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2014年03月01日

【AQUA263号】新潟にて新たな展開

 「食と農の絆〜見つめよう、人・地域・暮らし・生き物のつながりを、未来は今、はじまっている」をテーマに昨年一一月七日〜八日(一部視察は九日まで)に開催された第二三回BMW技術全国交流会は、総勢ニ三一名の参加がありました。各視察コースも三〇名以上の参加があり、参加者はそれぞれに新潟を満喫したのと同時に、TPPや米の政策など、日本の農業が抱える問題が新潟の地域やその現場に圧しかかろうとしている、あるいは圧しかかっている現状を知ることができたのではないでしょうか。
 全国交流会の実行委員会は謙信の郷、JAささかみ、食農ネットささかみ、新潟県総合生協を中心に構成され、昨年のニ月から一一月までの約一〇カ月の間、全国交流会開催に向けてテーマの選定、内容について議論を重ね、BMW技術の自然循環システムを学ぶ学習会もおこなうことでお互いの交流を深めてきました。その間、個々に抱える技術的問題や社会的問題などの情報交換等をし、共通の問題が明確にもなってきました。そう考えると、充実した内容をもって全国交流会は無事に終えることができたのですが、これで終わりではなく、これをはじまりとして何かやれないかと各々が思うようになってきました。
 今回の経験と時間を期に、新潟県に点として存在していたBMを面へ展開していくこと、共に考え、共に学ぶ、継続したつながりを形にして新潟BMW技術協会(仮称)を設立しようという提案が実行委員会で出され、最後の実行委員会としておこなわれた一二月八日には設立に向けて、新たな展開を進めていくことが確認されました。
 今年の一月ニ三日に新潟市内で設立に向け皆で集まり、組織の概要や趣旨などについて話し合いました。同じメンバーで約一年の間議論をしてきたこともあり、そうなってくると話は早いものです。さらに呼び掛ける仲間を増やし、三月一三日に設立準備会を開催、四月には設立総会を開催する予定です。

新潟BMW技術協会設立に向けてのメモ
 危機感を持つこと。我々が目指す、有機的な考え、BMW技術の持つ理論、農の思想と相反するTPPは近々に日本に導入される。危機を打ち破ることは、生命の基本に帰ることである。自然破壊、人間破壊の時代に求められているBMW技術は、自然の根幹である生命、水、ミネラルの関係性を軸として組み立てられている。それは畜産技術や有機農業技術だけに留まらず、都市の食のあり方や、身体をつかさどる、栄養やミネラルバランスと水の問題にまで、その原理を展開し実践していくことが可能である。そしてそれは資源循環と生命系の持続可能な世界へ、ビジョンを広げることが求められている。

◆三つのポイント
一、農の理念を確立する
 経済至上主義は金がすべてであり、本物の価値や真実、自然の営みを足蹴にしてきた。金がただの紙切れであるなら、農業生産物、地域や人のつながり、文化という何にも変えられない価値が一番になってくる。市場経済の連鎖からどう脱却していくか、そこにどう価値を置いていけばいいのかという明確な答えを私たちは持つべきだ。農には市場経済でない、お金でない豊かさが詰まっている。BMW技術の下に結集する人々がどっしりと腰を据えて、人や動植物の生命の大循環の中で、人と人のつながりという小循環を作りあげながら、里山再生や生物多様性、エネルギーの自給、未利用資源の活用、そして伝統芸能など地域に根付いたビジョンを描くことが大切ではないか。五年、一〇年後のビジョン(使命と長期目標)を考え、理念と目的を確立していく。
二、栽培技術の共有と研究
 米、野菜、果樹の有機栽培技術の向上、畜産を含めて考え(有畜複合)、研究実践し、メンバーで共有していく。
三、情報発信
 一〜二の情報発信。購入者に正しい情報を発信して行き、適正な価格で購入してもらう。その他、技術交流、価値をどう高めていくかを常に考えながら情報を発信する。
(報告:第二三回BMW技術全国交流会実行委員会〜新潟BMW技術協会設立準備会(仮称)事務局)

Author 事務局 : 2014年03月01日 12:27

 
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