« 【AQUA242号】アジアからのBM便り | メイン | 【AQUA242号】山梨県山梨市㈲萩原フルーツ農園で、生物活性水プラントが稼働開始 »

2012年05月01日

【AQUA242号】米沢郷牧場にてプラントの点検・管理方法の学習会

 三月一七日に山形県東置賜郡高畠町にある米沢郷牧場にて、プラントの管理方法や点検方法についての学習会が行われました。米沢郷牧場代表の伊藤幸蔵氏(協会理事長)の「今まではプラント担当の職員が二人で管理をしていたため、プラント担当者は農場ごとに配置していなかった。今後は現場ごとに担当をおいて各自がプラントの管理をすることによってBMW技術を学んでいける方向に変えて行きたい。」の意向を受けて行われた学習会は、講師に匠集団そらの星加氏と協会事務局長・秋山、参加者は米沢郷牧場の各農場のプラント担当者、ファーマーズクラブ赤とんぼの職員あわせて約一五名でした。
 学習会の内容は「プラントの仕組み・管理方法」についてです。学習会では米沢郷牧場のプラントの現状報告と課題点、改善点などをふまえて説明することにしたため、米沢郷牧場の四つの農場(養鶏:ブロイラー)に設置されている六つのプラントの稼働状況を確認した翌日の朝から昼まで行われました。(米沢郷牧場グループには飲水改善プラントが五か所、生物活性水プラントが三か所ありますが、このうちリムジン牧場の飲水改善と生物活性水ラントは学習会当日に現場で点検作業を行う時に行くことになりました。)
 はじめに伊藤代表から「米沢郷グループではBMW技術の取り組みを始めて約二〇年。最近は新しく入った若い職員も増え、あらためてみんなでBMW技術を基礎から学んでいけるような形をつけるためにも、各農場に担当者を設けることにしました。一日でBMW技術のすべてが学べるわけではないですが、今後のためにも今日は、まずプラントの管理方法と点検方法を学びたいと思いますので宜しくお願いします。」と挨拶があり、続けてBMW技術の基礎の部分の話をされました。
 次に星加氏からはBMW技術のプラントの種類(仕組み)、管理方法に関する説明がありました。「プラントには飲水改善、生物活性水、簡易尿処理、排水処理(食品加工場、家庭用雑排水)、中水利用、のプラントがあります。検査のための簡易なパックテストもあります。できれば定期的に亜硝酸態窒素や大腸菌等の検査をして下さい。また、飲水改善で言えば水の汚れや浮遊物がないかも確認してください。生物活性水ですが、一槽目の堆肥の投入頻度は、EC(電気伝導度)の数値が〇・八μS/cm以上になるように。尿処理水を使ったり、家庭用雑廃水だったり、もちろん堆肥もそうですが原料によって数値が異なるので最低でも〇・八は保って下さい。この数値は微生物の量やエサの量を示す値となりますので、これを基準に堆肥の投入をするようにしてもらってもいいと思います。一回に投入する堆肥の目安量は水一tに対して五kgです。リアクター塔の充填材は半年に一回の交換が必要です、軽石と充填材(ペレット)を投入するのですが、これはこの後から現場に行くのでその時に説明します。」
 最後に秋山から米沢郷牧場のプラントの状況に関して「プラント自体は一部を除いてはしっかり動いています。一部ブロアが故障していて曝気(エアレーション)が弱くなっている部分がありました。生物活性水に関してもECが低く、今日星加さんから説明のあった基本的な部分を点検表など作成して定期的に点検できるような仕組みを農場ごとに作り、計測は毎日ではなくてもいいかもしれませんが、エアの状況や水質の目視検査などは毎日行った方がいいかと思います。」と話しました。
 会議室での学習会が終わり、リムジン牧場へと移動しました。ここには生物活性水施設と飲水改善施設がありますが、実際にプラントを前にして充填材(ペレット)の交換、エアレーションの調整、ブロアの点検方法などの説明が星加氏より行われました。「ペレットの交換方法ですが、まず古い中身を出して下さい。リアクター塔を洗った後に軽石とペレットを交互にサンドするような形で投入してください」。担当者のひとりが実際に軽石と充填材をリアクター塔に入れていきます。さらに星加氏から「中身はリアクター塔の蓋の部分までいっぱいにはしないで(軽石の量を調整しながら)八分目ぐらいにしてください。リアクター塔には直接エアーレーションされるので、中味が動く余裕(エアーや水が全体に行きとどくよう)を残しておきます」。この後もエアレーションの調整方法やブロア―の消耗部品、その交換方法などについての説明が続きました。参加した担当職員はひとつひとつをメモに取りながら熱心に聞いていました。二月号と三月号での九州の点検報告でも書かせてもらいましたが、BMWプラントの日々の管理や点検方法に関して、プラントを所持されている方(団体で所持されてるところは担当者)と確認することが必要だと感じ、その確認作業を事務局では始めています。
(報告:BMW技術協会事務局 秋山 澄兄)

Author 事務局 : 2012年05月01日 22:26

 
Copyright 2005 Takumi Shudan SOLA Co.,Ltd All Rights Reserved.