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2011年08月01日

【AQUA233号】韓国BM訪問記

 かって3・11前までは、口蹄疫で世は騒然としていた。宮崎でも韓国でも口蹄疫は猛威をふるった。両国のBMW技術関係者は交流の自粛を余儀なくされた。数ヶ月を経て、韓国のBMW技術の導入農場に口蹄疫が入っていないというニュースが河さんの会社から飛び込んできた。私は、すぐにも見に行きたかったが自粛し、今回、騒動が治まったと聞いて久々の訪韓となった。

 ウイルスとBM技術
 確かに、韓国では、BMW技術を入れた農場では口蹄疫は発生していなかった。けれども、農家は「あれも使った。これも使った。BMWだけが効いたとは、はっきりいえない」と、いっているとのことだった。
 「農民の根性なんてそんなもの。日本も同じだよ」といって河さんら韓国BMスタッフの努力を慰労した。
 鳥インフルエンザにしろ、口蹄疫にしろ、ウイルスである。彼らは、まだ生物と無生物の間のものといわれていて正体がいまだわからないものである。だから、私は、このわけのわからないものとの闘いは、免疫力しかないと思ってきた。BMW技術は腸内細菌の菌相を整え(平衡)、腸膜の下にびっしりといるリンパ球を保全している(もちろん畜産にあっては、ストレスのかからない飼い方がその前提である)。だから、農民の根性など煮ても焼いてもどうなるものでもないから、放っておけばいいのでは、といった。現に政府は俯瞰的に見ている。事実に基づいて、BMW技術が口蹄疫を阻止したことは一目でわかる。
 私が訪韓した時点で、すでに七つの自治体がヤンピョン方式を採用し、プラントを河さんの会社に発注したし、大きな農協も動き出していた。だから、民間(農家)からのプラント受注は待ってもらっているという状況であった。

 飲水改善と生物活性水はセット
 日本では、ユーザーの経済状況、当面の課題等で飲水改善だけのBMプラントを受け入れてきた。とにかく、悪臭とハエの除去が課題であった。けれども韓国にあっては、二つの系統は両全なものとして実施してきた。飲水で家畜の内部を守り、生物活性水で畜舎を守るというのは、自然な行為である。日本も技術の原則に立ち返るべきであろう。もうすぐ、BMW技術の最先端地は韓国となるだろう。
 河さんの会社(株式会社「BM水」)はソーシャルカンパニーとして体制を変えた。日本のように「芸無き旅芸人」「フロント係」「マヨネーズラーメンを求めて三千里」「飯田橋ブラブラ病」な社員もおらず、志気も高い。

 プルム農学校
 最初にプルム農学校を訪問したのは一二年前のことだった。今では、当時と比べてその規模も大きくなり、日本のパルシステムも参加、協同している「生き物観察」のメッカとなっている。学校の校是は「偉大な平民づくり」である。
 元校長の洪淳明(ホン・スンミョン)先生にお会いした。先生曰く、「家も共同体も教育も、みんな農村から都会に出て行っておかしくなった。田舎から立て直す時代が来た」という話であった。自然から遠くなった分だけ「近代化した」といい、自然を疎外した量の大きさで大都市と中、小都市をわける。しかし、今の日本で田舎は立て直せるだろうか。何もかも根こそぎにされ、擂りつぶれてしまっている。BM技術協会の役割は大きいと感じた。
 ミンチョル先生にも会ってきた。プルムの専攻部(高校の上の課程)は、農業作業の人も含めて五〇人規模になっているという。
 段取りと労務管理が大変だね、と私がいうと「働く奴は働くし、働かない奴は働かない。農村はそれでいいんだ。みんなで生きていけるのが農村だ。働く奴は昼間から酒も飲むし議論もする」というものであった。目から鱗であった。
 釜山には古い原発がある。これに事故が起これば、日本の福岡も終わる。「放射能に国境はない」という話が、最後の晩の話題であった。私は金芝河(キム・ジハ)先生の話をした。
 「きれいな小川のちいさな生き物が死んでしまえば、ちいさな子供たちの魂も死んでしまう」というような話だ。
 私たち日本人は、半径一〇〇キロ圏内かどうかわからないが、ちいさな子供の魂が死んでしまう国土を愚かさ故につくってしまった。
 子供を救え!ちいさな生き物を救え!

BM技術協会 常任理事 椎名 盛男

Author 事務局 : 2011年08月01日 11:47

 
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