« 【AQUA239号】国内プラント動向(秋田) | メイン | 【AQUA239号】「2012年を迎えて」年頭挨拶 »

2012年02月01日

【AQUA239号】第21回BMW技術全国交流会報告

 昨年一一月に行われた第二一回BMW技術全国交流会のレポートを掲載します。一二月号では速報というかたちで実行委員会事務局の宮﨑さんからのレポートが掲載されました。今月号では今回の大会に参加された若い会員の方に書いてもらったレポートを三コースの視察レポートと合わせて掲載します。また、次号(二月号)では大会後の反省会と次回の高知大会へ繋げることの意味合いとして開催される実行委員会(一月一六日開催予定)の報告と中村実行委員長の総括を掲載する予定です。

第二一回BMW技術全国交流会開催にあたって〜第二一回BMW技術全国交流会
          実行委員長 中村康則
 3・11の地震。被害、福島原発の事故は心よりお見舞い申し上げますとの挨拶にはじまり、大会の開催を議論する声も上ったが、被害に遭われた会員の皆様にもご参加いただき、予定通り開催することとなった。九州での開催は一〇年ぶりになります、震災復興を含め、今、地球環境危機に直面している今年は原点に帰ってBMW技術を使うという取り組みを西日本BM技術協会で始めました。若い人たちにBMW技術を継承・普及を図って更なる発展を目指すことなど、そして今回は二八〇名もの皆様にご参加いただき、二八〇名の出会いがあるので楽しみにしていると話されました。このような年に開催に踏み切ることは大変なことだった思う、有意義な大会になったことを私自身も嬉しく思います。

開会の挨拶〜
    BM技術協会 前理事長 生田喜和
 BM技術協会は一〇月五日法人化し一般社団法人BMW技術協会となった。前回の第二〇回は山形を、人間で言うと二〇歳で成人に。今回は第二一回、成人としてのこれから熟成の時代を迎える。そのような意味合いの中、BM技術協会立ち上げの時に大きく貢献されたグリーンコープ連合の元専務で兼重さんの活動基盤であるここ福岡での開催は大きな意味をもつとのこと。われわれ共同体は継続性であり、世代交代は必須である。協会でも継続性を求めて法人化をした。理事長の交代、事務局の強化をすることにより経済的基盤を整えなければならないので会費の改定を会員の皆様にお願いしている次第。次世代を担うとの大きな意味合いを持って、米沢郷グループ代表の伊藤幸蔵(前副理事長)さんが理事長に、白州郷牧場グループの秋山澄兄さんが事務局長に就任した。この五年で若返り、次の二〇年はどうするか? 終焉をさせずに次につなげるために頑張って欲しいと締めました。
 これからは、私達が諸先輩方に負けないよう精進していかなければいけないと感じました。

基調報告:原点に返る、BMW技術〜技術と人の未来に向って〜
一般社団法人BMW技術協会 理事長 伊藤幸蔵
 東北地方太平洋地震により、多くの方の尊い命が失われたことに深く哀悼の意をささげます。被災された方々へお見舞い申し上げますとの挨拶にはじまり、震災の二週間後に宮城県の津波の被害が大きかった地域を訪れ、津波が襲ってきたらこうなってしまうのか、まるで戦争が起きたらこうなってしまうのかと思わせるかのように、何も無くなってしまっていた被災地の状況や、福島県を中心に放射能物質が検出された農産物に対する信用不安も大きな問題として残っていること、日本の飼料の九九%は海外に頼っているが、飼料工場が太平洋側に多くあるため、その機能が一時麻痺し、危ないところであったとのこと。引き続き、震災直後から東日本地域の各会員への安否確認、被災地訪問などのBM協会の動き、停電、断水となり養鶏場などのライフライン存続にスタッフ一同が全力で動き、発電機を設置し、不足する燃料をかき集めたなどの米沢郷グループとしての動きを報告。鶏を一羽も殺さずにすんだのは飼料米があったことが大きく影響している。八戸、塩釜、鹿島の飼料工場が機能しなくなり、名古屋から飼料を調達したことなど。これからの課題として、肥料や飼料の自給を目指すことと同時にエネルギーの自給も考えなければならないと話されました。
 そして私達BMW技術協会はこのよう時代だからこそ、原点を見つめ「進化」し続けなければいけないと締めました。大きな問題が山積みのようになっている現実、それを乗り越えていこうとする強い意志を感じました。

