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2009年03月29日
二月度常任理事会開催【AQUA207号】
二月二四日、二月度常任理事会が、東京・飯田橋で開催され、協会運営・体制や、第一九回BMW技術全国交流会開催内容等についての協議、入会申請の審査が行われました。
新入会員紹介
石澤元勝 (北海道厚岸町)=プラント会員市毛一郎 (茨城県茨城町)=個人会員
Author 事務局 : 15:43
2009年03月01日
第19回BMW技術全国交流会第1回実行委員会、BMW基礎学習会をパルシステム茨城で開催【AQUA206号】
第19回BMW技術全国交流会第1回実行委員会、BMW基礎学習会をパルシステム茨城で開催
一月一六日、水戸市のパルシステム茨城にてBMW技術基礎学習会と第一九回BMW技術全国交流会第一回実行委員会が開催されました。基礎学習会は、本年の全国交流会が開催される茨城において、まずは基礎からBMW技術を学習し、全国交流会の内容を検討していこうという趣旨で開催されました。
BMW技術基礎学習会には、パルシステム茨城の理事・職員ら約三十人が参加しました。学習会は、昨年のBMW技術全国交流会でオープニングに流されたビデオの上映からはじまりました。世界的な経済危機と食料・環境問題に直面し、そのなかでどう生産・生活・地域のあり方を変えていくかをテーマとした内容ですが、ここ数ヶ月の経済ニュース報道によって、問題提起はさらにリアリティを増しています。
ビデオ上映の後、礒田有治BM技術協会事務局長から、アメリカを中心とした経済のグローバル化がもたらした現在の世界構造と、その影響を受けている日本の労働環境、また農村・農業の現状についてスクリーンに投影されたグラフと図を使っての解説がありました。農村の弱体化は、WTO(世界貿易機関)やFTA(自由貿易協定)によりグローバル化した世界共通の現象であること、もう一方で世界規模の環境破壊が起こり、食料・水・エネルギーなどの資源の争奪戦が起こっていることが示されました。
そんなサバイバル時代の中でBM技術協会は「自然観を変える、技術を変える、地域社会を変える」ことを目指し、流域共同体モデルや資源循環型の耕・畜連携モデルを提案していること。BMW技術は、地域生態系における自然浄化作用の仕組み(循環系)に学び、その作用を人工的に再現し、水と土を再生する技術であることが解説されました。また茨城県・田中一作さんのBMW技術を活用した自給自足モデルをはじめ、BMW技術の具体的活用例が紹介されました。
続いて、BM技術協会常任理事で茨城BM自然塾塾長の清水澄氏から茨城BM自然塾の歴史、取り組みについての紹介が行われました。清水氏の少年時代、今とは比較にならないほど豊かだった県内の自然環境等について、具体的に語られ、身近な自然への好奇心がBMW技術の探求へとつながっていく物語は参加者を引き込みました。参加者からは、清水氏が設計した田中邸のBMW技術を活用した自給自足モデルをぜひ見学したいとの感想が寄せられました。
●第一九回BMW技術全国交流会
実行委員長に清水澄氏、
副実行委員長に小谷悠子氏
学習会終了後、第一九回BMW技術全国交流会第一回実行委員会が開催されました。、礒田BM技術協会事務局長の開会挨拶ではじまり、続いて、全国交流会の実行委員長に清水澄氏(BM技術協会常任理事)、副委員長に小谷悠子氏(生活協同組合パルシステム茨城理事長)が満場一致で選出されました。
その後、各実行委員及びオブザーバーの簡単な自己紹介が行われ、交流会の運営についての協議に移りました。
交流会のテーマ、参加者人数の設定、開催場所などについての検討が行われ、開催日は二〇〇九年一一月二〇日(金)~二一日(土)に決定しました。
また全国交流会に向けて、茨城における具体的活動の一つとなる「筑波山系を水源とする河川・湖沼等流域の調査研究・学習活動」が提案されました。茨城県を象徴し、良質の水をつくる花崗岩を産出する筑波山系の流域に沿って生態系や環境、農業や漁業の現状等を調査し、地域のあり方を探ろうという試みです。地元の自治体、JA、NPOその他にも広く呼びかけて調査研究をすることにより、BMW技術が地域に貢献するきっかけづくりとしても期待されます。その内容は交流会で発表される予定です。
また、全国交流会の実行委員、オブザーバーも、今後、広く呼びかけていく予定です。
