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2009年04月01日

福岡で有機栽培基礎講座を開催【AQUA207号】

有機栽培講座報告
福岡で~自然学を実践する~「土と水の学校」有機栽培基礎講座を開催
西日本BM技術協会耕作部会・グリーンコープ青果生産者の会共催


 二月二〇日、福岡県久留米市のホテルニュープラザ久留米において、西日本BM技術協会耕作部会とグリーンコープ青果生産者の会との共催による~自然学を実践する~「土と水の学校」有機栽培基礎講座が開催されました。講師には、BM技術協会の礒田有治事務局長、「土と水の学校」講師の小祝政明氏が招かれ、「有機栽培の基礎理論とBMW技術」について、講演が行われました。講座には、南高有機農法研究会、やまびこ会、糸島BM農法研究会、熊本県愛農会、丸忠園芸組合、グリーンコープ連合等から約一二〇人が参加しました。
 講座では、まず礒田有治事務局長から、「土と水の学校」の概要と目的、今までの取り組み会員団体での成果について説明がありました。BMW技術と有機栽培理論の融合による実践・成功例として各地のBM会員生産団体の青果生産物の写真や、収穫量や品質の向上等を紹介し、「良質の土づくりを行うには、先ず物理性の改善として堆肥の特質を見極めて使用することが重要。生物性の改善には堆肥と生物活性水の活用が効果的で、化学性の改善は、土壌分析による施肥設計がポイントになる。また、創意工夫次第で、使用目的に沿った堆肥や生物活性水の開発が可能」とまとめがありました。
 続いて、小祝氏からは、有機栽培の基礎理論から具体的な植物生理理論の講義がありました。植物の生理を理解することが青果の生産にとってまず大切なこと、正しい(体積法による)土壌分析と実際に作物に有効な堆肥のつくりかた、その施肥設計について、具体例をまじえた説明が行われました。圃場の土は、べったりしたものではだめで団粒構造が望ましいこと、「物理性」「生物性」「化学性」の三つの要素のバランスのとれた有機堆肥が優れていることなどが、図表とともに解説されました。
 また、単に安心・安全な食物づくりのためでなく、慣行栽培以上の高品質・高収量の野菜を育成する手段としての有機栽培という、従来の常識を覆す有機農業の可能性についても語られました。
 植物生理においても人間の生命活動においても、微量ミネラルがきわめて大事な働きをするという解説も行われました。葉緑素の主要成分であるマグネシウムは、心臓や筋肉の働きを正常に保ち、精神安定、脂肪の代謝、血圧の正常化に欠かせないこと、現在、鬱病対策用として販売されているサプリメントの主要成分は葉酸(マグネシウム)であること、つまりストレスにさらされやすい現代人にとって緑の葉野菜を摂取することの重要性なども紹介されました。
 炭水化物の分子式、化学式なども登場する講義内容でしたが、熱のこもったわかりやすい小祝氏の解説であったため、講演の後の質疑も多く寄せられ、密度の濃い内容の三時間となりました。(報告:井上 忠彦)

Author 事務局 : 2009年04月01日 20:45

 
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