被災地からの報告
アイコープみやぎからの報告〜
 あいコープみやぎ 副理事長 小野瀬裕義
 震災にあたり皆さんのご支援ありがとうございました。大震災については地震、津波、原発の被害があったが、これはバラバラではない、繋がっている。今後大きな地震があればこのような原発事故がまたすぐにおきる。それ故、私たちは『反原発』を唱える必要がある。今回の件で本当の豊かさとは何かを考えることになった。(建物の写真を出して)アイコープみやぎの被災状況は建物被害が無かったが、周りは液状化現象が起きていた。また、海岸線に職員がいたが何とか生き延びて帰ってきた。(木に掴って津波をやり過ごした等)、また、生産拠点地域も津波で塩をかぶってだめになってしまった。地震の後、組合員さんのところをとにかく回ったが、ライフライン、灯油やガソリンなどのエネルギーの確保に難儀をした。今回の地震でエネルギーと電気のありがたみがわかった。皆さんからの炊き出しや支援物資の搬送ありがとうございます。放射能問題を受け、地産地消も必要だが、時には北海道や西日本のものも取り入れていくことも必要となるなどの報告がありました。
 何故、福島県に原発があるのか今回のお話でよくわかりました。しかし、『反原発』はわかるが、原発を無くす代わりに何をもってエネルギーとするのか?エタノールの話も出ていたが、もうちょっとその点についての具体的な話がないと『反原発』の説得力に欠けるのではないかと思います。

三・一一 震災を乗り越えて〜
    みやぎBM技術協会会長 西塚忠元
 協会の皆さん炊き出し、ボランティアありがとうございました。東日本大震災における宮城県の被害状況の発表がありますが、その中で自営業者の人たちは恐らく復興するのにかなりの時間がかかるだろう。また、排水設備の不備や地盤沈下の理由などにより水が流れていかない。汚水、瓦礫が流れてきていたので、これらを撤去するのに三ヶ月かかった。最終的な復興は平成二六年を目指している。現在は開発構想の話が少しずつ進んでいる。
 この八ヶ月過ごして、地震の後片付けをしながら頭では色々やらなければならないことがたくさんあった。また、人間は謙虚にならなければならない。少しずつ進めていかなければならない。西塚氏の畑は海岸から一五km離れていたので、津波の被害は無かったが、建物に被害が出た。(BMプラント、鶏舎、作業小屋等)地盤沈下は関東圏(茨城、千葉)の被害がニュースで大々的にやってはいたが、宮城県も地盤沈下でかなりの被害が出ていたということを今回の件で初めて知った。また、西塚氏の「人間は謙虚にならなければならない」という言葉に共感しました。

会津からの報告〜
       会津うまいもの塾 佐藤邦夫
 福島県の地震の被害は三地域に分かれる。(浜通り、中通り、会津)その中でも浜通りが今回の地震で最も被害が大きかった。また、浜通りに住んでいる人はあちこちバラバラになってすんでいる人がいる。現在会津は原発の被害に悩まされている。
 福島県産の農産物における出荷停止が始まっている。また、作付け停止も進んでいる。(土壌汚染による)浜通りの人たちは避難している人たちが多いので、作付けそのものをしていない。問題は中通りや会津の人たちが作付けをした場合、その農産物をどうするのかわからない部分がある。(どれだけ放射性物質を吸い上げるのか?)今年の放射能の検査は行政より個別(生産物ごとに)に聞かれることがあったので、個別の調査が必要である。また、放射能対策として、土壌を反転させたり、セシウムを吸着させたり等の対策も行っている。現状は資材を投入した圃場としていない圃場の差は出ている。BMは生物系由来のものなので放射能も浄化してくれれば良い。会津は今回の被害が福島県内と比べると少ない方だったが、今後は放射能とどう向き合っていくのかを今回の話で少しわかったような感じがしました。
(報告: 農事組合法人 常盤養鶏 唐牛冬仁)