なお、現時点での実行委員は、清水澄、市丸滋幸、米川修、田中一作、丸山訓(以上、茨城BM自然塾)、小谷悠子、横田敦美、吉田明夫、益子俊昭(以上、パルシステム茨城)、森崎秀峯(らでぃっしゅぼーや㈱)、小林秀樹(パルシステム生活協同組合連合会)、礒田有治(BM技術協会)=敬称略=となっています。 (報告:井上忠彦)
Author 事務局 : 20:35
フィリピン北ルソン・ネグロス島視察調査報告【AQUA206号】
フィリピン北ルソン・ネグロス島視察調査報告~BMW技術の再生に期待を込めて
㈱匠集団そら 秋山 澄兄
昨年一一月にNPO法人APLAの依頼を受け、㈱匠集団そらでは、一二月一四~一九日にフィリピン・ネグロス島とルソン島北部イザベラ州の視察調査を行いました。
視察調査の目的は、①ネグロス島のマスコバド糖製糖工場の排水処理施設改善②ルソン島の有機農業へのBMW技術の具体的活用方法――を検討するためです。
フィリピンに到着し、最初にネグロス島バコロドの生物活性水のミニプラントを視察しました。ネグロス島には、以前、ツブラン農場とカネシゲファームに生物活性水プラントが導入されていましたが、ツブラン農場は閉鎖され、カネシゲファームのプラントも停止状態にあります。このため、APLAフィリピン担当デスクの大橋成子さんがバコロドの自宅で生物活性水のミニプラントをつくり、BMW技術の灯を守ってきました。
生物活性水は、大橋さんの自宅の裏庭にいるアヒルや鶏の飲水、家庭菜園栽培等に利用されています。大橋さんの夫、アンボ氏(マヨン村村長)は「生物活性水を使い始めてから、庭の鶏達の臭いがほとんどなくなり、卵も水っぽいものから黄身・白身ともにしっかりとしたものになりました。また、孵化率が上昇し、またたくまに羽数が増えていきました」と話します。
匠集団そらの星加と秋山で、この生物活性水の点検計測を行い、プラント維持の為の指導を行いました。点検した結果、生物活性水は良質なものができていました。
アンボ氏が村長を務めるマヨン村では、各家庭で飼育している豚の悪臭で度々喧嘩になることが多く、見かねたアンボ氏が生物活性水を豚舎に散布した結果、悪臭がおさまり、今ではほとんど喧嘩も起こらないと話していました。
次に、バコロドから車で南へ約一時間のところにあるATMC(オルター・トレード・マニュファクチャリング・コーポレーション)のマスコバド糖の製糖工場を訪問しました。
ATMCでは、現在、製糖工場の排水処理が課題となっています。工場排水は、主にサトウキビを絞る時に使用する機械と、製糖する時に使う機械の洗浄水等で、ATMCは昨年の環境省の調査で、工場の排水が準値を大幅に上回っていると指摘を受け、その対策が急務となっています。
フィリピンでは、以前は国の排水基準が無いに等しい状態でしたが、現在は日本とほぼ同じ基準を定め、フィリピン環境省が製糖工場をはじめ、全国の工場排水を調査し、厳しく取り締まりを始めています。そして基準値を守れない工場に対しては操業停止の処分も課せられているそうです。この対策として国から提案されているものは、非常に高いコストがかかるもの(酵素・微生物資材の購入)で、年間を通すとよほど大きな工場でなければ対応はできないと聞きました。
ATMCでは、指摘を受ける前までの排水処理施設は、沈殿槽だけのもので、その上澄み水を小川に放流していました。
現在はカネシゲファーム(現在稼働停止中の生物活性水施設)から曝気システムを移動し、曝気を始めていますが、いまのところ排水基準を満たしていません。
今回は現地で水質計測、排水ラインの調査・確認を行いました。今後、匠集団そらからBMW技術を活用した対策を提案し、導入に向けての話し合いを進めて行きます。
マスコバド糖製糖工場からの帰途、カネシゲファームに立ち寄りました。故兼重正次氏(一九九五年逝去。当時、BM技術協会常任理事、グリーンコープ事業連合専務理事)の記念碑は今でも奇麗に管理されていて、記念碑の周りに植えられた木々も大きく成長していました。APLAでは今後、カネシゲファームの再生に向けて話し合いが始められているとのことでした。
ネグロス島での視察調査を終え、マニラを経由して、次の目的地ルソン島北部のイザベラ州、ヌエバビスカヤ州へと向かいました。この地方は五つの先住民族の自治区であり、世界文化遺産にも指定されているコルディエラの棚田があります。
広大な田んぼとトウモロコシや大豆の圃場が広がり、水と緑が豊かな印象を受けました。
