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2014年06月01日

【AQUA266号】新潟BM自然塾が設立

〜新潟県に点として存在していたBMW技術が面への展開へ〜

 四月三日、新潟市内にあるガレッソホール花園にて、新潟BM自然塾の設立総会が開催され、新潟BM自然塾の構成団体である、謙信の郷、JAささかみ、新潟県総合生協を中心に約四〇名が参加しました。
 総会に先立ち、設立発起人代表の峯村正文氏(謙信の郷・BMW技術協会全国理事)が「厳しい状況だからこそ、生まれてくるアイディアがあるはず。それを活かして行くことで農家として生き残れる可能性に懸けることができるのではないか。消費者の皆さんと共に考え、行動し、楽しくて豊かな新潟の農業を築きあげていきたいと思います。」と挨拶。次に新潟県総合生活協同組合・理事長の田才栄敏氏から「来賓とありますが、私たちは今日から共に手を取り合って進んで行く仲間であります。本当の価値とは何かを私たちは気づいている、それがこの会の設立の意義であり、これからの活動に多くを期待したい。」と力強い挨拶がありました。
 総会議事は第一号議案:設立と会則について、第二号議案:役員選出(代表・事務局長選出)、第三号議案:活動方針・活動計画の概要について、第四号議案:予算案について、と続き、すべて承認されました。代表には共同代表ということで、謙信の郷の峯村正文氏(BMW技術協会全国理事)、NPO法人食農ネットささかみ理事長の石塚美津夫氏、事務局長にはJAささかみ専務理事の江口聡氏が選任されました。
 総会終了後は記念講演が行われ、BMW技術協会の伊藤幸蔵理事長が「BMW技術の基礎と協会活動の概要」と題して講演をおこないました。
 また、最後にパルシステム生活協同組合連合会・理事長の山本伸司氏(BMW技術協会相談役)が総会総括をおこない、無事に設立総会は閉会しました。
   (報告:新潟BM自然塾事務局)

新潟BM自然塾設立趣意
 BMW技術が新潟県に導入されて二〇年程が経過しました。食品加工工場の排水処理に始まり、阿賀野市のJAささかみと旧安田町のグリーンアクアセンターの堆肥製造施設に生物活性水プラントが設置され、県南に位置する上越市の謙信の郷グループの井澤牧場にも生物活性水プラントが設置されました。両者ともに畜産の環境対策と堆肥作りを含めた農業技術への応用が発端です。
 新潟県の県北と県南に点として存在する「BMW技術」が農業技術の興隆再生と地域農業の発展に繫がる事を願い、二〇一三年一一月に新潟県新発田市にて『第二三回BMW技術全国交流会〜食と農の絆』が開催されました。実行委員会はJAささかみと食農ネットささかみ、謙信の郷、新潟県総合生協を中心に形成され、約一〇カ月間、開催に向け食と農の根本的な在り方など、様々な議論を重ねると同時にBMW技術や地球そのものの自然循環システムを学ぶ学習会などをおこないました。   更に、交流を深めることにより、お互いの生産技術や問題点などについて意見や情報を交換するまでに至り全国交流会は無事に終了しましたが、その後もその熱意は冷めやまず、今回の経験と共有した時間を基に、点から面へ展開することになりました。農の理念を共有し、有機栽培技術の向上、諸問題解決、商品開発や販売促進などに関する情報交換や研究活動をおこない、ネットワーク作り、目的に沿った情報を発信していく組織として、一般社団法人BMW技術協会の地方協会の機能を持った組織として『新潟BM自然塾』を設立します。
活動内容
①生産、生活、公共の場において、栽培技術の研究と実践
②地域での有機栽培技術、BMW技術の実践に関する情報交換と技術の共有
③学習会の開催
④生産物の企画・開発、販売と広報活動
⑤人材の育成・教育・研修及び知識の提供
⑥地産地消の推進

「新潟BM自然塾の設立に向けて」
  新潟BM自然塾
  共同代表 峯村 正文(謙信の郷)

 四月三日、長く熱い論議の末「新潟BM自然塾」が設立されました。
 BMW技術は生命活動の基礎、バクテリア、水、ミネラルを体系化して再現する技術です。特に、生き物にとっての良い水を再現し、そのためのミネラル、岩石(土)が重要と考えます。その意味ではフォッサマグナの南の端の「謙信の郷」と阿賀野川水系に位置づけられる北の端「ささかみ」が「環境保全と食と農の絆」を掲げて更なる進化を目指す「新潟BM自然塾」の設立は大変意義深いものです。
 新潟県の「阿賀衆」は農民運動の歴史でもその名を残しますし、一方上越は「和田争議」など昔から農民運動が盛んな地域でありました。謙信の郷の上越地区は高齢化しているとは言え「農民組合」が多く残っているのです。新潟BM自然塾は、新しい時代に相応しい、今の時代に必要な「農の研究」「農の運動」が深化発展することを期待します。
この時代に「土つくり」「堆肥つくり」「里山」「地域」をキーワードにして烈風と逆風が吹く世相に立ち向かうのですから私達は初めから「ドン・キホーテ」なのかも知れません。
石塚流の「そりゃあんた遊び心よ!」という風に受け流せば結構長続きすると思います。
 さて最近の科学技術の進歩は有機農業の世界を解明しつつあります、農産品の抗酸化力の分析も図られる時代になりました。イチゴの美味しさの解明はその一例ですが、共生微生物相が農産物の風味・品質に重要な「美味しさ」の科学的解明が可能になりつつあることです。そして、その為の基本は堆肥であり「土つくり」であるというこの「根本」に戻ります。私達は「里山」の発想のように地域の資源をベースにして、作物に有用な堆肥の研究が出来ると思います。落ち葉や藁、豆腐粕、あるいは醤油粕などを組み合わせた堆肥、アミノ酸肥料を作りだす楽しみをお互いが共有できればと思います。
 そんな農を科学する頑固な探究心と遊び心満載な自然塾の発展を願っての設立です。農と言う漢字は不思議な文字です。サンズイを書くと濃くなります。ニクヅキを付けるとこれは膿です。つまりネバネバするのです。農は土を細かく砕いてネバネバするまでこねる動詞です。その状態の土に種子を入れ、苗を押し入れ手入れすると植物が育ち命の糧が実ります。この発見に私達の祖先は喜んだでしょう。この事は「BMW技術」を学ぶ者の基本認識でもあります。産声の悦びと深化する苦しみが同居している組織を目指したいと思います。     (田植え前の繁忙期に記す。)

Author 事務局 : 2014年06月01日 18:28

 
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