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2014年10月01日

【AQUA270号】BMアジアから〜タイ訪問

 八月二二日〜二五日、タイを訪問しました。主な目的は、今年のアジアBMW技術交流会の招致ですが、協会会員のPTJ(パシフィック・トレード・ジャパン)、現地法人PPFC(パン・パシフィック・フーズ・コーポレーション)、そしてバンラート農協と、タイでの今後のBMW技術の展開について考えるということで、何軒かの農家を訪問し、生物活性水プラントの稼働状況確認や、バナナなど圃場を見せてもらいました。
 バンラート農協の生物活性水(実験)プラントは、二〇〇一年に設置されました。生物活性水を利用して、BM堆肥を製造し、バナナ栽培に活用、また養鶏や米栽培にも活用されるなど、BMW技術は広い範囲で浸透しはじめていきました。現在は、EM菌の台頭、目に見える成果がすぐにはでないことなど、様々な理由がありますが、BMW技術の普及について壁を乗り越えられずにいるのが現状です。今後はそれを打開するために現地の関係者の皆さんと考えていきたいと思います。

BM plant is not dead!
 それでも農協の職員でもある、農家のプラユーンさんの農場を訪問しました。ここでは農協所有の生物活性水プラントが稼働しています。原料は農協で製造された牛糞堆肥です。生物活性水と呼ぶには、もうひといきの出来ばえでしたが、すぐに改善できるものでした。プラユーンさんはブラマンという品種の肥育牛を九頭飼育しています。

プラユーンさんに聞きました。
―生物活性水はどのようにして使っていますか?
 「今は、牛の飲水に一〇倍希釈ぐらいで添加と、発酵飼料の製造に糖蜜などを使って作りますが、そこに混ぜています。」
―畜舎は臭いもほとんどなく、ハエがいませんが他の農家と比べてどうですか。
 「他の農家はよくわからないけど、うちでは臭わないし、ハエもほとんどいないね。生育も他とは比較していないけど、全体的にうちはまぁまぁの方だと思う。」
―牛について教えてください。
 「ブラマンという品種です。市場で一歳ぐらいの子牛を買ってきます。値段はその時々で交渉ですが、だいたい四三〇〇バーツ(約一四、〇〇〇円)。そして四ヶ月〜五ヶ月間、うちで肥育をかけてから出荷します。出荷先はベトナムで、毎回ベトナム人のバイヤーが直接買いに来ます。価格は目方で決まり、五〇〇キロならキロ当たり一〇五バーツ(約三四〇円)、六〇〇キロならキロ当たり一〇八バーツ(約三五〇円)と変動します。一頭あたり五万円〜六万円ぐらいになります。」
―発酵飼料の原料は?
 「とうもろこし、キャッサバ、大豆かす、パームカス、ココナッツのカス、米糠、パインの皮です。糖蜜と生物活性水を混ぜて発酵させて作っています。あとは干し草です。」
―干し草と発酵飼料、給餌の割合は?
 「きちんとは決まっていません。状態を見ながらあげています。あまり干し草を食べ過ぎると発酵飼料を食べない。発酵飼料を食べないと体重が乗らずにあまり儲からない。発酵飼料をあげすぎると餌代が高くつく。」
―微妙なバランスですね。ありがとうございました。

 その他にも、ヨーヨーさん、マーノップさんの農場も訪問し、バナナや花、茸の圃場やハウスを見学しました。今一度、BMW技術の基礎から一緒に学習し、利用方法を共有できれば可能性は広がるのではないかと思いました。バンラート農協のシリチャイ参事にお会いしたところ、BMW技術については堆肥作りなどが滞ってしまうなどしていますが、また続けていきたいので協力をお願いしますとお話しをいただきました。
(報告:一般社団法人BMW技術協会 秋山澄兄)

Author 事務局 : 2014年10月01日 11:41

 
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