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2013年10月01日

【AQUA258号】BMW技術全国交流会に向けて、新潟県で学習会を開催

 一一月に行われる、BMW技術全国交流会に向けて、八月一八〜一九日に現地岩石調査を含む、第二回BMW技術新潟学習会と第五回実行委員会が開催されました。
 学習会と現地調査は「阿賀野川流域の岩石と水とミネラルの循環」と題して、岡山大学の奥地拓生准教授を講師としてお迎えしました。

①現地岩石調査
 八月一八日の朝九時から一七時まで、新潟県阿賀野市の笹神地域を中心に現地岩石調査が行われました。全国交流会実行委員会のメンバーを中心に奥地氏を含む一〇名が参加、笹神(五頭山)の東側、福島県との境にある飯豊山系の山間にある内之倉ダムの花崗岩をはじめ、阿賀町津川での石灰岩、緑色凝灰岩(グリーンタフ)など、阿賀野川流域における岩石と地層、ミネラルの循環の解説をいただきました。

②学習会
 一九日は九時から一二時までJAささかみの二階大会議室で学習会が開催され、JAささかみの職員や地域の生産者の方など総勢約三〇名が参加しました。
 はじめに前日の現地調査を受け、奥地准教授による講義が行われました。フォッサマグナを流れる阿野川流域は、五頭山の九千万年前に形成された花崗岩、飯豊連峰の二千万年前の花崗岩、阿賀町津川の千五百万年前の緑色凝灰岩や笹神の凝灰岩(笹神丘陵魚岩)など、同じ流域に多様な岩石が集まっている。そしてそれは多様なミネラルの宝庫となり、豊かな水となり流れ、流域を潤している。
 「土から生き物へ、生き物から土へ」というミネラルの小循環があり、「地殻から岩石、岩石から海、海からまた地殻へ」というミネラルの大循環がある。BMW技術は自然生態系のバイオリアクター・システムをコンパクトに再現し、「生態系の水」「生態系の土」を作る、これは小循環を速めることができるということでもあるが、大循環の存在があるということを忘れずに、と結ばれ終了しました。
 次に伊藤幸蔵BMW技術協会理事長から「BMW技術の基礎」の講義が行われました。ささかみでは初めての基礎講座ということもあり、プラント担当者の方などを中心に熱心に講義を聞いていました。

③第五回実行委員会
 学習会終了後に五回目となる実行委員会が開催されました。開催案内を発送するにあたり、交流会、視察や懇親会などの細部の詰めや、交通アクセスなどの確認等が行われました。開催案内はすでに会員の皆様のお手元に届いていると思いますが、九月三〇日までにお申し込みをしていただきますよう、宜しくお願いいたします。
 (報告:BMW技術協会事務局・秋山澄兄)

「今回の現地調査で観察した
  阿賀野川流域の岩石」
  岡山大学准教授 奥地拓生

・花崗岩
 阿賀野川の水をはぐくむ岩石の代表である飯豊山系の花崗岩を、内の倉川のダム沿いに露出している岩壁を訪ねて観察した。花崗岩を割って観察することにより、数種類の鉱物の存在を確かめた。

・石灰岩、砂岩、泥岩、  チャート
 昔の太平洋上で海底に堆積したこれらの岩石を、阿賀野川沿いの小川にてまとめて観察した。そしてひとまわりに数億年の時間を要する、海から陸へのミネラルの循環の様子を知った。

・グリーンタフ
 今から一五〇〇万年前の日本海の誕生と拡大のときに起こった、活発な火山活動により、日本列島各地に厚く堆積した火山灰の地層がグリーンタフである。その典型的な産地として知られる津川町を訪問して、川沿いにあって明るい緑色に変色したグリーンタフ層の観察を行った。

Author 事務局 : 2013年10月01日 12:56

 
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