「井上ピッグファームにおけるBMW技術と耕畜連携農業の取り組み」
 紅会 井上博幸氏の報告
    (代理発表 井手剛寛さん)
 農場は福岡市糸島市にあり、常時一五〇〇頭の豚を飼育。二〇〇日令で低カロリーの飼料でゆっくり育て、麦なども与え、肉質にこだわった飼育が印象的でした。放牧も行い、生物活性水は主に飲水改善プラントへの添加に利用。尿はBMW簡易尿処理プラントで処理し、循環農場としても魅力的でした。豚舎の設計も日頃利用しやすいように、少人数でも対応できるように工夫がなされているとのこと。小規模の養豚場がこれからどう展開し、発展していくか今後が楽しみになりました。

私の養鶏とBMW技術との出会い〜
         ㈲ヨコテ 横手俊郎さん
 糸島市で採卵養鶏を経営されている。生物活性水は鶏のコクシジウム対策に五〜一〇倍で希釈して飲ませていた。発表の内容は、横手氏ご自身で製作した自作のBMW施設の説明がメインでした。小さい五〇〇Lのタンクを使い、小規模のBMW施設を製作。こちらを鶏の飲水に添加している。BMWは使う人、使う状況で進化、発展できる点がとても魅力的に感じました。

BMW技術との出会いと野菜作りについて〜    熊本県愛農会野菜部 渡辺洋一さん
 有機JAS認証でリーフレタス、人参、玉ねぎ、大根、ほうれん草を栽培。生物活性水は清村養豚場の尿処理施設のものを利用。生物活性水は、反あたり、六トンを使用。生物活性水をつかった畑の作物は、日持ちがよく.苦味が少ないとお客様から好評を得ている。圃場の土は柔らかく、棒を刺すと一.三mほど突き刺さるぐらい畑の土が出来上がっている。今後は愛農会で五tタンクを二基設置し、会のメンバーが使えるように配置して行きたいという計画である。全てJAS認証ということで、生物活性水における無農薬栽培の可能性を示唆する好例でした。

トイレに始まりトイレに終わるBM農法・小規模農家のBM農法〜                糸島BM農法研究会 柴田周作
 糸島市で農薬・化学肥料を極力使わず、高付加価値農業を目指し経営。米、小さな白菜、パプリカ、ミニトマトなどの栽培に生物活性水を利用。一〇〇倍の活性水を種や作物に利用すると、発芽率、生育がとても良くなるとのこと。自宅のトイレの糞尿を原料に生物活性水を作っている。自作の生物活性水施設、五〇〇L×五基を自作し、BMW技術の可能性を自身の生活を通して改良している。生物活性水は個別に使うのでなく、すべての過程で使用することで、その効果が見えやすい。柴田さんの「トイレに始まりトイレに終わるBM農法」は資源の限られている日本で、全てを利用する可能性に満ち溢れた好例であると思います。

青果(さくらんぼ、ラ・フランス、りんご)の取り組み〜  米沢郷牧場 横山裕一さん
 さくらんぼ.ラフランス.りんご栽培でBMW技術を使用。種の数や花の数などの数に違いが表れ、果樹データが少ない中、今後の果物栽培におけるBMW技術の可能性を感じた好例でした。果樹栽培では結果が見えにくいことから、数年に渡りBMW技術を使い実験していくことが重要であると感じました。畜産、野菜ではデータが数多くある中、果樹栽培でも結果がもっとたくさんでることが期待でき今後が、楽しみになりました。

