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2008年02月03日

「有機ネットやまなし」設立

やまなし自然塾が呼びかけ
~県の推進計画に有機農業関係者の声を反映~

 山梨県で協会メンバーの「やまなし自然塾」及び「白州郷牧場」と、「山梨有機農業市民の会」の三団体が中心となり、「有機ネットやまなし」が設立されました。その設立総会が昨年一一月二六日、甲府市の県JA会館で、関係者約一〇〇人が出席して開催されました。
 「有機ネットやまなし」は、国の有機農業推進法に基づき、県が策定することになっている「有機農業に関する推進計画」に、県内で有機農業を実践・推進してきた有機農業者、消費者、関係者の意見を反映させることを目的に設立されたものです。やまなし自然塾が中心となって、県内の関係者に呼びかけ、前述の三団体や個人約一五〇人が有機ネットやまなし設立に参加しています。
 活動内容は、県内の有機農業の現状調査や課題整理を実施し、県の推進計画に提言を行う他、有機農業推進法施行後、同様な目的で立ち上げられている各県、国レベルでの有機農業団体との連携や、情報交換を進めることになっています。また、県試験場と生産者による有機農業の実証試験をスタートさせ、将来的には、食育に関する活動にも取組んでいく方針です。
 設立総会には、山梨県農政部を始め、県関係者も出席し、農林水産省生産局農産振興課の中島潔課長補佐の「有機農業の推進について」と題した講演会や、意見交換会、各団体のメンバーが生産したハムやブドウのジュースなどを味わいながらの交流会も行われました。

「有機ネットやまなし」設立にあたって
  やまなし自然塾 事務局長 高野美夫

 私がやまなし自然塾に入会して約一〇年が経ちますが、入会当初、有機肥料を使用し、農薬を五〇%減らす努力さえすれば経営が成り立つ、このように思っていました。塾の仲間や先輩、講師の方々や色々な学習の中から、農業経営とは何か、このことについて真剣に考えるようになりました。農業は会社経営とは違うようだ、もう一度、塾のスローガンの、水、土、それに空気、環境問題を中心に考えるようになりました 
 農業者は経営者である前に地球人でもあります。人が地球を守る、このことこそ農業の基本ではないのか。昨今の食品の偽造問題は日本の食文化の低迷を反映しています。今回の有機農業推進法の施行は、やまなし自然塾の長年のテーマに国も取組みを始めたということでもあります。まさしく今、機が熟した良いタイミングでも有りました。有機ネットやまなしは、やまなし自然塾が地道な活動から手に入れたものです。単に会のためと言うことではなく、将来の子供たちのため、美しい地球を守るための第一歩かもしれません、この事がやまなし自然塾の方針です。
 有機ネットやまなしの設立によって、山梨県での有機農業は、やっとスタート地点に立ったと言えるかもしれません。日本はもともと雨の多い国です。有機肥料栽培に関しては、難しいこととは思いませんが、無農薬栽培については技術面で幾つかのハードルがあります。昨年、一〇月にスローフードの発生の地、イタリアの食科大学に見学に行って来ました。食の安全については、日本より、はるかに関心が高く、広い農地、見渡す限りの葡萄畑、農業大国を目の当たりにして来ました。年間降雨量が三〇〇~四〇〇ミリ、わが国の台風一回分の降雨量と同じ位です。それと比較すると気候面で特に果樹栽培では、日本での有機栽培は非常に難しいところがありますが、今度は有機ネットの仲間がいる、情報も以前より多いはずだ。やりがいのある仕事と考えています。
 有機栽培の認証については、県内で全国レベルの認証ができることを期待しています。県の農業試験場には、有機栽培の研究に積極的に取組んでもらうとともに、以前から有機栽培に取組んでいる農家との連帯も進めてほしいと期待しています。そして、一般の方にも有機栽培に関心を持ってもらうアピールを積極的に行っていくことが重要と考えています。

Author 事務局 : 2008年02月03日 13:46

 
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