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2009年05月01日

花崗岩(稲田石)フィールド調査及び学習会【AQUA208号】

 花崗岩(稲田石)フィールド調査及び学習会&「筑波山系『流域・生態系再生』調査研究・学習プロジェクト」「第一九回BMW技術全国交流会」キックオフ集会開催
 
 
 三月八日(日)、茨城県笠間市にて、筑波山系「流域・生態系再生」調査研究・学習プロジェクトの一環として、「花崗岩(稲田石)フィールド調査及び学習会」と、同プロジェクト及び今年度、茨城県で開催される「第一九回BMW技術全国交流会」のキックオフ集会が開催されました。
 同調査研究・学習プロジェクトは、昨年、実施された茨城県鉾田市の田中一作邸でのBMWシステムの生物多様性や水質、土壌調査を踏まえ、今年度から茨城県を象徴し、良質の水をつくる花崗岩を産出する筑波山系を水源とする流域に沿って、水系の生態系や、それに基づく農業、漁業等を調査していくもの。第一九回BMW技術全国交流会の活動の一環としても位置づけられています。
 活動のスタートとなる「花崗岩フィールド調査及び学習会」とキックオフ集会には、全国交流会の実行委員会を構成する生活協同組合パルシステム茨城、茨城BM自然塾、有機栽培あゆみの会、らでぃしゅぼーや㈱、パルシステム生活協同組合連合会をはじめ、協会会員団体、NPO法人生物多様性農業支援センター等が参加しました。また、途中から昨年度の全国交流会を実施した千葉BM技術協会のメンバーが合流し、総勢約六十人の参加となりました。
稲田石(花崗岩)の特徴を学び、
 壮大な採石現場を見学
 フィールド調査は、笠間市で花崗岩(稲田石)採取している中野組石材工業㈱に集合し、清水澄 BM技術協会常任理事(第一九回BMW技術全国交流会実行委員長、茨城BM自然塾々長)、今回の調査にご協力をいただいた中野剛弘 中野組石材工業㈱代表取締役、学習会講師の奥地拓生 岡山大学・地球物質科学研究センター准教授の挨拶から始まりました。
 続いて、全員で稲田石資料館「石の百年館」見学と中野組石材工業の稲田石採石現場のフィールド調査に向かいました。稲田石資料館では、展示された数多くの岩石の前で、奥地講師から稲田石の特徴や組成について専門的な解説がありました。また採石用の特殊な工具や爆薬、採石作業のビデオなどの展示も見学しました。
 中野組石材工業では、参加者は地下千五百メートルまで花崗岩が埋まっているというスケールの大きな採石現場を熱心に観察して、奥地講師と中野代表取締役に数多くの質問をしました。
ミネラルの生命活動における重要性の学習と、筑波山系を源とする河川流域の調査内容の提案
 昼食後は、学習会となり、奥地講師から「岩石と水とBMW技術」と題して、講演が行われました。約六千五百万年前のジュラ紀にできた稲田石の生成過程から、BMW技術における岩石の役割、有機栽培や生命活動におけるミネラルの重要性について、興味深くわかりやすい内容の講演でした。
 続いてNPO法人生物多様性農業支援センターの岩渕成紀副理事長から「茨城県・田中邸の一年間の調査結果と今年度調査に向けて」と題して、講演がありました。茨城県田中邸における家庭雑排水をBMW技術で水田等に再利用するシステムについて、生物多様性の観点からの研究報告や水質・土壌分析の調査報告と、今年度展開する筑波山系の流域調査研究・学習プロジェクトについて、調査内容の提案が行われました。
 昨年の田中一作邸の調査で得られた成果や課題と、今回の調査研究・学習プロジェクトのスタートに当たり、生態系や水質、土壌を調査する基礎的手法の解説からはじまり、世界的な生態系保存運動の現状報告も交えた、今後の具体的な方向性を示唆する講演でした。
 その後、中野組石材工業の中野代表取締役からは「稲田石は花崗岩の採掘量として日本一であり、東京証券所、原爆ドーム、鹿島神宮の鳥居など多数の有名建築物に使用され、ニュースの背景には必ず稲田石がある」と稲田石についての興味深いお話がありました。
 全国交流会を千葉から茨城にバトンタッチ
 学習会後は、キックオフ集会となり、第一八回BMW技術全国交流会の実行委員長を務めた向後武彦千葉BM技術協会会長、副委員長を務めた平野都代子生活協同組合パルシステム千葉理事長から、昨年の全国交流会の成果および課題について挨拶と報告がありました。報告では、自治体を巻き込んで活動を拡大していくと良いのでは、との具体的アドバイスも行われました。
 この報告を受け、第一九回BMW技術全国交流会に関して、現在までの決定事項と今後の進め方について生活協同組合パルシステム茨城の横田敦実氏から現状報告が、また「流域・生態系再生」調査研究・学習プロジェクト実施に向けて、NPO法人生物多様性農業支援センターの田崎愛知郎氏から今後の進め方について提案がありました 。
 最後に、第一九回BMW技術全国交流会の清水実行委員長と、副実行委員長を務める小谷悠子生活協同組合パルシステム理事長から挨拶と全国交流会へ向かっての抱負が語られ、昨年度の開催県の千葉から、今年度の開催県の茨城へバトンタッチが行われました。
(報告:井上忠彦)

Author 事務局 : 2009年05月01日 15:43

 
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