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2012年02月01日

【AQUA239号】アイフォーム・ジャパンセミナー第一回(有機農業円卓会議)報告

 二〇一一年一二月二日(金)、大田区産業プラザPIOにおいて、標記セミナーが開催されました。テーマは「有機(農業)の普及をどう図るか」(提携・認証・有機JAS制度の評価を含む)――日本有機農業四〇年の総括と展望

 冒頭、主催者あいさつで、アイフォーム・ジャパン理事長の村山勝茂さんの報告があり、今回のセミナーの趣旨を簡潔に説明されていました。
(一)なぜ、日本の有機農業、有機農産物の普及は進展しないのか
(二)TPPをはじめ農業をめぐる厳しい環境にどう臨むのか
(三)パネリストの問題提起、それに続くさまざまな参加者の討論で、「有機農業をどう広めるのか」に絞って協同の発信としたい。

 続いて、「有機農業の課題と政策提言」と題して、㈱アファス認証センター代表取締役の渡邊義明氏より、産消提携の現状が報告されました。「有機農産物を求める消費者が減っている」、「有機生産者の新規参入が増えていない」等、厳しい現状、しかし「有機農業・有機認証の努力が報いられれば、生産者は取り組むはずだ」という課題と提起がありました。
 さらに「問題提起」として、茨城大学の中島紀一氏の報告では、
「有機農業は、もっと戦略的方向を持つべきだ。有機農業推進法が制定され、国の推進政策が動きだして以来、国や自治体への施策要望のような理解が広がってしまった」、「有機農業の立場から、TPP、原発問題など、社会的発言を強め、自然共生と自給を重視する『農本主義』『農本的な社会づくり』への提言が必要だ」との発言がありました。
 また、日本有機農業研究会副理事長の魚住道郎氏、㈱大地を守る会の戎谷徹也氏からは、「放射能汚染への対応」をテーマに、農業、流通のそれぞれの立場からの報告がありました。
 「問題提起に対する他のパネラーの意見」では、BMW技術協会理事長の伊藤幸蔵氏から、農業技術力を高める努力が必要として、農事組合法人米沢郷牧場の取り組み事例の紹介があり、また、パルシステム生活協同組合連合会理事長の山本伸司氏からは、生協における有機農業と産直、有機農業生産者を孤立させない仕組みづくりの重要性が報告されました。

 セミナーは、午前一〇時から一七時までの長時間にわたり、紹介できた発言者は一部です。また、課題も多岐にわたり、一概に結論が出せる内容ではありませんでしたが、「有機農業の力」をこうした会合を重ねることで、発信力を強めることが必要と感じました。
   (報告: BMW技術協会事務局 大田次郎)

Author 事務局 : 2012年02月01日 12:25

 
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