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2008年04月01日

千葉県・和郷園で常任理事会を開催 【AQUA195号】

千葉県・和郷園で常任理事会を開催
リサイクルセンターや冷凍野菜工場、向後農場を視察

 二月六日~七日、千葉県の農事組合法人・和郷園で二月度BM技術協会常任理事会が開催されました。常任理事会は、協会の方針や活動及び会員の入退会等の審議を行っています。これまで、常任理事会は東京で開催されていましたが、昨年から、新たに常任理事に就任された方もおられ、今回から、各常任理事の地元で開催し、現場研修及び地元会員との交流も併せて行うことになりました。今回の常任理事会は、昨年常任理事に就任された木内博一常任理事が代表を務める和郷園を訪問し、会議の開催と視察研修を行いました。
 六日に行われた常任理事会では、事務局から、①韓国BMW技術導入十周年記念行事開催②~自然学を実践する~「土と水の学校」開催内容③千葉BM技術協会幹事会内容④パルシステム千葉及びNPO支援センターちば運営の「園芸福祉農園」へのBMW技術導入について、報告が行われました。
 また、①協会運営及び二〇〇八年度方針②第一八回BMW技術全国交流会開催について③国産種採卵鶏存続のための生活クラブ連合会からの提案④全国理事の増員について⑤「土と水の学校」有機栽培講座運営・開催検討会議の開催について⑥入退会申請について、等の協議が行われました。
 常任理事会には、今年度の全国交流会実行委員会を務める千葉BM技術協会から向後武彦会長が参加し、同実行委員会で協議されている全国交流会の開催場所、日程、概要等について説明が行われました。
 常任理事会終了後は、地元和郷園のスタッフや生産者との交流懇親会が開催され、翌七日は、和郷園の視察研修が行われました。
 視察研修では、①向後農場②和郷園リサイクルセンター③冷凍野菜工場を訪問しました。
向後農場
 千葉BM技術協会の向後会長が経営する向後農場は、面積三ヘクタール(ハウス面積八千三百坪)で、オオバ、キュウリ、トマト、サンチュ等を中心に栽培しています。BM堆肥を土づくりに使用し、向後農場に設置されている生物活性水と地下水改善のBMWシステムを利用して野菜が栽培されています。また、和郷園リサイクルセンターから、メタンガス発酵の副産物として、出る消化液を液肥として、利用しています。現在、石油が高騰しているため、「ハウス温度の低めの設定や二重カーテン、無加温作物の導入等により、暖房をなるべく使用しないように努めています」と向後会長は話していました。
和郷園リサイクルセンター
 和郷園リサイクルセンターは、地域の耕・畜連携及び生産者と取引先との連携による循環型農業の中核基地となっています。同センターは、生物活性水施設、堆肥施設、野菜残渣粉砕施設、メタン発酵バイオマスプラントから構成されています。同センターの隣にある越川牧場(※4~5ページBMの人々参照)から出る牛糞尿と野菜残渣が、堆肥や生物活性水、メタン発酵バイオガスづくりの原料になっています。
 野菜残渣粉砕施設は、和郷園の取引先の加工場等から出る野菜残渣(日量四~五トン)を粉砕して絞る一次処理施設です。液体の絞り汁は、バイオガスの原料に利用され、固形物は、堆肥原料となります。
 バイオマスプラントは、国が進めている「バイオマス・ニッポン総合戦略」の一環として取組まれている実証研究施設です。前述の牛糞尿と野菜残渣の絞り汁を原料にメタン発酵施設から、メタンガスを製造しています。このメタンガスを燃料に、軽トラックを改造した試験車両がありましたが、燃料満タンで約七〇キロ程度走行するそうです。メタンガスを取り出した後の牛糞尿と野菜残渣の絞り汁の消化液は、アンモニア等の肥料成分を持っているため、和郷園では、この消化液を液肥として生産者が利用しています。
 堆肥施設では、越川牧場の牛糞を原料した堆肥と、野菜残渣を原料にした堆肥が製造されています。生物活性水施設は、牛糞堆肥を原料に製造され、それぞれ、和郷園の生産者が利用しています。
冷凍野菜工場
 冷凍野菜工場は、二〇〇三年に稼動し、現在、年間千トンの冷凍野菜をパルシステム生活協同組合連合会をはじめとする生協や、学校給食、外食産業等に供給しています。ホウレンソウ、コマツナ、エダマメ、ブロッコリー、ササガキゴボウ、ヤマノイモの六品目が年間を通して供給され、供給量の六〇%がホウレンソウとなっています。原料となる野菜は生産者との契約栽培となっており、それぞれ旬の時期に収穫した野菜を製品化しています。野菜が栽培される圃場の土壌分析や施肥設計は、工場で行い、品質やトレーサビリティーの管理が行われています。現在、どの製品もおいしいと好評で、需要に供給が追いついていない状況のため、この秋には、冷凍ラインを増設し、一・五倍の生産量にすることになっています。
 次回、常任理事会は四月に山梨県で開催され、やまなし自然塾の取組みを視察することになっています。     (報告:礒田有治)

Author 事務局 : 2008年04月01日 07:07

 
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