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2008年08月01日

韓国・盧武鉉前大統領の故郷「ボンハ」村を訪問 【AQUA199号】

農村を豊かで美しいものにと、自ら農業に取組む前大統領
韓国・盧武鉉前大統領の故郷「ボンハ」村を訪問
そらインターナショナル・コリア  ハ・ジョンヒ

 韓国には農村で農業に取り組む前職大統領がいます。二〇〇三年二月から今年の二月まで大統領職を遂行して故郷に帰った盧武鉉(ノムヒョン)前大統領がその人です。
 盧前大統領が帰郷した「ボンハ」という村では、大統領退任後から今まで、連日、盧前大統領に会うため全国各地から尋ねてくる訪問客で殺到(現在約四〇万人以上)しています。最近韓国では「ノムヒョン烈風」、「ノムヒョンブーム」という言葉まで生まれています。もう「盧前大統領」は、官邸に閉じとめられて会うことのできない想像物ではないわけです。
 ボンハ村は韓国慶尚南道金海市進永邑から四・五キロ離れている烽火山(ボンファサン:標高一四〇メートル)の麓に位置する、柿と稲作が栽培される典型的な田舎村です。烽火山ののろし台の下にある村だということで「ボンハ(烽下)村」と呼ばれるようになった小さな村です。
 先月の五月三一日には、BM技術協会の椎名盛男常任理事と生田喜和常任理事が、ボンハ村を訪問し、前大統領に会いに来た全国各地の訪問客と一緒に、盧前大統領に会いました。
 訪問客への演説の中、盧前大統領は「ゆっくりするために帰郷したわけではありません」 と、ボンハ村に帰った理由を説明しました。「農村共同体の復元」、或いは「農村観光化」を念頭に入れているようでした。そのために帰郷の直後から盧前大統領は、まず烽火山の麓に、金海市の名産として知られている将軍茶を植え、村の所得源として準備をしている外、村の人たちと一緒に「親環境農業生産団地の推進委員会」を構成し、今年から八千平方メートル余りの田んぼに合鴨を約二千五百羽を放して合鴨農業を始めるなど、農村の未来を考える長期的な計画を繰り広げています。
 また、ボンハ村の自然河川であるファポチョン(花捕川)の生態系を復元するために、ボランティアの人たちと一緒に川の掃除に出かけるかと思えば、二万余のモクズガニを放流するなど、自然浄化のための作業にも積極的に参加しています。ある秘書官の話では、「盧前大統領は過労による病気を何回もするぐらい無理をしているが、この事業に対する意思がはっきりしている」と言います。
 そして、この日、盧前大統領は、「今はこの生態系の復元のための事業が長たらしく感じられるかもしれませんが、五年、一〇年後に生態系が復元できれば、子供たちが思う存分遊べる環境が提供できるし、これから世の中を担っていく子供たちにとっては農村と自然は、世の中が回る理知がわかるようにする豊かな体験の場になります」と、農村を豊かで美しいものにつくるべき理由を説明しました。
 盧前大統領の話を聞いてから、盧前大統領の生まれた生家を見に行きました。生家は小さい部屋二つと台所が一列に並んでいるスレート屋根のレンガで建てられていました。みすぼらしい家ではありましたが、ここの土や石、水などは訪問客に最も人気があり、訪問客の中の一部は、庭の石や土をビニール袋に入れて持って帰るし、また、大統領を輩出したところの水は特別だろうという思いで水を汲んで持って帰る人もいると言います。
 昼食のメニューは村のお母さんたちが運営しているお店で、牛肉のグッパとチヂミを食べました。ドブロクも一緒に飲んだらもっとおいしく感じられました。丁度その時、ボンハ村を取材に来た、韓国の公営放送局であるKBSの記者たちからインタビューを依頼され、椎名常任理事が代表としてインタビューに応じました。「ここには何をしにお出でになりましたか」という質問に、椎名常任理事は「韓国の前職大統領が田舎に帰郷して村づくりをしていると聞いたので、見学に来ました」と答えました。「日本にも盧前大統領のように、ふるさとに帰って農業をやる総理がいますか」という質問には「いません」と答えました。
 食事をしてからは、合鴨農法を予定している田んぼ道を散策しました。田んぼから見える村の風景と烽火山を眺めながら、これから変化していく村の様子を期待して見学しました。
 この日の同行は、釜山生協の理事長のイさんと組合員のチョンさん、河東郡の公務員のキムさん、そらインターナショナルコリアの徐、そして私が一緒でした。皆とても穏やかで快い一時を過ごして帰途につきました。

Author 事務局 : 2008年08月01日 21:26

 
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