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2014年03月01日

【AQUA263号】BMプラント動向&巡回報告

 石井養豚センター 〜培養調整完了
 一二月五日に徳島県阿波市にある石井養豚センターの生物活性水プラントの培養調整へ。プラント設置工事はAQUA二六〇号でもお伝えした通り一〇月末に完了しており、生物活性水の完成を確認するための最後の培養調整でした。プラントは一t槽×一〇槽(五槽目から〜一〇槽目までは貯留槽)になっており、このうち六槽目まで満水となっていました。簡易測定を行い、EC値〇・九二 pH値七・四 亜硝酸未検出でした。公的機関へ水質検査を依頼するための採水をおこない、一二月一七日に、大腸菌 検出せず、亜硝酸態窒素 検出せずの結果が出たので、これで石井養豚センターの生物活性水の品質が確認できました。

南阿蘇村でBMW技術基礎講座
 一二月一八日の午後から熊本県南阿蘇村の朝陽庁舎二階会議室にて、南阿蘇村環境保全農業勉強会が開催され、その中でBMW技術の基礎と生物活性水の利用方法についての講座がおこなわれました。この勉強会を主催する南阿蘇村環境保全農業推進協議会は、南阿蘇村農政課と一緒に有機農業をはじめとする環境保全型農業を推進する活動をおこなっています。今回は村内農家向けに南阿蘇村が運営している、「有機肥料生産センター」の堆肥の普及と生物活性水の利用を増やすことを目的として開催されました。参加者は米、野菜の生産者、最近になって新規就農し移住してきたという若者も含め約三〇名で、ほとんどの人がBMW技術の基礎についての話を聞くのが初めての方達でした。西日本BMW技術協会事務局からも参加がありました。
 勉強会は最初に東海大学の片野教授が、南阿蘇村の米の生産者と取り組んできた有機・無農薬栽培の二〇一三年の結果報告と総括をし、「BMW技術を知ったのは、第一一回の阿蘇での全国交流会だと思います。考え方から技術そのものまで、有機農業に適した最もすぐれた技術だと思う。南阿蘇村はそんな宝を持っているのだから、もっと活用できるようになるといいですね。」と最後に話して締めました。
 次に「BMW技術の基礎と生物活性水の利用方法について」としてBMW技術協会の秋山が話をさせてもらい、質問を挟みながら終始和やかな雰囲気で進んでいきました。資料にあった水の循環図(雨が森に降り、海へ流れる)を見ながら、南阿蘇村のいたるところにある湧水が海までに流れる水系を映しだして考えるなど、南阿蘇村のBMW技術を理解してもらうには絶好のロケーションでした。最後に協議会の吉良会長が「これから、もっとBMW技術の理解を深め、牛若丸(南阿蘇村の堆肥)と生物活性水の利用を推進していきましょう。」と締め、勉強会は終わりました。終わった後も新規就農した若い生産者を中心にBMW技術や土作りにと、話は尽きませんでした。とても有意義な勉強会であったのではないかと思います。

増冨の湯と桑原邸
 新年を迎えてから一月一一日に山梨県北杜市の増冨の湯と桑原邸のプラント点検を行いました。増冨の湯の生物活性水プラントは、一tのローリータンク×五槽、ラジウム温泉の源泉と堆肥を原料に作っています。生物活性水のEC値九.八六、pH八.八と、源泉を利用しているだけあってEC値がかなり高いものとなっていました。増冨の湯は日本の百名山のひとつ瑞牆山の麓、標高約千mに位置し、プラントは小屋の中にありますがタンクの水面は厚い氷が張り出していました。導通配管も凍結しているのか、タンク間の流れが悪くなっており、水中ポンプで移動しています。そんな厳寒の中でしたが生物活性水の状態は良好でした。
 桑原邸は北杜市長坂町にあり、生物活性水は五tのホーロータンク×三槽で、「田中さん方式」と呼ぶ、家庭から出る生活雑排水を原料に生物活性水を作っています。桑原さんはご夫婦で約十年前に東京から移住してきました。書籍「夫婦二人の農場を始めよう」(小野雅弘著)を読み、BMW技術の導入を決めたとのことです。この本は田中さん夫妻が退職後茨城県鉾田市に移住し自給的な農的暮らしを始め、トイレ、風呂などの生活雑排水を原料とした生物活性水プラントを全国に先駆けて導入し、できた生物活性水を使って野菜を作り、鶏を飼い、もち米作りなどをしている暮らしを紹介している本です。プラントは問題なく正常に稼働していて、生物活性水の状態も良好でした。

米沢郷牧場でバイオガス発電実験の取り組みがはじまります
 一月二八日に山形県高畠町の米沢郷牧場にて、米沢郷牧場が進めるバイオマス実験に関する話し合いが行われました。昨年の一一月一二日に第一回目の話し合いが始まっており、この取り組みは山梨大学の御園生教授と、北海道士幌町や帯広畜産大学でバイオガスプラント(現在は停止中)の運転管理を行っている、㈲十勝アグリワークスの青木代表の協力を得て、BMW技術協会も加わりプロジェクトを進めていくことになっています。今回の話し合いでは、バイオガスのメタン発酵槽の規格や仕様、予想発電量、必要機材にいたるまで、具体的にどのようなバイオガスプラントができるか、どのようにして実験を進めて行くかが見えてきました。発酵槽の規模は約一〇立方メートル、目標発電量は一〇〜一五kw/hです。プラント自体は既存施設や使わなくなった中古機械を再利用するなどして、できるだけ費用をかけずに作っていく予定です。
(報告:BMW技術協会 秋山澄兄)


高知県立高知農業高校 生物活性水施設
 一二月九日、高知県南国市にある県立高知農業高校で、生物活性水施設の定期点検を実施しました。プラントは、二トンのFRPタンクを四槽並べてあります。定期点検の内容は、第一槽に設置しているリアクターシステムの充填材の交換と各槽の水質測定と状態の確認です。プラントの状態は、亜硝酸態窒素は四槽とも検出しませんでしたが、電気伝導度の測定値が低くなっていたので堆肥の交換間隔を短くしてもらうようにしました。
 出来上がった生物活性水は畜舎の横にある堆肥製造一次発酵施設で利用しています。牛糞が主体の堆肥は、一次攪拌発酵槽での仕上がりも良く、悪臭もありませんでした。

グリーンコープ連合 中水利用施設
 一月二三日、福岡県若宮市若宮物流センターと筑紫野市福岡青果センターに設置している中水利用施設の定期点検を実施しました。点検には西日本BMW技術協会事務局も同行しました。中水の状態は、透明感もあり良好でした。
(報告:㈱匠集団そら 星加浩二)

Author 事務局 : 2014年03月01日 12:28

 
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