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2010年07月01日

【AQUA222号】山梨県白州郷牧場に有機JAS専用育苗ハウス完成

全国で3カ所の100パーセント補助により、山梨県白州郷牧場に有機JAS専用育苗ハウス完成

山梨県北杜市 白州郷牧場 代表
(BM技術協会常任理事)椎名 盛男

 有機JAS専用の育苗ハウスが国の一〇〇%補助で完成しました。全国で三カ所認められたうちのひとつです。これまで有機JAS専用の育苗所は、ほとんどありませんでした。ここ山梨県では、著しく果樹に偏った農業政策もあり、野菜の育苗事業は皆無でした。
 白州郷牧場では、ここ五年をかけて培土づくりと育苗を研究してきました。あまりにもJASの専用培土は高価格で、巨大メーカーが握っており、しかも、下請け、下請けへと外注され、ついには何が何だかわからなくなり、末端では仕様書さえ発行できない有様でした。国の有機農業推進法と現場の状況は、あまりにも乖離しています。

 また、有機農産物は未だ〇・一六%くらいしか流通していません。結局のところ、有機JASはJAS有機認証団体の認証を受けた――その名を借りた海外農産物と加工品の輸入の道を拡大しただけでした。
 有機認証の精神は、その根幹に立ちかえるべきです。近代国家とは、まとめていってしまえば、民族国家のことです。同じ国家の民族は平等な国民として扱われ、大切にされるということです。何が大切にされるかといえば、兄弟としての血と命でしょう。
 食べ物と水は命の根本であり、命脈です。これを損なう農法は、同じ兄弟の命を傷つけ、山河の自然を損ない、命の命脈である水を汚染していきます。これは犯罪であり、世が世なら許されることではありません。
 私たちは、水源の里である北杜市白州にあって、土と水を汚染しない農法を続けて来ました。それが農民としての人道と信じているからです。
 私たちは南アルプスの森の腐葉土と黒富士農場のBM堆肥で、ぼかしを基本としてつくり、ミネラルをアレンジし、PH調整をして培土づくりを研究してきました。ここ二年の成果は満足のいくものであり、購入苗よりは土地っ子の苗が、はるかに丈夫で強く、多収穫をもたらすことがわかりました。
 幸い、四五〇坪の有機JAS専用ハウスが国の支援を受け、空からサンマやイワシが降ってくるような天佑を受けました。これから、北杜市全体へJAS有機の苗を供給していきたいと思います。

Author 事務局 : 2010年07月01日 01:21

 
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