まとめ
 今回の発表では、既存のBMW技術を発展させて使用している例が数多く見えました。BMW技術の可能性は進化段階であって、来年また、各地で試行錯誤した改良版BMW技術と出会えるのが楽しみです。大会終了後の視察は国営諫早湾干拓事業の見学に行きました。広大な敷地。一枚六町歩という面積の畑が広がっていました。諫早湾干拓を見て、日本はメガファームを目指すのか?もしくは小規模ニッチファームを目指すのか?意見は様々であるかと思いますが、今ここで選択しなければいけない時代が来ていることは間違いがないと思います。
(報告: 農業生産法人hototo 水上篤)


「生物活性水「BMそら」・BM菌体利用者アンケート報告」
     グリーンコープ共同体 林和子さん
 二日目の交流会はまず、生物活性水「BMそら」「BM菌体」の利用者に関するアンケート結果の発表がありました。
 二〇一〇年度に購入している組合員を対象にそれぞれの使用してみた際の改善意見や、販売価格は適当か、などの実際に使用した人たちの意見がしっかりとまとめられており、非常にわかりやすく発表していただきました。今後も利用者がより使用しやすい形にしていくために多くの意見を採用して進化していってもらいたいと思います。

「土佐山百年構想」
   夢産地とさやま開発公社 大﨑裕一さん
 土佐山の歴史についてから始まり、地域人口の過疎化への懸念、土佐山地域が高知市を貫く清流「鏡川」の源流に位置していて森林や水源地の環境変化は高知全体の森・里・まち・海に大きな影響を与えてしまうので、どうしたらその自然環境を守っていけるか、などの施策について話していただきました。
 「社学一体教育」という教育に対する強い意識を持って、これからの百年先の、さらにその後も持続可能な地域づくりを目指すという取り組み活動を展開していくことや、有機栽培が困難な有機JASショウガをつくったり、その加工品などを販売するなど、積極的な活動を行っていることが私にも伝わってきました。来年の全国交流会の開催地である高知県に行けることを楽しみにしています。

「有機農業のむらづくりにむけて」
    南阿蘇村役場 工藤眞巳さん
 南阿蘇村の概要から有機肥料、BMWの活用事例、今後の有機肥料センターについて話していただきました。白川水源をはじめとする水の里から作られるトマト〜ぶどうまで様々な有機農産物を生産していることや村営の肥料センターにBMWプラントを導入し、丁寧なプラント管理について解説していただき、有機肥料「牛若丸」がにおいもなく使いやすい肥料だということがとてもよく理解できました。村内無料配達等もあるとのこと。またBMW活用事例では「牛若丸」を実際に使用したトマトづくりや堆肥の展示ほ場を作ったり堆肥の地産地消の取り組みなどを行っているとのことです。村役場の取り組みとして有機肥料「牛若丸」を認知、利用してもらうために有機農産物推進事業補助金制度の導入を行い、生産センターで堆肥を購入すると半額の補助を行うなど、地域一体でBMについて積極的に取り組んでおられる様子が伝わってきました。

「初めて生物活性水を利用して」
    中村グループ 鹿毛智昭さんの報告
 主な生産物は、米、露地栽培(ホウレン草、ニンジン、ニンニク、ナス)などで観光農業を行っていた時に農薬による異変、中毒を起こしてしまって無農薬栽培に切り換えたいきさつや、BMW生物活性水を使用しはじめ、作物やボカシ肥料の水分調整に利用していることなど。ご自身で希釈装置を手作りされたり、独自に勉強して実践しているところに感心しました。今後はニンジンなどの新しい作物にも挑戦される予定だということでした。発表後に茨城の清水さんや山梨自然塾の小澤さんからの質問や意見などもありました。

