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2009年04月01日

韓国・楊平郡の親環境農業の現状【AQUA207号】

生産農家の生物活性水需要が急増、日量6トンの生産・供給体制へ
韓国・楊平郡の親環境農業の現状
そらインターナショナル・コリア代表取締役 ハ・ジョンヒ

韓国の親環境農業のメッカ、楊平郡
 京畿道楊平郡は大韓民国の親環境農業の誕生の地です。楊平(ヤンピョン)郡は北漢江と南漢江が合流する八党上水源の中心地域に位置しており、清らかな水を二千二百万人の首都圏地域に供給する地でもあります。それだけに、それによる規制や制約が多く、農業以外の経済活動は難しい状況であり、水質と環境の保全を国に求められていた楊平郡では、親環境農業が宿命的な課題でもありました。
 一九九五年、選挙によって初めて楊平郡守(郡知事に当たる)に就任し、二〇〇二年まで郡守を務めた 閔丙采(ミン・ビョンチェ)元郡守は、郡と地域が生き残る唯一の方法として土(農業)にかける決心をし、一九九七年一二月、「第二の農業復興運動」を宣言し、これを本格化するために、一九九八年四月、全国最初の親環境農業の実践運動である「楊平親環境農業―21」を八か年(一九九八年~二〇〇五年)計画で推進し始めました。その成果として二〇〇七年度には韓国政府の財政経済部より実施された全国「親環境農業特区」 の中で大賞を取るなど、楊平郡は韓国の中でも「親環境農業のメッカ」と呼ばれている地域となっています。
二〇〇〇年度から生物活性水の生産と供給を開始
 「楊平親環境農業―21」の一環として、二〇〇〇年度から、いわゆるBM生物活性水供給プロジェクトが始まりました。二〇〇〇年オクチョン面(地区)に一日一トンの生物活性水を生産・供給する第一期生産事業が始まり、二〇〇三年度には、ヤンドン面に同じ規模の第二期BMW生物活性水プラントが設置され、現在、楊平郡が直接一日二トンの生物活性水を生産し、管内の親環境農業生産農家に無料で供給しています。
耕作や畜産に幅広く活用され効果を上げている生物活性水
 楊平郡農業技術センターの農業開発課経営畜産担当は、「BM生物活性水を農作物の播種及び定植の前に原液で散布し、生育期に一〇~五〇倍液で散布すれば、農作物の成長を健康にし、病害虫に対する抵抗性や貯蔵性、葉の光合成の活性化に効くなど、農作物の親環境農業に多く役に立つ」と説明します。また、「畜産農家では五〇〇倍に希釈して家畜の飲水として与えた場合、家畜の腸内に微生物のバランスが取れて、各種の病気に対する抵抗性を高めて飼料の効率の改善にも多く役に立つ。畜舎の中に消毒のかわりにまけば、悪臭を除去するだけではなく、ハエやカなど、病気を誘発する害虫の発生を防ぐ効果が優れており、牛や豚、鶏、犬など、全畜舎で使用が急増している」と話します。生物活性水の効果と普及が管内生産者に浸透していることが分ります。
需要増加に対応し、日量四トン生産の生物活性水施設を今年度増設
 このように楊平郡では親環境農業資材として生物活性水の優秀性が知られるようになり、生産農家の需要が急増しています。二〇〇七年度には前年対比で供給量が二五〇%も増加しました。八八五農家に六六一トンを生産・供給したと報告されています。しかし、これでも需要に追いつかず、今年度には約二億ウォンを投入し、一日四トンを生産・供給できるBM生物活性水施設の着工を三月に予定しています。
 また、楊平郡で韓牛を一〇〇頭以上飼育している畜産農家には、BMW飲水改善および生物活性水プラントの設置工事費用を補助することになり、今年はまず四農家が補助対象として決定しました。楊平郡では「農業者の期待に応じ、楊平郡親環境農業を成功させるために、より優秀なBM生物活性水を生産、普及することによって、農業者の高品質の親環境農畜産物を安定的に生産することに役立つように積極的に推進していく」としています。

Author 事務局 : 2009年04月01日 20:49

 
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