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2009年07月01日

【AQUA210号】竹田純一氏講演「地元学へようこそ」

筑波山系「流域生態系再生」調査研究・学習プロジェクト 講演会

竹田純一氏講演「地元学へようこそ」
 五月二五日、茨城県水戸市、生活協同組合パルシステム茨城にて、「地元学へようこそ」と題して、NGO「里地ネットワーク」の竹田純一氏による講演が行われました。筑波山系「流域生態系再生」調査研究・学習プロジェクトの一環として、流域の現地調査に当り、その調査手法を学ぶ学習会として実施されたものです。竹田氏の講演要旨は、以下の通りです。
地元学の手法、意義、効果
 「地元学とは、五千分の一地図を持って、地域を見て歩く住民参加プログラムで、地域の人たちがその地域の暮らしや自然、互いの関係やつながりを再発見するために使う『手法』だ。
 たとえば、集落の水源や水の流出先、森林の様子、集落にいる動物や食べられる植物など、生活にまつわるものを調べていく。また、地域の神様や昔の農具、料理、遊び、言い伝えなどをみんなで確認する。見つけたものを地図の中にその土地の言葉で記録していく。そうしてできあがる地図は『人づくり・ものづくり・地域づくり』に活かせる材料になる。
 外部スタッフなど『よそもの』が加わることで、地域をさまざまな視点で見るきっかけになり、住民には当たり前で普段見落としてしまっている価値に気づくことができる。また、子どもからお年寄りまでが参加することで、文化の継承に結びつく。
 さらに地元学を行うことによって集落全員のコミュニケーションを形成し、地域の人々が共通体験を持つことができる。住民が共通意識を持てれば、地域づくりに向けていろいろなことが動き出す。里地は持続可能社会のシンボル。そこにある資源を活かして暮らしが成り立っていることを、みんなで共有し合い、考え、広げていく。
 すると、外部の『よそもの』が投げ掛けた地域づくりを、いつの間にか地域の人たち自らが率先して行うようになっていく。そこから地域の持つ潜在的な力が現れてくる。地元学を実践して、再確認したさまざまな価値が地域づくりのために活用されていく」。
 質疑応答では、「行政とどう関わったらよいか?」などの質問が出されましたが、竹田氏からは具体例を多く挙げた説明があり、今後の筑波山系流域調査にも活用可能なことが多く学べた講演会でした。
(報告:井上忠彦)

Author 事務局 : 2009年07月01日 21:21

 
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