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2008年04月01日

~自然学を実践する~「土と水の学校」有機栽培講座報告 【AQUA195号】

 ~自然学を実践する~「土と水の学校」有機栽培講座が、一月、みやぎBM技術協会の主催により、小祝政明先生を講師に開催されました。開催内容を紹介します。

   
みやぎBM協会「土と水の学校」 in 山形県天童市 
                   みやぎBM協会会長  西塚 忠元  

みやぎBM技術協会
「土と水の学校」in 山形県天童市

 一月二〇日、例年よりも雪が少ない中、山形県天童温泉において二〇〇七年度、三回目の~自然学を実践する~「土と水の学校」有機栽培講座が開催されました。BM技術協会の礒田有治事務局長、小祝政明先生を講師に迎え、午前は「初めて取組む方々に」、午後は「水稲と野菜分野の今年の反省と課題」、最後に「落葉果樹のポイント」と、三つのテーマについて、講演いただきました。講演には地元天童の果樹栽培のメンバー一〇人、宮城からは水稲と野菜のメンバー一四人と、総勢三三人の参加となり、会議室もいっぱいになりました。
 午前中は初めての参加者もおり、もう一度原点に戻ろうと、礒田事務局長よりBM技術協会がなぜ「土と水の学校」を始めたかを説明していただき、みんなが流域の循環の中で暮らしていることが大切なのだとお話しをいただきました。次に、小祝先生より植物生理とミネラル、特にマグネシウムの働きについて勉強しました。初めての人には目からうろこが出る思い。二年目、三年目の人にも改めて感じるところがありました。
 昼食をはさみ、今年度の反省と課題をテーマに昨年の全国交流会で発表した品目について討議しました。キュウリではセンチュウ対策が課題でしたが、生産者の佐藤さんから夏場に、太陽熱消毒と放線菌堆肥を使った対策が発表され、五月に見たときと全く違った根になっていることが報告されました。日数が少し足りない感はありましたが、後半になっても樹が衰えず、二割ほど増収し、二~三本成りも見られるようになりました。小祝先生からは水の使い方を指導され、もっと多くの水が必要ではとの見解が示されました。
 トマトではかなりの改善が見られてきて、反当たり約六トンの収穫になりましたが、誘引などの管理方法の改革を求められました。通風等の改善と、少ない本数で長期取りのスタイルにすれば、病気等も防げるようです。
 水稲でもかなりの改善になり、一〇%ほど増収したようです。また、秋処理の徹底によるガス抜きの改善も大きなポイントとなったようです。しかしながら、食味は少し落ちたようで、追肥のタイミングを早められるよう、栽植密度や苗が課題になりました。
 礒田事務局長からは、水稲培土の研究についてお話いただき、BM鶏糞堆肥と用土だけでほぼ完全な培土が出来上がることが分かりました。また生物活性水の使い方を水稲のステージごとに説明していただき、ポイントを分かり易く説明していただきました。

落葉果樹での病害虫、貯蔵性等に課題
 最後に小祝先生に落葉果樹についてのポイントを講演していただきました。地元天童果実同志会は現在一〇名の会員で、リンゴ、サクランボ、ラ・フランス、モモ、ウメ、カキなど、落葉果樹全般を栽培しておりますが、温暖化による害虫発生や、病気が秋遅くまで出てきたり、リンゴにおいては、蜜入りリンゴとして貯蔵性が悪くなったりと多くの問題を抱えています。
 講演では、樹の生理についておさらいした後、窒素の働きがいつ切れるか、細胞先行か、炭水化物かと言った問題について徹底しました。降雪前のミネラル施肥と礼肥についてのポイントが分かり易く説明されました。新鞘の伸びがいつどこで止まるか、その後の実肥が適切なのかがポイントになるようでした。天童の片桐完一さんは、「今まではミネラルのバランス等についてはあまり考えず、土作りについてはいわゆる長年のカンに頼っていたところが大きい。これからは、土壌分析を導入し、きちんとした学習を通して今後の施肥設計に生かしていきたいと考えています」と感想を述べています。

取組み三年目を迎え、生物活性水等の応用を
 今年は、「土と水の学校」に取組んで、三年目を迎えます。栽培技術は、かなり改善してきたものの、初めての取組む人とベテランの人、会員の中で互いに協力しながら成果を挙げていきたいと考えております。また、基礎的な学習が終わった人から、生物活性水を利用した栽培方法の工夫や堆肥の研究、自給肥料等などに応用していきたいと考えております。
 最後にこの場をお借りしまして、昨年の松島における全国交流会において、多大なる応援、ご協力に感謝申し上げますとともに、会員皆様のますますのご発展を願い、挨拶に代えさせていただきます。

Author 事務局 : 2008年04月01日 07:08

 
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