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2010年03月01日
【AQUA218号】BMファーマーズマーケット第2回
BMファーマーズマーケット第2回
青森県 ~ときわ産直品直売所~ 食彩ときわ館
所在地:青森県南津軽郡藤崎町大字榊字和田65-8
電 話:0172-65-3660
定休日:8月13日の午後・8月14日・年末年始
営業時間:午前9時~午後6時(冬季は午前9時~午後5時)
販売品目:卵、野菜、加工品など
生産者が、農産物を地元で供給するという直売所やレストラン出店等の展開が全国各地で進められ、協会会員産地でも様々な取組みが行われています。そこで、協会会員産地が進めている直売所等の取組みを「BMファーマーズマーケット」と題してご紹介していきます。第二回は、~ときわ産直品直売所~「食彩ときわ館」です。常盤村養鶏農業協同組合の石澤直士代表理事組合長(BM技術協会常任理事)にお話をうかがいました。常盤養鶏農業協同組合は、飼料用米を配合して育てた鶏の卵「こめたま」に関する取り組みで、食料自給率の向上に貢献する企業・団体などを表彰する「フードアクションニッポン・アワード2009」の最優秀である大賞を受賞されした。また、農林水産大臣賞も合わせて受賞されました。
「食彩ときわ館」は、五年前にオープンしました。店舗面積は約四〇坪で、建物全体の総面積は六〇坪です。おかげさまで売り上げは、この五年で毎年二五パーセントずつ伸びています。開館当初の売り上げ目標は年間五千万円でしたが、二〇〇八年に、その倍の一億円以上の売り上げを達成しました。現在は月平均で約九〇〇万円くらいです。
常盤養鶏協同組合の卵、鶏肉と豚肉、その加工品、地元の人がつくった野菜、総菜やお菓子などを販売しています。販売商品の八割くらいはこの地域で採れるもの、この地域の生産者のものです。
スタッフは、館長を含めて五人。幹線道路沿いで、交通の便では恵まれている場所だと思います。売り上げの一五%くらいが卵です。白い卵よりやはり赤い卵が売れます。野菜はアスパラガスが一番よく売れます。次いでニンニク、トマトなど。冬場の地場野菜もこの辺はけっこう多いですし、やはり産直直販は、つくる意欲を持った生産者が地場にいないとだめですね。
米は津軽ロマンの減農薬減化学肥料の特栽米を販売しています。加工品では常盤村のトマトを使ったトマトジュースの評判がよいですね。鮮度のよい卵を使ったマヨネーズもまろやかで好評です。八峰園のリンゴの木をチップを使ってスモークした、スモークベーコンはお薦めの逸品です。またジャンボシューマイも有機タマネギなど質の高い材料を使っていておいしいですよ。今後の課題は加工品の見栄えをどうよくしていくかですね。
今の若い人は味の濃い卵が好みのようですが、こういう卵や肉の食べ方はおいしいよ、と料理の仕方の提案もしていきたいですね。たとえば丸鶏なら、ときどきのご馳走として、ローストチキンやサムゲタンなどのレシピをつけて。
お客さんは、地元藤崎町の人が三割、青森市からが三割、弘前市からが二割くらいですか。購買層は中高年が多く、リピーター率も高いです。一般に道の駅などでは観光客がみやげものを買う場合が多く、産直の商品はそれほど売れないのですが、この「食彩ときわ館」では、産直のものが欲しくてわざわざここまで来てくださるお客さんが多いですね。青森や弘前から来た人の「あそこのものはいい」という口コミでお客さんが広まりました。
商品の鮮度は重視しています。卵も最大で二日しか置きません。基本は一日ですね。それ以後は全部もって帰ります。最初はけっこう廃棄しましたよ。常盤村養鶏協同組合の一番新しい卵が手に入るのが、「食彩ときわ館」ですよ、というメッセージも出しています。スーパーと同じでは、わざわざお客さんが来てくれませんから、鮮度がよくて価格の安い品物を常に置く必要があると思っています。また、ポイントカード(二年前に発行後約五千枚中現在リピート数千名)も発行しています。
当初は、産直施設は他にもこの近辺にたくさんあるのでやるわざわざ必要はない、という声がありました。しかし、新商品をまずここで試してみる常盤村養鶏農業協同組合のアンテナショップとして、三年かけてなんとかモノになればいいと思ってはじめました。今は、当初反対していた人たちが一番一生懸命やっています。
地元の弘前市、青森市の店舗にも三〇ヶ所ほど「食彩ときわ館」のようなコーナーが設けられていますが、かといってバッティングするわけでもありません。こういうスタイルはまだまだ伸びるでしょうね。
すこし安くしても質の劣るものを出せば、お客さんは離れていきますし、それを取り戻すのは大変なことです。本質的な部分の品質はきちんと貫いていかなくてはいけません。アメリカから来る養鶏飼料も、nonーGMO(遺伝子組み換えでない)のものと、そうでないものでは質がぜんぜん違ってきています。今こそきちんとしたものを出さなければいけない。そこをお客さんに理解してもらえれば、必ず受け入れられると思っています。
Author 事務局 : 2010年03月01日 12:14