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2012年08月01日

【AQUA245号】「くらしと放射能を考えるフォーラム」開催

千葉BM技術協会、“放射能に負けない体づくり”を具体的に学習
第16回総会及び研修会「くらしと放射能を考えるフォーラム」を開催


 千葉BM技術協会は、去る六月二三日、千葉県の船橋市勤労市民センターに於いて、第一六回定期総会及び研修会「くらしと放射能を考えるフォーラム」を開催しました。総会では、昨年度の活動及び会計・監査報告、二〇一二年度活動計画及び予算案等が提案され、いずれも承認されました。総会終了後には、研修会として、「くらしと放射能を考えるフォーラム」が生活クラブ生活協同組合(生活クラブ虹の街)、生活協同組合パルシステム千葉との共催、一般社団法人BMW技術協会の協力で開催され、会員及び関係者、生協組合員ら、一三〇人が参加しました。

新会長に木内克則氏
 総会では、千葉BM協会が昨年度からすすめてきた福島原発事故起因の放射性物質による生産、生活への影響、これらへの対処法等、共通認識を得るための学習・研修活動について、今年度、幹事会で評価し、さらに中身を詰めていくこと等の活動方針を決定しました。
 また、これまで会長を務めていただいた農事組合法人和郷園の向後武彦氏に代わり、木内克則氏が新たに会長に就任し、和郷園内に設置されていた事務局を今年度から、生活協同組合パルシステム千葉に設置すること等を決定しました。

個々の免疫力の向上が内部被曝対策
 昨年三月に発生した福島第一原発事故による放射能物質の拡散は、千葉県においても、ほぼ全域で、大気、土壌、水が汚染された事態になっており、今なお生産・生活に大きな影響を与えています。「くらしと放射能を考えるフォーラム」は、昨年七月に開催した講演会「放射能と内部被ばく、その危険性と予防法」(講師:高木学校・瀬川嘉之氏)、BMW技術協会と共同で企画・実施した昨年八月の特別講演会「内部被曝による晩発性障害とフクシマのこれから」(講師:医学博士・肥田舜太郎氏)に次ぐ、千葉BM技術協会の学習・研修活動の一環として、企画されました。
 特別講演会での、肥田先生の「原発事故で東日本の多くの人々は内部被曝してしまっており、これからは個々の免疫力を高めるよりほかない」との結論を受け、今回は、「放射能に負けない体づくり」について、具体的に提案されている内科医の土井里紗先生の講演と、肥田先生の講演DVDの上映、千葉BM技術協会会員生産者、新生酪農㈱と(農)和郷園の放射能対策、協会会員の農業生産法人白州郷牧場の発酵食品による免疫力向上の取組み事例報告等による意見交換会の三部構成で開催しました。

フォーラム「くらしと放射能を考える」
農事組合法人 和郷園 副代表理事
     向後武彦(千葉BM技術協会 前会長)
 過日の、フォーラムには多数のご参加を頂き誠に有難うございました。また、生活協同組合パルシステム千葉様、生活クラブ生活協同組合虹の街様、(社)BMW技術協会様の御協力の元、成功裏に終える事が出来ました事をこの場をお借りして、御礼申し上げます。
 講師の土井先生からは、内科医師の立場から、また女性の目線で非常に解り易く、丁寧なご講演を賜り、改めて食、生活習慣の重要性を感じました。
 白州郷牧場からは、見田様にお越しいただき、日本古来の発酵食品の文化、必要性を説いて頂き、自分の体は自分で守り、健康にしていく事を学びました。
 福島第一原子力発電所事故後、本当の解決までどれだけの年月が掛かるか解らない今、自分たちで知り、学び、生活の中に取り入れて行く事。又、過剰な「風評被害」を止める事も私たちの役割ではないかと考えます。
 末筆に、次世代へ引き継ぐため、先月千葉BM技術協会会長を、和郷園の木内克則君に引き継ぎました。今までと変わらぬご指導、ご鞭撻の程宜しくお願いいたします。


  生活クラブ虹の街 岩上章子
 第一部では、肥田先生自身の、被爆と被爆治療の体験をうかがい、被爆を悲観的に考えるより、自己管理や体調の変化に気を付け生活することを教えていただきました。
 第二部では、土井先生からバランスの良い食生活と、前向きに生きる気持ちの持ちようが大切なことを医学的・科学的見地も交えわかりやすくお話しいただきました。
 放射能による影響は未知の部分が多く、誰もが不安にならざるを得ません。しかし不幸にも遭遇してしまったリスクのひとつと考え、影響を最小限に収めるために心身を健康に保つことの大切さをお二人から教わりました。
 第三部では、新生酪農さんから放射能検査体制の整備と情報公開のご苦労を、和郷園さんからは第三者機関と連携した放射能検査プログラムについて、白州郷牧場さんからは日本古来の発酵食品・麹づくりへの取り組みについて報告がありました。
 今回の原発事故は経済発展や効率性を重視する現代人への警鐘なのでしょうか。我々自身が自然環境と循環の一部であることについて改めて深く考えさせられた一日となりました。

   パルシステム千葉 理事  中村順子
 当日はかなりの長時間だったのですが、まだまだ足りなく感じた大変充実した内容だったと思います。まず行われたのは、昨年のセミナーで講演してくださった肥田舜太郎先生のDVD上映でした。次に、神戸からお越しいただいた土井里紗先生のご講演の後、土井先生と生産者と交えた意見交換会が行われました。
 両先生ともお考えが大変似ており、例えば『放射能に負けないためには事実を知り、対応を考えて正しく悩む事が大事』 『免疫力を高める』 など、特別な事をしなくても普段のちょっとした行いで出来ることばかりでした。
 最初は困惑しましたが、それら“普通の事をすることが結局、様々なリスクを回避する”という事がわかりほっとしました。しかしながら、その一方では、自分の家族だけが安全であれば良いという考えでは良くないので、自分なら何が出来るかを常に考えながら、ここまでつながってきた命を次世代に繋いでいきたいと思いました。

Author 事務局 : 2012年08月01日 22:06

 
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