育・エネルギー」の分野にも飛躍していくことが必要不可欠ではないかと書きましたが、地域もそのひとつで、これについてはすでに、岩木川流域の問題や今年の全国交流会でのテーマであった「ひろげよう『BMの世界』森から海へ」など「地域」の取り組みは始まっています。今後、「教育・エネルギー」含めこれらの取り組みが広がり、充実した内容で成果をあげられるものになって行くことを願います。

その他の訪問先
済州島にある、養豚場を見学させてもらいました。ここではちょうど、この日から尿処理施設が稼働を開始する日でもありました。韓国でもBMW技術を使った施設がどんどん増えているそうです。この時にお会いした地元の役場の人達は高い関心を示していて、この養豚場での経過を見て成果がでれば、この先もBMW技術を導入して行きたいと話していました。

Author 事務局 : 2007年12月01日 12:25

 
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