はじめに、農業協同組合CORDEV(注1)の代表であるグレッグ氏の案内で、イザベラ州カワヤンにある農地改革省の敷地内にある堆肥センター建設予定地を訪れました。
CORDEVでは農地改革省から土地を借受け、堆肥センターを含めた有機農業の実験農場を作る計画を進めています。
近年、フィリピンにおいても有機農業に対する関心は高まっていて、この地域でも二〇〇ヘクタールの水田で有機栽培が行われています。
グレッグ氏は「今までは有機堆肥を購入していましたが、今後は自分達で未利用資源を利用した有機堆肥作りを目指しています。そこにBMW技術を導入することが可能かどうか模索しています」と話します。
農地改革省の敷地内に、現在、トウモロコシの残渣とモミ殻燻炭が運び込まれており、トウモロコシ残渣は自然発酵していました。
農地改革省を後にし、次に向かったのは、車で南へ三時間、ヌエバビスカヤ州ソラノにあるグレッグ氏の自宅です。
ここには大橋さんの自宅と同様に、生物活性水のミニプラントが設置されたばかりで、プラント維持と管理方法について、同行したアンボ氏も参加してBMW技術のミニ学習会が行われました。グレッグ邸の庭には豚や鶏、山羊などがいました。
グレッグ氏はできあがった生物活性水を家畜の他に、米作りやトマトの栽培などで実験をしてみると話していました。
BMW技術がCORDEVの活動を支え、この地域の有機農業に大きく役立つことを熱望するとともに、今後は時間をかけてBMW技術がフィリピンに根付いていけるよう、BM技術協会、匠集団そら、APLA、CORDEVら関係団体と互いに協力し、取り組みを成功させていきたいと考えています。
(注1)CORDEV(Cooperative For Rural Development)。地産地消をめざし、ルソン島北部のバナナ、果樹、コーヒー、カカオ、米、野菜、養豚等の八つの生産者協同組合が連携した農村発展のための協同組合。
Author 事務局 : 20:34
槌田 敦氏 講演会から 後編【AQUA206号】
弱者のための「エントロピー経済学」とBMW技術に期待すること
槌田 敦氏 講演会から 後編
昨年、一二月二日、東京・神楽坂で、熱物理学と環境経済学がご専門の槌田敦先生をお招きして、「弱者のための『エントロピー経済学』とBMW技術に期待すること」と題して、BM技術協会主催の講演会が開催されました。槌田先生には、昨年、千葉県で開催された全国交流会のパネルディスカッションで、パネラーを務めていただいたほか、茨城県の田中一作邸を視察していただきました。講演会には、協会常任理事や理事等を対象に、関係者二六人が参加しました。
前号では、その講演内容の前編、「エントロピー経済学」を中心にご紹介しました。今回は後編としてBMW技術についてご紹介します。
放線菌と鉄イオン濃度が高い
BMW処理水
私はBMW技術とは、水田をモデルにする排水処理システムと理解している。広い水田が長い時間をかけて処理している事を狭い施設の中で岩石の粉を用いて曝気する事により、短い時間で処理している。この技術の特徴は処理水に二つの重要な条件、事実が現れている。
一つは放線菌が保持されている事。もうひとつは鉄イオン濃度が高いという事である。BM技術協会顧問の長崎浩さんは、一つの金属だけに焦点を当てて、BMW技術を語るのはやめてもらいたいと、著書に書かれているけれども、鉄があるということは、その他の繊維金属、鉄属金属(コバルト、ニッケル、マンガン、銅など)も同時に含まれている。その他の物は生命にとって重要だけれども量的に言えば少なくてよい。
したがって、私は鉄に注目して物事を考えていいと思っている。放線菌がたくさんあると、嫌気性のものを繁殖させないという事があって、これによって処理水が腐敗しない重要性を持っていると理解している。故に生命にとっての養分が維持されるということになる。そしてこれは液体肥料にもなる。動物にとっても栄養の補給になる。動物にとって自然からなる抗生物質が供給されるのはよいことである。
鉄は生命活動の基本要素
鉄というのは酸素を使って酸化還元反応を行うが、ほとんどの好気性生物がこの反応を使って呼吸や筋肉中の酸素の行き来に使っている。また、植物で言えば葉緑素を作るのに非常に重要な要素でもある。