「BMW技術における果樹栽培とhototoの取り組み」
    農業生産法人hototo 水上篤さん
 農業を通じて人とのコミュニケーションをとっていきたいといういう思いでBMW技術を利用して、おいしい無農薬野菜や果樹を生産していきたいということでした。活用事例としてはブドウ栽培での生物活性水について話していただきました。また中国にもプラントを設置したいと積極的に海外への視野も広げていきたいとのことでした。一緒に農業を楽しく体験していくこと、農業を通して人類の繁栄に貢献したいなど、将来的に行っていきたい活動をマインドマップでまとめてわかりやすく発表していただきました。

「再生可能バイオ燃料と農業系未利用バイオマス」 山梨大学大学院医学工学総合教育部 御園生拓さん
 地球温暖化のメカニズム、世界の二酸化炭素排出量の比較表によって、確実に二酸化炭素濃度が上がってきていることの指摘、温暖化の主な要因として化石燃料の利用があり、石油・石炭・天然ガスは使えば使っただけ埋蔵量が減るが、太陽光・風力・地熱・水力・バイオマスは使っても減らない。使っても二酸化炭素が増えないカーボンニュートラルの利用が地球へのダメージを与えることがない、優しいエネルギーということでした。また、有効なバイオマスとして畜産廃棄物を利用したクロレラの大量培養を山梨県の白州郷牧場や黒富士農場に培養試験設備を設けて行っているとのことでした。地球温暖化を食い止めるための再生可能エネルギーについてわかりやすい発表でしてた。

「カネシゲファーム・ルーラルキャンパス(KFーRC)の取り組み」
 特定非営利活動法人 APLA フィリピンデスク 大橋成子さんと、BMW技術協会 秋山澄兄さん
 はじめに大橋さんよりカネシゲファームのこれまでの活動と再建までのいきさつや現地で働いている研修生と卒業生たちについてなど、現状の報告をしていただきました。BM活用事例として豚や鶏に飲水で与えているとのことでした。また野菜生産も行い、サイエンスキャンプの受け入れなども行われているそうです。サイエンスキャンプとは月に一回の科学の授業で高校生が農場を見学して学ぶ取り組みです。
 そしてBMW技術と地域適正技術とのコラボレーションという内容で秋山さんから発表がありました。カネシゲファーム内の飲水改善プラントをフロー図でわかりやすく解説していただきました。またバイオガスプラントも生物活性水で豚舎の洗浄や貯留バッグに貯留したバイオガスを料理の火力に活用したりと様々な使用方法で有効に活用しているとのことでした。そして、動力を必要としないラムポンプ(高低差を利用した水の圧力によるポンプ)についてや堆肥づくり・飼料づくりについて話していただきました。
 今後の取り組みとして地域の農家や仲間へBMW技術を広め農場内でのエネルギーの自給自足・アジアの農民たちの交流の場として、今後も取り組んでいきたいということでした。
 全体の交流会のまとめとしてBMW技術協会常任理事の山本伸司氏から今回の発表の様々なBMWの活用事例について総括をいただきました。BMW技術の交流会を通して活用事例(成功失敗を含めた)や研究結果の共有などを行うことでより一層のBMへの理解を深め、技術を高め合って行こうということを強調されました。
 閉会の挨拶として、西日本BM技術協会会長の荒木隆太郎氏によって、来年の開催地が高知であるということが発表されて閉会となりました。

 今回の交流会と各発表は、非常に多くの人たちが全国から集まり、個々のBMへの取り組み、研究などを多角的に学ぶことができ大変参考になりました。来年の高知での大会を楽しみにすると同時に今日学んだことを自社の経営に活かし、より進化した形で皆さんと再会したいと思います。
(報告: 黒富士農場 向山洋平)


視察: 視察は四つのコースに分かれ、合計一一三人が参加しました。
糸島BM柴田氏のプラント視察、諫早干拓と荒木農園視察コース
 三〇人が参加したこの視察では、諫早湾の干拓事業との荒木さんの農園を見学しました。(一泊二日)

