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2008年07月01日

茨城・田中一作邸のBMWシステムの生きもの調査始まる 【AQUA198号】

パルシステム連合会、BM技術協会、NPO生物多様性農業支援センター、
パルシステム茨城、茨城BM自然塾が共同研究

 田中一作さんのお宅では、生物活性水プラントを中心に家庭の廃棄物を出さない循環型のシステムが作られています。家庭から出るすべての排水は合併浄化槽を通ってBMWプラントで生物活性水となり、家庭菜園での野菜栽培に使われるほか、オーバーフローした生物活性水は、家の裏にある一〇坪ほどの田んぼに流れ込むようになっています。さらに、田んぼから浸透した水は、鶏舎に流れ、採卵鶏の飲み水となります。
 この田中さんの田んぼや生物活性水施設で、「BMWシステムによる資源循環型水田の生物多様性調査及び研究」を、「田んぼの生きもの調査」の手法等を用いて実施する事になりました。調査はBM技術協会がパルシステム生活協同組合連合会からの委託事業として実施し、NPO生物多様性農業支援センター、パルシステム茨城、茨城BM技術協会との共同で行われます。一六日に行った調査が第一回目で、今後、稲刈り後の一〇月まで計五回の調査を行う予定です。

 この日は、顔合わせと調査の趣旨、概要の説明が行われました。講師を務めるNPO法人田んぼの理事長、岩渕成紀さんは、田中さんの家は循環のシステムはコンパクトにまとまっている、この形を農村集落に普及させていければと話しました。茨城BM自然塾の清水澄塾長(協会常任理事)は、窒素、リンが田んぼに棲む植物、動物によって分解されることがわかった、こうしたことを分かりやすく一般に伝えていくためにもこの調査の成果は大切、と調査への期待を語りました。
 田んぼに場所を移し、各種測定機器を使いpH、溶存酸素、電気伝導度などを岩渕さんを中心に測定し、並行してドクターソイルによる土壌分析用の土壌の採取、土壌、水中の生きものを調査するためのサンプルの採取を行いました。
 測定したデータはその場で記録用紙に記載し、採取した土壌もその場で窒素、リンや各種ミネラルをどれだけ含んでいるかの分析を行いました。生きものの生息数を調査するために採取したサンプルは網に移し土を水で流した後、トレイに広げ生物の数を虫めがねを使い、一匹ずつ数えます。
 土の中からは、多数のイトミミズが見つかり、そのほかにヒル、フナ、モノアラガイなどが確認されました。田んぼの中、五カ所からサンプルを採るのですが、場所によって違いがあり、生物活性水が流れ込む付近で採取した土壌からは、多くのイトミミズが見つかりました。平均するとイトミミズは一平米あたり三五五匹生息していることが分かりました。また、フナは一平米あたり一〇匹以上棲んでいることが分かりました。
 こうしたデータは、調査終了後まとめられ、今年のBMW技術全国交流会で発表される予定です。        (報告 長倉徳生)

●今後の調査予定
8月22日(金)、9月24日(水)、10月17日(金)
※見学ご希望の方は、BM技術協会事務局までご連絡下さい(電話03・5211・0681)

Author 事務局 : 2008年07月01日 13:10

 
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