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2008年04月01日

ウエル&グリーン・ファームのだ(千葉県野田市)でBMWシステムが起動 【AQUA195号】

~福祉と環境の循環型農場をめざして~
ウエル&グリーン・ファームのだ(千葉県野田市)でBMWシステムが起動
パル千葉、NPO支援センターちば、ボランティアの参加で生物活性水づくり

 二月二日、千葉県野田市船形地区でBMWシステム(生物活性水施設)の起動式が行われました。昨秋、(有)千葉自然学研究所の好意で未稼働の生物活性水施設をこの地区で有効活用できないかという情報が寄せられ、その申し出を受けることになりました。このBMWシステムを利用する農場は、生活協同組合パルシステム千葉及びNPO支援センターちばが、地域の障がい者や市民とともに「園芸福祉」を遂行する場として運営している「ウエル&グリーン・ファームのだ」(※注1)です。
 晩秋から千葉県東庄町にあった施設を野田市船形の生産者、古谷さんの敷地に移設を始め、基礎工事から移設終了まで三ヶ月ほどかかりましたが、一月二六日に移設を終了しました。生物活性水施設は、六槽式の二列配置となっており、日産で五〇〇リットルの生産能力があります。
 早速、この地でBMWシステムを稼動させるべく準備を進め、二月二日にシステムの起動を開始するため、「生物活性水」の培養を始めました。
 当日は、この移設を心待ちにした野田市の生産者、「園芸福祉農場」のボランティアや指導者、パルシステム千葉の役職員など約二〇人が参加し、BM技術協会の礒田有治さん、㈱匠集団そらの星加浩二さん、秋山澄兄さんの指導の下、システム起動に向けて作業を開始しました。
 参加者は、設置場所の古谷さん宅に隣接する地域の自治会館に集合し、自己紹介のあと、設置に協力したパルシステム千葉の渋澤温之専務理事(千葉BM技術協会副会長)から、設置の経過と地域で活用していただきたい旨、挨拶が行われました。続いて礒田さんからBMW技術の解説、BM技術協会の役割などの説明が行われ、星加さんと秋山さんからBMWシステムの構造や仕組みについて参加者に説明があり、システム稼動のための作業に入りました。
 事前に古谷さん宅には、「生物活性水」づくりに必要な資材、BM活性堆肥や花崗岩が届けられ、当日は星加さん、秋山さんが軽石を運んできました。第一槽目のタンクには、地下水が注水され、システム起動のための作業は、説明会参加者がそれぞれ分担し、網袋に資材を測り分けました。全員作業に参加したため作業ははかどり、一時間ほどで小分け作業が終了しました。その後、小分けしたBM活性堆肥、花崗岩、軽石を生物活性水設置場所に搬入し、第一槽目のタンクにBM活性堆肥と軽石、二槽目に軽石、三槽目に軽石と花崗岩、四槽~六槽目に花崗岩をそれぞれ吊るし、第一槽目にBMWリアクターを投入しました。一槽目のエアレーションが始まると、堆肥の色がにじみ出し濃い麦茶のように水が染まってきました。エアレーションによって微生物が活動し始め、泡が吹き出し、第一日目の起動(培養)の作業は終了しました。
 作業終了後、再度自治会館に戻り、BMW技術の理論や植物の生理、技術の使用法などについて参加者と話し合いを行いました。
 システムを稼動させるための作業を参加者全員で行ったためシステム起動の工程は、一時間半ほどで、終了しました。「生物活性水」が出来上がるためには、約一週間ごとにタンクを工程順に移動させるため、最終工程までは約六週間かかり、三月中旬に完成する見込みです。その間、システム設置場所の古谷さんにタンクへの水の注入や管理をお願いしていますが、匠集団そらから技術指導を含めメンテナンスが二回ほど行われます。
 また、「生物活性水」を使用するための技術講習会を活性水の完成に合わせて、当面は古谷さんなど地域の生産者と「園芸福祉農場」に関わる皆さんを対象に、三回ほど使用に向けた講習会を開催します。
 さらに、地域での使用を広げる中で、「生物活性水」を利用して、市民や子どもたちの環境教育のカリキュラムづくりも進め、コミニュティ・ビジネスを考える生産者と市民で「ウエル&グリーン・ファーム」を拠点とする地域の土と水の再生や自然保護の活動も進め、優良な有機堆肥づくりのための人材育成・域内循環システムなどの技術支援を行います。
 
※注1:「ウエル&グリーン・ファームのだ」
 「ウエル&グリーン・ファームのだ」は、生活者の視点から農業へアプローチし、「農のあるまちづくり=田園都市構想」をテーマとし、二〇〇四年から野田市で、障がい者団体を始め行政・市民が参加し、「園芸福祉」を基軸とする畑と水田約五〇アールで農業モデルを実践してきました。今後は、地域資源循環型農業に活動の輪を広げていくため、BMW技術を導入しました。

Author 事務局 : 2008年04月01日 07:06

 
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