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2008年06月01日

四月度協会・常任理事会を山形で開催

四月度協会・常任理事会を山形で開催
元BM技術協会常任理事 伊藤幸吉氏逝去

 四月一九日、四月度BM技術協会常任理事会が山形県・南陽市で開催されました。常任理事会では、①二月に開始された千葉BM技術協会主催で行われた茨城BM自然塾視察研修会内容②三月に開催された~自然学を実践する「土と水の学校」運営及び企画・検討会議内容③三月開催の「土と水の学校」内容④パルシステム千葉及NPO支援センターちば運営の「園芸福祉農場」でのBMW技術講習会内容⑤千葉BM技術協会での全国交流会内容検討報告⑥国産鶏(採卵鶏)保全のための緊急集会開催のための実行委員会報告等の報告が行われました。
 このうち、~自然学を実践する~「土と水の学校」については、基礎講座と応用講座に分類し、BMW技術理論及びBMW技術の耕作畜産での活用法、有機栽培理論、各作物及び発酵飼料技術等の課題別技術交流を図っていく講座を開設することを確認しました。
 また、国産鶏保存については、種の保存の重要性を確認し、さらに各生協団体の連携と今後想定されるNON|GMO飼料等について協同した取組みができるか等の意見交換を行いました。
 続いて行われた協議では、①協会運営(役割分担、活動内容協議等)及び二〇〇七年度活動報告、二〇〇八年度活動方針について②第一八回BMW技術全国交流会について③入退会申請について④全国理事会開催日程について、協議が行われ、左記を確認しました。●協会運営
 理事会全体と常任理事、事務局の役割を区分し、常任理事については、各常任理事が課題別に答申を行っていくことを、方針案に盛り込む。
●第一八回BMW技術全国交流会
一一月二一日(金)~二三日(日)の三日間、千葉県の成田ビューホテルで開催。
●入退会申請
左記の方の入会が承認されました。
 入会 (個人会員) 福岡県・前田和義さん
●全国理事会
六月三〇日(月)東京・神楽坂の「研究者英語センター」で午後三時から開催。     
 常任理事会終了後、参加常任理事全員で、伊藤幸蔵常任理事のご尊父で一七日に逝去された元協会常任理事の伊藤幸吉氏の通夜に出席し、故人を偲びました。

元BM技術協会常任理事 伊藤幸吉氏 逝去
 伊藤幸蔵常任理事のご尊父・元協会常任理事の伊藤幸吉氏が四月一七日、ご逝去されました。
 一九日の通夜には、協会常任理事や匠集団そらを始め、協会関係者が出席し、翌二〇日の火葬の儀にも、常任理事らが出席しました。二二日には、五〇〇人以上の列席者の中、葬儀が執り行われました。BM技術協会の設立及びBMW技術の普及に大きく貢献された伊藤幸吉氏のご冥福を謹んでお祈りいたします。

 弔 辞
 伊藤幸吉さん
 あなたを失ってとても残念です。「先生よー」と言って話しかけてくるいつものあなたの声音が、今も私の耳朶に鳴っています。
 幸吉さんは心筋梗塞のために急遽バイパス手術を受けました。手術は信頼性の高い病院で行われ成功したのですが、しかしこの際に、心臓の血管を塞いでいた血栓が脳血管に流入して広範囲の脳梗塞を起こしてしまいました。さらに悪いことに、手術に伴う感染が生じました。三重の不幸としか言いようがありません。幸吉さんはこれら三重苦に対する闘病生活を余儀なくされ、この間のご家族の献身的な看護にもかかわらず、ついに私どものもとに戻ってくることができなくなってしまいました。
 幸吉さんと私が初めて出会ったのは、BMW技術の普及活動の中ででした。あなたと米沢郷牧場がこの技術に取り組んでくれたことが、普及活動の大きな弾みになりました。ここをいわばBMW技術の実験農場として、新しい農業のやり方と数々の技術の創意工夫が生まれました。あなたはBM技術協会の常任理事として、これを全国の農民のものにするために尽力してくださいました。米沢郷牧場は国の内外からの視察者の巡礼地となりました。あなたなしにBM技術協会の現在はなかった。こう申しても過言ではありません。幸吉さん、それからご家族と米沢郷牧場の皆さんに、心からお礼を申し述べます。
 伊藤幸吉さんの事績は、もとよりBM技術協会の活動に尽きるものではありません。あなたは戦後農政の解体と、新しい農業の勃興期を生き抜いた英雄の一人でした。昭和一九年に高畠町に生まれたあなたは、農家の長男として当たり前のように家業を継ぎました。そして、戦後農政と農協が進めた委託牛制度に乗って『バブル農業』に走り、これがオイルショックとともに大打撃をこうむるという経験をしたのだと聞いています。ここから、あなたは独力で、新たな農業の道を切り開いていくことになります。これが高畠の農家の同志たちや、生活協同組合を通じた消費者の皆さんの支持を得て、今日の営農と技術の体系の確立につながっていきました。この間の幸吉語録から二、三を引用します。「農民はよ、芸術家なんだから、新しい事をやらないと駄目なんだよ。」「新しい農業は資材の奴隷になっては駄目だ。牛や鶏の糞は宝の山よ。」そして、「五年以内には世界一の農民技術者集団を目指す。」
 幸吉さん
 あなたはかようにして、この時代を切り開きつつ生きてこられました。あえて申せば、なりふり構わず己の道を切り開いてきた、英雄豪傑でした。あなたを失って、一時代が終わったのだという感慨を持ちます。時あたかも、全世界的な資源と食糧の高騰の時代が始まっています。国民の日々の暮らしから食糧安保にいたる農業問題が、地球環境問題ともども世界政治の一大イシューになりつつあります。日本の農家もまさに「ここが我慢のしどころ」という時期に差し掛かっています。かような時に、あなたを失ったことがとても残念です。あなたの切り開いた道を、今度はあなたなしで、何とか引き継いでいきたいと思っています。
 伊藤幸吉さん
 同志としてさようならと申し上げます。
         平成二〇年四月二二日       BM技術協会 顧問  長崎 浩

Author 事務局 : 2008年06月01日 16:11

 
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