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2012年02月01日

【AQUA239号】「2012年を迎えて」年頭挨拶

BMW技術協会 理事長 伊藤幸蔵

 新年あけましておめでとうございます。昨年三月一一日の東日本大震災で尊い命を失われた方々に哀悼の意をささげます。また、地震・津波それにともなう東電、福島第一原発事故で被災された方々の一日でも早い復興をお祈りいたします。
 東日本大震災(自然災害)・原発事故(人災)以降、福岡で開催された第二一回全国交流会テーマでもある、「原点に返る、BMW技術」〜技術と人の再生に向けて〜の「原点に返る」ことや「再生」に向かうことが、我が身に、そして日本に住むすべての人に、言葉や活字だけではなく、現実のものとして降りかかり、決断し行動する事を求められていると思っています。そのような中、BM技術協会、会員も日々の活動に加え、復旧や復興支援、放射能汚染の対応に力を注ぎつつ、同時にBM技術協会の一般社団法人化も進めてきました。
 BM技術協会は、生命活動の基礎であるBMW(バクテリア・ミネラル・水)の地球生態システムを、生産と公共の場で再生、回復するための諸問題と技法を会員と共同で研究し、これを普及させるために生産現場での技術革新と農村漁村および都市地域における実践を行い、そして、生命環境の危機をもたらしている自然観、技術、生産のあり方を変え、地球環境の浄化を推進することを目指し、全国の生産者・消費者ネットワークを拡げ、豊富な情報交換や技術交流を活発化させてきました。法人化することにより、BM技術協会及び匠集団そらが設立以来行ってきた「ソーシャルビジネスと社会運動」から「資本主義ビジネス」に変節することはありません。今後も日本そしてアジアを含め、環境問題と農業問題にとってBMW技術は、その解決手段として社会的必然性をもっていると考えます。二〇年以上に及ぶ活動において積み重ねてきたものを確固たるものとするためにあらためて原点に返る、さらに「技術」「理念」や「知識」、そして会員の連帯をより有効的に活用して行く上で、BM技術協会は社会に対して実践的な技術をもった組織として「任意団体」から社会的使命を果たせる「一般社団法人BMW技術協会」へ進化しました。(法人化しBM技術協会→BMW技術協会に名称変更)

今後の活動計画
①セミナーや学習会、講演会などを中心とした交流を活発化させていきます。
 勉強会・講演会等のアイテムを協会から提案し、全国の地方協会を中心に会員に募集を呼びかけます。外部からの講師の要請、内容に関しては検討が必要かと思われますが、常任理事及び、各理事の中、あるいは会員の中から勉強会の講師になって頂きたいと考えています。年二回の開催を予定している若者勉強会は、次世代を中心にBMW技術を一から学ぶ講座として、または再度一からBMW技術を勉強したい方のために開催します。そこでまた新たなネットワークができ、広がりを持たせたいと考えていますし、なにより「技術は楽しい」を実感して欲しい。また、BMW技術以外の講座(番外編)としても、生協運動の歴史の勉強会や環境問題への取り組みをテーマにした講演会などの提案、企画などもやっていく予定です。それらは私の経験の中に、二〇代の頃からBMW技術に携わる先輩方のご指導、ご鞭撻に支えられてここまでやってこられたと言うこと、BMW技術協会がひとつの支えになっていたという思いがあります。今後はさらに若い世代の同じ意思を持つ人たちへ引き続き継承していくこと、協会の存在がある意味「拠り所」、支えとなるようにという思いがあります。
②全国のBMプラントの稼働状況の確認と課題の把握。
 すでに実行していますが、匠集団そらと連携して全国のプラントを巡回し、稼働状況や課題等を確認して行きます。時間との勝負にもなりますので、地方協会にも協力して頂きます。また、匠集団そらと独自にメンテナンス契約をしている施設もあるので調整もしていきます。
③海外研修生の受け入れ、または海外への研修派遣の相談窓口
 アジア各国の研修生を各会員の農場で受け入れ、研修生がBMW技術を習得して国に戻りBMW技術を実用化し有機農業を実践できるようにする。また、会員の中で海外のBMW技術協会関係各所への研修の相談窓口を設置していきます。
④事務局の強化
 事務局は上記活動が円滑かつ活発に進むよう、事務局長一名、事務局員二名の配置を予定しています。事務局員一名は、法人会員から協会への出向(研修)というかたちで派遣をしていただく。現在、ポークランド、米沢郷牧場より時期をずらして、一名ずつの派遣を検討しています。もう一名に関しては関係各所を中心に募集を呼び掛ける形で、いずれもBMW技術の研修が含まれ、技術者としての育成も含みます。
⑤会員ネットワークの強化
 BMW技術協会のように北は北海道、南は九州・鹿児島県まで全国に会員がいて、そのネットワークの広さを持った(農業技術を中心とした)団体は多くはありません。技術は無論、この技術を守り、拡げるために築いてきたネットワークこそが協会の持つ大きな意義(強さ)でもあったかと思われます。昨年八月に開催した肥田先生の講演会で話された、「日本人は諸外国に比べ、人として生きる権利=人権意識が低い→人任せ・国任せである」ではなく、人、組織を磨きながらも、その根強いネットワークを再認識し全国組織の強化に努め、更に技術と理念の両輪バランスを整え、より多くの会員、地域のために活動を前進させたいと考えます。
 BMW技術協会はこれまで築いてきた土台の上に立ち、さらなる未来への希望に繋がる「食」「暮らし」の構築に向け、有機農業においての最も優れた技術、理念を手に正面から取り組んでいきたいと考えております。
 前進しましょう!

Author 事務局 : 2012年02月01日 12:38

 
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