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2009年05月01日

第1回BM基礎セミナーを開催【AQUA208号】

明日の日本農業を担う人々のネットワークづくりへ
~未来をひらく後継者・若手対象~第1回BM基礎セミナーを開催

 二月二三日(月)、東京・浜松町で、「~未来をひらく後継者・若手対象~第一回BM基礎セミナー」が開催されました。
 BM技術協会会員の生産者団体、生活協同組合、流通団体をはじめ、個人会員まで、今後の協会活動を担っていく若手や後継者等、全国から九十人以上の参加があり、BMW技術の歴史や基礎理論、活動内容等を学ぶとともに、今後のネットワークづくりのための交流が行われました。
 まず、石澤直士BM技術協会理事長から「去年の『第一八回BMW技術全国交流会』は成功して終わったが、ここで基本にかえりBMW技術の思想とその歴史を学習し直すことは大変重要だと思う。本質的な価値のあるものしか残らない時代が来ている」とこのBM基礎セミナーを原点回帰と位置づける開会挨拶がありました。
 次に、伊藤幸蔵BM技術協会常任理事から「志を持った若い人たちが知り合うきっかけをつくりたかった。理念と技術の両輪をまわしていくためには人と人との関わりが重要だ。この会が、生産者と流通や消費者団体が一緒になって日本の農業の明日を話し合っていける関係づくりに役立てば幸いだ」と趣旨説明がありました。
 続いて講演に移り、椎名盛男BM技術協会常任理事から「BM技術協会活動の歴史と技術の概要」と題して講演が行われました。
「地球には二つの浄化システムがある。一つは『腐敗』で悪臭を出すが、BMW技術はもう一つの浄化システムである『発酵』に関係している技術だ。発酵のシステムは『A+B=C』という公式で説明できる。Aは基質、Bはバクテリア等の触媒、Cは製品をあらわす。たとえば小麦という基質にイースト菌を加えるとパンという製品ができる。動物の糞尿という基質に酵母菌や放線菌などの微生物が加わると、コンポストや生物活性水ができる。これらを畜産や植物栽培などに活用しているのがBMW技術に基づく有機農業だ。家畜の糞尿は動物のエネルギー代謝から出る廃棄物だがそれをそのままに放置していくと環境は劣化し、生態系が破壊されてしまう。しかしBMW技術はそれを資源として活用し、循環型社会を目指す」とBMW技術の基本原理とその思想が説明されました。
 またBM技術協会発足以前の故内水護博士による自然浄化システムの実験ビデオ映像等を交えて、いままでのBM技術協会の歩みが紹介されました。
 次に、向山茂徳BM技術協会常任理事から「やまなし自然塾の取り組みと黒富士農場のBMW技術」と題して講演がありました。
 「鶏が元気になる餌づくり」として、黒富士農場でのクロレラ培養研究、発酵飼料の自給生産、カナダオンタリオ州での有機コーン生産などの事例紹介と、山梨県の土と水と食を考える会、「やまなし自然塾」の歴史や有機農業への取り組みが発表されました。
 「自然治癒力を高めるために、森と共生して鶏は鶏らしく育てる」「農業は産業というより文化ではないか」「Think globally, act locally.」「農場には学校としての価値が眠っている」といった言葉が参加者の印象に残りました。
 休憩の後は、今セミナーの参加者全員が自己紹介を行いました。詳細は二~三ページをご覧ください。自己紹介の後、会場を移動して交流懇親会となりました。食事をともにしながら、参加者による活発な交流が行われ、情報や意見交換の場となりました。
(報告:井上忠彦)

Author 事務局 : 2009年05月01日 15:42

 
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