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2014年08月01日

【AQUA268号】第24回BMW技術全国交流会テーマ決定!

「アジアから共に未来へ」
〜地域に根差し、技術と文化を守り育てる〜
「アジアBM連帯」会長(BMW技術協会常任理事)生田 喜和

 今年は第二四回となるBMW技術全国交流会、そして、これまで四年に一度の開催をしてきた、アジアBMW技術交流会が第四回目として同時開催されます。テーマは「アジアから共に未来へ」〜地域に根差し、技術と文化を守り育てる〜と決まりました。
 BMW技術全国交流会は、日本全国のBMW技術協会会員や関係者が一同に会し、BMW技術の取り組み事例や研究成果の発表を行うとともに、会員・関係者相互の交流を深める目的と、開催地の今後の発展と健闘を願う意味で毎年、日本全国各地で開催をしてきました。
 一方でアジアBMW技術交流会は二〇〇二年に韓国・京畿道(キョンギドウ)・楊平(ヤンピョン)郡で第一回目が開催され、当時は韓国、フィリピン、タイ、ベトナム、そして日本からの参加者による事例報告、研究成果発表などが行われました。第二回は二〇〇六年に日本の石川県で第一六回BMW技術全国交流会と同時開催されました。第三回は二〇一〇年に第一回目と同じ韓国の楊平郡で開催されました。この第三回の開催をきっかけに「アジアBM連帯」という言葉が生まれ、アジアでのBMW技術の連帯をさらに強くしていこうと、そう呼びかけたのが、韓国でのBMW技術普及にご尽力いただいた、初代アジアBM連帯会長の閔丙采(ミン・ビョンチェ)元楊平郡守でした。
 日本で生まれた技術が、日本だけではなく、アジアで共有され、共に学ぶことを続けてきた努力の成果が、このアジアBM連帯ではないでしょうか。第一回アジアBMW技術交流会が開催された当時は、韓国全土のBMWプラントは一四カ所、「ソラ・インターナショナル・コリア」が設立されたばかりでした。現在では、「韓国BM水」と社名を変更し、韓国BM協会も設立され、普及体制も強化されています。プラントは当時の約一〇倍にも増えています。フィリピンでは、フィリピンBMW技術協会設立に向けての準備が進んでいます。タイ、中国、インドネシアへも普及の輪が広がりました。
 さて、一九九〇年代初頭のソ連・東欧諸国の社会主義体制の崩壊以降、資本主義の勝利が喧伝されました。新自由主義の台頭、アングロサクソン流経済優先のグローバル化がアジアを含めて世界を席巻しています。それぞれの固有の文化や社会の仕組みが規制緩和、優勝劣敗の競争原理等の導入で破壊されようとしています。大量生産・大量消費の産業構造がもたらした競争原理は、食品添加物・農薬・化学肥料の多用を促し、多くの健康被害や環境破壊をもたらしました。更に遺伝子組み換え作物までが世界市場を席巻しようとしています。
 私たちのBMW技術運動は、自然との共生を掲げてきました。私たちは自然の中に人が生かされていることを強く認識し、あらゆる動植物、その遺体や糞尿と、それを分解するバクテリア、水や空気を含めた自然環境の保全をしなければなりません。
 いまの資本主義社会の市場経済では、企業と言うのは営利を目的としているわけですから、コスト計算の中に「自然の再生産費」が含まれていないのです。たくさん儲けようとしたらコストをかけたくないのです。日本では民主党政権の中後期から、現在の自民党政権もそれを引継ぎ、再び規制緩和路線へと転換し始めました。今、必要なのは規制緩和ではなく、経済活動に対して自然環境保全の観点で、「自然の再生産費」を生産原価に入れる等の規制強化が必要な時代だと思います。しかし、アジアでは韓米のFTAをはじめ、TPP問題に直面しています。市場原理を最優先とした仕組みです。その上、それぞれの国の文化を平準化させるものでもあります。
 今回、私たちは、アジアBMW技術交流会を日本で開催し、たくさんのアジアの仲間が集います。一方で、韓国  日本  中国の国民感情の悪化を叫ぶ声が広がっています。愛国心をかきたて、他国を悪者に仕立てあげる政治的利用、煽りは、グローバル企業や偽政者達の常套手段です。
 このような状況だからこそ、国境を越えアジアに広がってきたBMW技術と、そしてその仲間が中心となって、もうひとつの民衆レベルの繋がりを持てることにとても大きな意義を感じています。これこそ、真のグローバリゼーションではないでしょうか。繰り返しになりますが、今年のBMW技術全国交流会、そしてアジアBMW技術交流会のテーマは「アジアから共に未来へ」〜地域に根差し、技術と文化を守り育てる〜です。今回の交流会が、農業、自然環境、地域と暮らしのこと、それぞれの国で抱えている問題の解決と、民衆の豊かな未来の創造に向けて、力強く踏み出す第一歩だと確信しています。

Author 事務局 : 2014年08月01日 08:59

 
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