ともかく鉄が基本である。この基本である鉄が岩石に限らず土にも多く含まれている。土の黄色や赤の色は鉄の酸化具合などによるものである。鉄の存在というのはここ最近、強調されるようになった。発足当時からBM技術協会が鉄に価値を見出していたのは評価されることである。鉄イオンというのは空気に触れた水の中では存在できない。すぐ三価鉄イオンになってしまう。
土の中には鉄がほとんどないものもあって、そのような場合鉄イオンは肥料として重要になってくる。三価鉄は酸素分子に触れると水酸化鉄または酸化鉄になる。水中にある鉄は取り入れるのが難しいが、植物は分泌物を出してそれらを溶かし、吸収することができる。例えばホウレンソウ。ホウレンソウが持つシュウ酸、大麦のムギネ酸は酸化鉄、水酸化鉄を溶かすことができる。稲もできるようだ。
ミミズなどは胃酸で水酸化鉄を溶かし吸収している。動物はそのような植物を元に食物連鎖ができているので、あまり摂取に困ることはない。先日、茨城県で家庭雑排水にBMW技術を取り入れている田中一作邸の田んぼの下にある土を見たら通常の七五倍もの鉄イオンが確認された。とても特徴的である。
鉄を溶かす特殊な有機物、シュウ酸などの他の多くはフルボ酸、フミン酸と呼ばれているが、それらを使って鉄を挟む、これをキレートというがこの状態になれば鉄イオンは水に溶ける。身近にある安価な物質でキレート状態を作るといえば有機酸(クエン酸)、乳酸などがある。BMの場合はこれをせずに金属をただ曝気しているだけなのでBOD・CODを減らさないといけなくなるのだが、これは死んだ水の話であって、生きた水であればBODが多くても汚染された水とは言わない。生きた水には放線菌がいて有機酸を出すので、鉄が溶けるのは当たり前なのである。もうひとつはポリフェノール、こちらも鉄を溶かすことができる。青インクを作る時に使用される方法である。
このように、フルボ酸でなくてもできるものだし、鉄を溶かすのは特別なことではないので、これが原因でフルボ酸は化学分析されないのではないか?フルボ酸を分析すると色々なものが出てきてしまうが、その中に有機酸、ポリフェノールが含まれている、ということである。
アミノ酸も鉄を溶かす。鉄を溶かす化合物は、極めて簡単に手に入る。畠山重篤さんもBMの全国交流会で言っていたが、赤道付近の海では他の養分はたくさんあるが、鉄だけが少ない。これだけ養分があるのに植物プランクトンが育たないのは鉄が足りないから、と、色々な鉄を投入した。まずは鉄の粉。でもこれは重くて沈んでしまい、駄目だった。硝酸第一鉄は酸化が早すぎてこれまたすぐに沈んでしまった。比較的実験が成功したのは南極の周辺である。冷たい海だと化学反応がゆっくりなので、ある程度の効果があった。
魚の廃棄物などを希硫酸で加水分解してアミノ酸を作り、そこに鉄くずを入れて溶かし、アミノ酸鉄を作ればいい。このアミノ酸鉄は安定しているのでこれをまけばいい。この方法は普通の漁場で使える。BMW技術は小さな水槽の中でこのようなことを行っているのと同じだが、もっと大きくすれば溜池として使うことができる。そこで有機物を入れた水を土の中に浸み込ませる。するとそれが湧き水になって出てくる。畠山さんも本に書いていたが、湧き水の出ているところには海藻が育っている。自分達の漁場の陸地側に湧き水を通せば土を通る時にBMと同じことをやる。そうして鉄分が海に流れ込むことになる。このようにして技術を改良できるのではないかと思う。
豚舎、牛舎は沿岸漁場近くに
漁場の中に牛や豚の糞尿を流し込む。昔、牡蠣は人の糞尿をかけて育てていた。それで伝染病がはやったことはない。当時の牡蠣はよく育った。そのように豚や牛の糞尿を使えばいい。糞にはまだ魚や蛸が食べられる成分が残っている。液化した部分は肥料になるので植物プランクトンや海藻が育つ。これで牡蠣やアサリやナマコが育つことになる。これをすると畜産業者は糞尿処理の必要がなくなる。 漁業者の方は肥料が無料で得られる。ただ問題は今の人が買ってくれるかが問題だと思うが、方法を工夫すればできると思う。
槌田 敦 氏プロフィール
理学博士。一九三三年東京生まれ。東京都立大学理学部化学科卒。東京大学大学院物理課程D2修了後、同大助手を経て理化学研究所研究員。定年退職後、一九九四年から名城大学経済学部教授(環境経済学)、二〇〇六年定年退職。二〇〇五年から高千穂大学非常勤講師。
著書に「資源物理学入門」(NHKブックス)、「環境保護運動はどこが間違っているか?」(宝島社)、「CO2温暖化説は間違っている」「弱者のためのエントロピー経済学入門」(ほたる出版)など多数。
Author 事務局 : 20:33