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2008年01月01日

自然学を実践する「土と水の学校」有機栽培講座報告 【AQUA193号】

 ~自然学を実践する~「土と水の学校」有機栽培講座が、昨年一二月、長崎県の南高有機農法研究会と、西日本BM技術協会研修会で小祝政明先生を講師に開催されました。それぞれの開催内容を紹介します。  (報告:礒田有治)

長崎県・南高有機農法研究会
 一二月四日、長崎県の南高有機農法研究会(荒木隆太郎会長、BM技術協会常任理事)で、同研究会メンバー一五人が参加して、今年四回目となる~自然学を実践する~「土と水の学校」有機栽培講座が開催されました。
 前回の講座では、ジャガイモ栽培でのそうか病や、トマトの色がよくのらないとの課題が生産者から挙げられ、その対策としての微生物の活用法や、ミネラル先行型施肥設計方法を検討しました。
 今回の講座は、その成果の確認と、来年度に向けて、各生産者自らが土壌分析に基づいた施肥設計を行えるように、パソコンを利用しての実習を行いました。
 講座では、最初に小祝先生から、これまでのおさらいとして、土作りの基本として、土壌の物理性、生物性、化学性の改善方法と有機栽培における土壌分析の方法が解説され、この視点を持って、現場を見ることが重要との示唆を受け、参加者全員で、圃場に向かいました。
●ジャガイモのそうか病対策で大きな効果
 最初に訪れたのは、そうか病に悩まされていたジャガイモ圃場で、七月の講座で対策を練り、乳酸菌の導入とミネラル先行の施肥設計を導入した圃場です。すでに霜が降り、周囲のジャガイモ圃場は、ほとんど葉が枯れた状態になっていましたが、対策を施した圃場では、まだ葉が生きており、明らかな違いが見られました。
 まず、物理性の確認として、土を踏んで、団粒構造を持った土壌であるか確認しました。これまでに堆肥を長年投入してきた圃場であり、これについては良好と判断。続いて、課題となっている生物性の確認として、そうか病の発生があるか、ジャガイモを掘り起こして見ると、そうか病の発生はまったく見られませんでした。化学性の確認として、葉の状態や、玉揃いの状況を確認しました。葉はつやがあり、周囲のジャガイモが既に枯れているのに、まだ葉茎が生きているのは、ミネラルバランスが良好だったために、光合成が充分に行われ、セルロースの合成が充分にできたと考えられます。また、イモの玉揃いも良好でした。これは初期成育が良好だった結果を現すものと考えられます。ただし、生育途中で雨が降らない時期があったことと、窒素量がやや少なめだったために、イモの大きさは、やや小さめでした。
●ミニトマトの色・味も良好に
 ジャガイモ圃場の次は、ミニトマトのハウスを訪れました。昨年は、実は成るものの赤く色がのらない圃場でした。これについては、土壌分析で赤い色のもととなっている鉄不足となっていたため、鉄成分を圃場に施肥したことや、まめに土壌分析を実施した上での追肥の実施により、今年は、実の色ののりも非常によく、味も良好です。また、トマトの木そのものも生育良好で、申し分のない状態でした。
 圃場での確認の後は、来年度に向け、各生産者が自ら、土壌分析と、分析にもとづいた施肥設計が行えるように、グループに分かれて、パソコンを利用しての施肥設計実習を行いました。小祝先生から、施肥設計ソフトの使用方法が説明された後、参加者は現在使用している堆肥や肥料のデータをそれぞれのパソコンに入力。土壌データ例の課題が出され、このデータに沿って、タマネギとジャガイモの施肥設計実習を行いました。
 実習終了後は、まず、「自分の畑の状態を知るためにも、自ら土壌分析をして、把握することが重要です。是非皆さんでトライしてみてください」との小祝先生の挨拶で、講座を締めくくりました。

西日本BM技術協会研修会
「土と水の学校」有機栽培講座基礎編を開催

 一二月五日、西日本BM技術協会研修会で「土と水の学校」有機栽培講座が福岡県福岡市で開催されました。今回は、有機栽培講座の基礎編として行われたもので、西日本BM技術協会メンバーの福岡県・糸島BM農法研究会、熊本県・愛農会及びやまびこ会から生産者一五人と、生活協同組合連合会グリーンコープ連合から事務局三人が参加しました。
 研修会では、冒頭、グリーンコープ連合の野口雅彦商品本部長(協会常任理事)から、「皆さんと一緒に学んでいきたい」との挨拶が行われ、続いて、「土と水の学校」講師の小祝政明先生から「BMW技術による有機栽培、高品質・多収穫栽培のしくみ」と題して講演が行われました。小祝先生からは、植物生理や土づくりの基本、有機栽培による高品質・多収穫栽培に必要な技術・知識、堆肥や生物活性水を持っているBMW技術の優位性などが図や分子記号等を使って、解説が行われました。
 次いで、協会事務局の礒田から、~自然学を実践する~「土と水の学校」有機栽培講座の目的や概要、各産地の取組み成果や使用している生物活性水の分析データ等の説明後、BM堆肥や生物活性水の応用方法等、今後の研究課題について報告が行われました。
 参加した生産者からは、「土壌分析はどのようにして行うのか」「水の性質によって栽培に影響はあるのか」「ネコブ病対策はどうやると有効か」「生物活性水の倍率による効果の違い」等、熱心な質問が相次ぎました。
 西日本BM技術協会では、今回の有機栽培講座でも重要なポイントとなっている水と、地域のミネラルをテーマに、三月に熊本で~自然学を実践する~「土と水と学校」岩石と水講座の開催を予定しています。

Author 事務局 : 2008年01月01日 13:48

 
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