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2012年06月01日

【AQUA243号】東北プラント点検、訪問報告

飲水改善プラント、生物活性水プラントの状況確認

 今年の冬は長くて寒い日が続きました。東北地方はまれにみる豪雪で、その被害も多く出ています。ようやく雪が融け始めましたが、桜は全く咲いていない東北地方。三カ所のプラント点検を匠集団そらの星加氏と秋山(協会事務局長)が行いました。

■秋田県鹿角郡小坂町 ポークランドグループ 四月一〇日〜一一日
 匠集団そらによる定期メンテナンス(充填剤交換含む)に同行する形で二日間にわたって訪れました。ポークランドグループは年間十数万頭の豚(SPF豚(無菌豚))を出荷している大規模の養豚場です。販売されている豚肉は、代表の豊下勝彦氏(協会常任理事)が命名した「桃豚」の愛称で知られています。グループ全体で飲水改善プラントが三カ所、生物活性水プラントが三カ所設置されています(両プラント共に新設の豚舎は除く)。生物活性水のモデルプラントを除く五つのプラントの規模はすべて一槽が五〇t以上のものと大きく、充填材の交換をはじめ、水質検査、エアー調整等の点検には時間も労力も必要となります。生物活性水の原料は自然浄化法で処理された豚尿で、日量五tの生物活性水の製造が可能で、飲水への添加、豚舎への噴霧などに使用されています。また、別の敷地にある畑での野菜や飼料米の栽培をはじめ、地域の農家などにも利用されています。各プラントに問題はなく、正常に稼働されていることが確認されました。

■山形県長井市 長井レインボープランコンポストセンター 四月一二日
 長井市は伊藤理事長も同行しました。今回の訪問は三月末頃に、「プラントの処理(精製)具合が良くないのではないかと思うので、一度見に来て欲しい」と長井市農林課振興担当の佐々木勝彦氏からの要請があり実現しました。佐々木氏は「同市ではプラント設置当時からの担当の方が退職されてしまった。その後の引継がうまくいかなかったという経緯もあり、このような状態になってもどうしていいかわからずに連絡しました。これを期に今一度、BMW技術を勉強してコンポストセンターの取り組みに活かして行きたい。」とのことでした。実際にプラントに行ってみると良い状態ではありません、ここのプラントは一槽目の前に簡易処理槽と沈殿槽があるのですが、簡易処理槽と最終槽の水質がほぼ同じ状態、EC(電気伝導度)、pH(水素イオン指数)、亜硝酸態窒素の数値もほぼ変わりがありませんでした。昨年三月の東日本大震災の影響を受け、約九カ月間に渡りプラントは停電やブロアの故障により停止状態、ブロアを新たに購入し一二月より止まった時の状態のまま再稼働させたとのことでした。生物活性水プラントは土木槽で、一槽が一〇t、日生産量は一tです。生ごみ七割、牛糞三割を原料とした堆肥の製造過程からでる浸み出し排水を生物活性水の原料にしています。匠集団そらの星加氏から「プラントが停止してから約九カ月間嫌気状態にあったので、土木槽の中の水が腐敗に向っている。でもまだ改善できないほどの状態ではないと思う。」ということで、あらためて改善策を提示することになりました。その場で出された案(意見)として、他から生物活性水(とパウダー)を大量に投入し、微生物の動きを活発化させ、水質を再生していく。更に最終槽から一槽目の戻しのラインを増設、場合によっては槽内の掃除も必要となるかもしれないなどでした。早期の復活を望んでいます。
(報告:BMW技術協会事務局 秋山澄兄)

※長井市レインボープラン:現代社会が様々な要因で失いつつある食の安全。「循環」「ともに」「土はいのちのみなもと」を理念の基として、健康な「食」と「いのち」を未来につなげようとする取り組み。家庭の台所から出される生ごみを土づくりの資源としてとらえることによって始まる「地域循環システム」を創り出し、台所が健康な農地を支え、また、農業が市民の台所と食の安全を支えるという相互扶助の関係を築いている。 

Author 事務局 : 2012年06月01日 22:46

 
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