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2013年12月01日

【AQUA260号】徳島県石井養豚センターで生物活性水プラントの設置工事が終了

徳島県阿波市の、㈲石井養豚センターで生物活性水プラントの設置工事が終わり培養調整を始めました。

 徳島県阿波市市場町にある石井養豚センターは母豚五〇〇頭一貫経営、農場は徳島県を東西に流れる吉野川沿いの標高四五〇メートルの山腹にあり、山から下りた隣町の石井町には、石井養豚センターの豚肉のみを使用したハム、ベーコン、ソーセージなどの加工施設(㈱ウィンナークラブ)があります。石井養豚センターは生活クラブ大阪やエスコープ大阪をはじめ、関西の生活クラブ六生協の生産者であるということから今回の生物活性水プラント導入を決定し、一〇月二七日に設備工事が完了して、培養調整が始まりました。
 石井養豚センターに設置した生物活性水プラントは、一槽が千リットルのプラスティック水槽が一〇基設置されています。
 一槽目にリアクター塔を設置、各ばっ気槽には軽石と花崗岩、蛇紋岩を組み合わせて投入しています。培養調整の原料は、発酵鶏糞堆肥を利用して行いました。
 このプラントの特徴は、堆肥の浸み出し液を作る前処理タンクが設置してあります。リアクター塔が設置してある第一槽の前に三〇〇リットルのタンクを設置し、この中に土嚢袋に入れた発酵鶏糞堆肥をつり下げます。第一槽に取り付けたエアリフトポンプから前処理タンクへ常時水が循環できるように配管が取り付けてあります。
 この前処理タンクの設置で堆肥の交換がスムーズにできるようになっています。また堆肥からでる固形物は第一槽に溜まらず、前処理タンクに溜まったものは清掃しやすくなっています。

 一二月の上旬には生物活性水も出来上り、生物活性水は、飲水への添加と豚舎内の噴霧に利用される予定です。

 石井養豚センターでは、畜産先進国のヨーロッパで普及が進んでいる液状給餌(注)に着目し、液状飼料の製造施設を備えた豚舎があります。液状飼料はpH調整がしやすく豚の腸内環境の改善につながる、豚舎内に飼料の粉末が飛散することがないので無駄がなく衛生面も改善される、などのメリットがあるとのこと。
 また、飼料の国内自給を高めるため、徳島県内産の「飼料用米」を乾質飼料の一〇%に配合、そして食品工場副産物=バイプロダクトの取り組みもおこなわれています。
 この取り組みは非遺伝子組み換え主原料のバイプロダクト(バイプロ)は原料として、パンくず、うどんや豆腐など、製造工程で余ったり、形が崩れて出荷できなくなったものを、工場から直接仕入れて液状飼料にしています。バイプロ飼料は原料をいかに確保するかなどの課題はありますが、飼料の国内自給率向上と地域内資源循環型養豚を目標にしています。     (報告:匠集団そら 星加浩二)

注:液状給餌とは、乾質の配合飼料を水で溶き、さらに乳酸などを加えてpH調整したものを与える給餌方法。

Author 事務局 : 2013年12月01日 14:08

 
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