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2008年04月01日

秋田県・ポークランドグループが新たな養豚施設「ファームランド」を開場 【AQUA195号】

BMW技術を活かした資源循環型地域構想に着手
(有)ポークランド 代表取締役 豊下 勝彦(BM技術協会常任理事)

 ポークランドグループは、平成七年に、(有)ポークランドの操業を開始し、次いで平成九年に(有)十和田湖高原ファームの操業を開始しました。現在、年間七万五千頭の銘柄豚『桃豚』を出荷しています。当グループでは、今年、新たに「ファームランド」(母豚千六百頭)を開場し、年間三万五千頭の出荷を計画しています。BMW技術による飲水改善施設がすでに稼動し、六月から初出荷を予定しています。
 「ファームランド」は、昨今の食に対する安全の追求がクローズアップされる中、生産履歴JAS、抗生物質・合成抗菌剤不使用の豚(現在、BMW技術を活用して、生産している『桃豚』)の需要拡大と安定供給、併せて自分達が考える集大成の農場を実現することを目的に建設しました。
 「ファームランド」では、従来のBMW技術による飲水改善及び生物活性水添加に加え、マイクロバブルを発生させる装置を追加設置し、溶存酸素を増加させた飲水づくりを行っています。また豚舎では、尿処理水を使用したバイオフィルターによる微生物脱臭や、アニマルウェルフェア(動物福祉)対応の四百頭の柵無し飼育(従来一八~二〇頭で仕切っていた柵を排除)、オートソーティングシステムによるICタグ個体管理等が行われます(肥育豚では世界初)。
 現在、畜産飼料を巡る状況は、米国における穀物由来のエタノール増産を契機とした急激な穀物需要の増大や、新興国の穀物需要拡大、異常気象による各国輸入量増大、株式市場から商品先物市場への投機資金流入等によって、価格の高騰が続いています。今月、アメリカ産トウモロコシは、一ブッシェル五ドルを超え、一昨年と比較して、倍以上の高値となっています。世界中で穀物価格が高騰し、第一次石油危機以来の食糧危機を迎えている状況と言えます。日本では、飼料価格補填金も底をつき、今後は国内自給、エコ・フィードも含めた対策が急務となっています。
 ポークランドグループでは、こうした状況を踏まえつつ、資源循環型地域の構築と地域貢献を柱とし、若年層と団塊の世代の農業への取込みによる就農人口の拡大、生業としての農を確立していく事を目的とし、今回の「ファームランド」開場を機に、今後、左記の取組みに着手する予定です。

●平成二八年までにグループ全体で、年間一五万頭出荷
●BMW技術を活用した百ヘクタールの野菜団地 (ベジタブルランド)づくり
●地域へBMW技術普及を開始(無農薬・無化学肥料栽培野菜づくり)
●大豆・トウモロコシ、菜種等自給飼料の栽培実験開始
●菜種油カス・大豆カス等エコ・フィードの活用
●飼料用米の実験飼養開始と実証
●バイオベッド(菌床)による飼養実証(素人でも取組める養豚の開発)によって、フランチャイズ制によるグループ職員や地域の若手による養豚経営
●アニマルウェルフェアに基づいた、繁殖(一貫豚舎)実験
●小坂町と連携し、菜種油の有効活用と廃油のBDF(バイオディーゼル燃料)化による化石代替燃料への切替(現在、小坂町では役場の公用車や公共バスにBDFを利用)
●廃校を利用した、有機農業学校の設立(新規就農支援・有機栽培学習・食育施設整備・地域コミュニティー機能)

 ポークランドグループは、地域の人々や、共感していただける流通や都市の方々と連携し、これらを一つ一つ具体化することによって、地域に根ざした循環型社会を創造していきたいと考えています。

Author 事務局 : 2008年04月01日 07:03

 
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