BMW糸島視察コース
 数日後に師走というのにモンシロチョウがヒラヒラと舞う、暖かいBM糸島圃場見学でした。福岡市内から都市高速道路を走って約四〇分。最初に小川さんの畑ではブロッコリーを見せて頂きました。BMW生物活性水を散布することでずっしりしたブロッコリーに育つということでした。近くスチームしたブロッコリーが商品化されるということでした。近頃は味も栄養価も損ないにくい蒸し野菜が流行ってるので登場が楽しみです。
 次に「トイレに始まりトイレに終わるBM農法」というユニークな取り組みを発表された柴田さんのお宅です。庭先にその怪しげな『(柴田さんのおっしゃる)ナニ』の入ったポリタンクが五つ並んでいました。屋内のトイレから引かれたパイプを通ってきたタンクの茶色い水は本当に臭わない。とにかく不思議でした。生物活性水を一言で表現すると「魔法の水」との報告もありましたがここではそのことを体感しました。すぐ側にはカワニナ(カワニナ科に分類される巻貝の一種。ゲンジボタルやヘイケボタルといった水生ホタル幼虫の餌としても知られている)の「養殖?小川」があり、この辺りの蛍は柴田ファミリーのパワーで光り方も違うのではないかと想像しました。
 
 最後は溝口さんの長ネギを見せていただきました。鶏糞を元肥に四〜一〇㌧入れるそうです。「工夫を凝らして「自分で作ってしまったBMW設備」と報告された「ヨコテ」さんちのBM鶏糞も使用されているとのこと。長ネギはシャキーンとおいしそうに圃場に並んでいました。費用や運搬の関係ですべてBM鶏糞ではないそうですが生物活性水は雨の後など土の湿っている時にジョーロで撒くという事でご苦労が伺われました。無農薬で作られるということでしたのでここでも「魔法の水」のパワーを感じました。
 移動のバス車中では「南阿蘇のえっちゃん」と無農薬の酒米「山田錦」を使ったお酒「天祥地瑞(テンショウチスイ)」の話で盛り上がりました。懇親会でのアピールは会場の隅で聞いていたのですが試飲できなかったので早速お正月用に注文しました。有機農業のむらづくりが進む南阿蘇村から届くのを楽しみにしています。
(報告:グリーンコープ生協おおいた
 奧田富美子)

若宮物流ドライセンター視察コース
――BMW技術を使った中水利用施設―
 二日目の視察ツアーは【Cコース】グリーンコープ若宮物流センター(中水利用プラントと施設・仕訳現場)の視察に参加しました。(参加者一一名)
 トイレの流し水は中水を利用しています。中水(利用)とは、炊事、風呂、トイレなどの雑排水を浄化処理し、上水道とは別の配管で水洗便所、散水などの雑用に再利用する水道のことです。
 合併浄化槽から放出される段階で、河川に放流できる程度(BOD 二〇ppm以下)に、浄化されています。それを更に浄化して、若宮物流ドライ(第二)センターのトイレの流し水に使っています。
 このBMW技術を使った水の浄化システムは動物や植物によい水を作るシステムで、グリーンコープの特別企画で販売している「生物活性水BMそら」もこのシステムでつくられたものです。「生物活性水BMそら」は原料に醗酵鶏糞が使われています。

 以上、若宮センターの中水利用施設の見学後、若宮センターの本来業務であるセットセンター内部の仕分けのラインなども見学させていただきました。このセンターの仕分け科目は、冷蔵、冷凍、ドライ、青果。今回は、青果の仕分けの状況を見ることができました。
(報告: BMW技術協会事務局 大田次郎)

Author 事務局 : 2012年02月01日 12:36

 
Copyright 2005 Takumi Shudan SOLA Co.,Ltd All Rights Reserved.