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2013年11月01日

【AQUA259号】千葉BM技術協会「ポークランドグループ」視察研修

生活協同組合パルシステム千葉
組織運営本部長 中根 裕

 千葉BM技術協会の二〇一三年度研修として、九月六日(金)〜七日(土)、秋田県鹿角郡小坂町にあるポークランドグループを視察しました。参加者は、当協会会員から(農)和郷園二名、(有)千葉自然学研究所一名、生活協同組合パルシステム千葉五名、㈱パル・ミート三名、この他、㈱米沢郷牧場とBMW技術協会からも各一名が参加し、合計一三名の参加となりました。
 今回の研修は、BMW技術の基礎や具体的活用法、BMW技術を核にした地域での取り組み等の学習を視察・交流を通じて学び、千葉県における「地域の土や水の保全・再生、資源循環型の生産・生活・社会」の具体的モデルづくりにつなげていくことが目的です。ポークランドグループの取り組みは毎年BMW技術全国交流会で報告されていますが、今回は現地視察や交流によって、より理解を深めることをめざしました。
 初日は盛岡駅到着後、「JAかづの」の専用バスでポークランドに到着しました。豊下勝彦代表の直々の案内により、先ず「ポークランド」、「ファームランド」、「十和田湖高原ファーム」の三つの養豚農場をバス車内から視察しました。また、東日本大震災のときの命綱となった飼料米の粉砕所も視察し、豊下代表から当時の様子を伺いました。
 次に、少し離れた場所にある「バイオランド」を視察しました。広大な耕作放棄地の三分の二を一大養豚場に変貌させたと同時に、残り三分の一は露地野菜栽培に着手したもので、スケールの大きさを感じました。大規模なBMWプラント(飲水改善、生物活性水施設)を見学した後、地域の木質チップや籾殻・稲藁を発酵させた床材を使用し、通常豚舎の三倍以上の飼育面積を確保しているバイオベッド豚舎を見学しました。走り回る健康的な豚を目の当たりにして、ポークランドグループの目指す姿がここにあることを実感しました。
 露地野菜栽培圃場、飼料米圃場を見学後、宿泊先のホテルに到着。会議室を借りて豊下代表からポークランドグループの概要が説明されました。BMW技術との出会い、SPF(清浄)豚への取り組み、地域の雇用創出、東日本大震災の対応など、これまでの歴史と循環型有畜複合農業を通じた地域づくりについて多くを学びました。

 BMW技術飼育豚は、
 一般飼育豚と比べ、内臓が違う
 翌日は「JAかづの」の出荷センターを視察後、「ミートランド」を視察しました。「ミートランド」は豚のと畜から枝肉・ブロック加工をする施設で、処理能力は一時間に一七五頭。約八割はポークランドの豚を処理しています。施設内の説明を担当した業務部の根本愉吉部長からは「BMW技術を使った桃豚は、他の豚と比べると内臓が違う。特に腸が臭わないのが処理していると良く分かる」と、その違いを具体的に説明していました。
 今年、千葉BM技術協会の総会では、石澤直士元BM技術協会理事長による鶏の解体・比較を行いましたが、その時もBMW技術で飼育された鶏と、一般のインテグレーション化によって飼育された鶏の内臓の違いは明らかでした。ミートランドでも同様の話を伺うことができ、畜産におけるBMW技術の優位性の高さが窺えました。その後、ポークランドの豚肉のハム・ソーセージ加工施設を兼ねた直売所「まんまランド」で昼食後、帰路につきました。
 短い時間でしたが、ポークランドグループ、JAかづの、ミートランドの皆さまのご協力で、非常に充実した研修となりました。

「初めて『ポークランド』を視察して」
生活協同組合パルシステム千葉 理事 村上 佳代子

 資源循環型農業を実践しているポークランドではどの取り組みも無駄なくつながっていました。
 BMW技術による飲水改善・生物活性水の活用で、豚舎にたくさん豚がいるにもかかわらず臭いがしないことに驚きました。糞尿の処理をしているところでも、臭いはありませんでした。広々として明るく開放的な豚舎の中を思い思いに過ごす豚たちはのびのびとして健康的で幸せそうでした。バイオベッドの上で気持ちよさそうに過ごしている姿が印象的でした。
 人懐こくそばに寄ってきた豚を見て、改めて日々動物たちの命をいただいていることを実感しました。ポークランドの様な取り組みを支えるのは、私たち消費者なので多くの組合員に知ってもらい買い支えていき、この取り組みが各地に広がってほしいです。
「千葉BM技術協会
 ポークランドグループの視察を終えて」
生活協同組合パルシステム千葉 理事長 佐々木博子
 いつもポークランドのお話は聞いていましたが、実際に農場を視察したのは今回が初めてでした。常に自然循環を考えられている豊下勝彦代表の発想には驚かされてばかりです。バイオベッド豚舎では豚たちが自由に動き回ることができるうえ、生物活性水を豚舎全体に噴霧しているので臭いはほとんどなく、養豚のイメージが大きく変わりました。
 BMW技術での尿処理場内は発酵熱で湿度が高く、こちらも処理が進むにつれ臭いが軽減されていることを実感しました。本業の養豚だけではなく耕作農業も始められ、自社で製造された堆肥を圃場に投入しての野菜づくり、菜種を作付けし、油を絞った後の搾りかすは豚のエサとして利用するという循環は理想的な形ではないでしょうか。地域の中で、いかにして環境負荷を抑えながら循環させていくのか、ひとつのモデルとして今後も目が離せません。

Author 事務局 : 2013年11月01日 20:36

 
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