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2015年05月01日

【AQUA277号】第10回BMW技術基礎セミナー開催

三月一一〜一二日に第一〇回BMW技術基礎セミナーが開催され、若手の生産者を中心に約五〇名が参加しました。参加団体は、ファーマーズクラブ雪月花、ポークランドグループ、米沢郷牧場グループ、やまなし自然塾、茨城BM自然塾、(株)ミクロコスモス茨城、大川村ふるさとむら公社、山梨大学、白州郷牧場、(農)和郷園、謙信の郷、夢産地とさやま開発公社、西日本BMW技術協会、(株)華和、などでした。
 
 一日目は、九段下「TKPスター会議室」にて「感染症と免疫のしくみの基礎」と題した講演と、生活の中でのBMW技術の基礎講座、発表「生物活性水を科学する」がおこなわれました。
 まず、新潟BM自然塾、謙信の郷の金谷武志氏から開会挨拶があり、続いて、薬学博士、作家の生田哲氏による講演「感染症と免疫のしくみ」が始まりました。
 鳥インフルエンザ、口蹄疫、エボラ出血熱、PED(豚流行性下痢)について、それぞれの特徴、現状の説明があり、インフルエンザを過度に恐れる必要はないこと、まだまだ謎の多いウイルスについて、その感染のしくみ、ウイルスにはワクチンは効果のないことなどを話されました。また、人間による環境破壊によって、ウイルスの世界も大きく乱れ、感染症を爆発させていること、自然の生態系の中での共生によって、人間の免疫力は育まれてきた歴史があり、免疫力を高めるには自然の循環系を回復しなければいけない、と結ばれました。これはBMW技術の理念、ビジョンと全く一致するものです。
 次に「生活の中でのBMW技術の基礎講座」として、BMW技術協会の秋山事務局長が話しました。BMW技術の基本的な考え方から生物活性水、生物活性水プラント、バイオリアクターなどの働き、機能について。生態系の循環モデルを模したBMW技術の循環システム。BMW技術の利用例として農業、食品工場、排水処理施設、中水利用やバイオマス利用への取り組み。BMW技術の未来ビジョン等について、解説がありました。
 続いて、基礎講座「生物活性水を科学する」として山梨大学生命環境学部教授 御園生拓氏から、まず、科学の再現性(同じ要素や要因を条件として整えた時に、再びまったく同じ事象が起こる性質)や反証可能性(「絶対」といいきってしまったら科学でなく宗教になってしまう)など、科学的方法について簡単な講義がありました。続いて(アジアBMW技術交流会での講演からもつながる)生物活性水の成分について、分析データに基づく結果の発表がありました。終わりにコンパニオンプランツとしてハーブとともに植栽した果樹と生物活性水の実験についてや、バイオマス利用の自家発電機開発の進捗状況などの発表もありました。
 最後に伊藤理事長から一日目の総括があり、会場を移しての懇親会となりました。
 二日目は、「東京しごとセンター」セミナー室にて、米沢郷牧場の森谷安兵衛氏の生物活性水を使った果樹栽培実験結果発表からはじまりました。デラウェアのジベレリン処理を二回行っていた(一回目は種なしにするため、二回目は肥大化のため)のを、一回にし、替わりに生物活性水を使用したところ、生育状態は二回処理のときと遜色なかったとのことでした。
 続いて、山梨大学生命環境学部環境科学科の五味直哉氏から、「実験のやり方、データの扱い方について」と題して、講演がありました。課題を決め実験系を決め、その結果から何を導くのか。取るべきデータの選定、そのデータの視覚化と分析の方法、得られたデータの有意差決定、結果をもとに次の実験をどうするのか、といった科学的手法の流れを話していただきました。
 その後、野菜、米、果樹、畜産、生活の部門にわかれての分科会が行われました。グループディスカッションが行われ、今年の実験テーマと内容が話し合われました。
 今年行われるこれらの実験は、今後のBMW技術基礎セミナーや一一月一三日からの第二五回BMW技術全国交流会で結果発表される予定です。今回のBMW技術基礎セミナーでの御園生拓氏、五味直哉氏の講演をふまえ、今年の生物活性水実験発表では精度の高い科学的実験データの提示ができるのではないでしょうか。
 最後に、やまなし自然塾の向山洋平氏から閉会の挨拶があり、第一〇回BMW技術基礎セミナーは終了しました。
   (報告:BMW技術協会事務局 井上 忠彦)

講演者:生田 哲(いくた さとし)氏について
 一九五五年、北海道に生まれる。薬学博士。がん、糖尿病、遺伝子研究で有名なシティ・オブ・ホープ研究所、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)などの博士研究員を経て、イリノイ工科大学助教授(化学科)に。遺伝子の構造やドラッグデザインをテーマに研究生活を送る。帰国後は、生化学、医学、薬学などライフサイエンスを中心とする執筆活動を行う。著書に、『脳は食事でよみがえる』『よみがえる脳』『脳と心を支配する物質』など。


「第10回BMW技術基礎セミナー」に参加して
      やまなし自然塾   高野 弘法

 今回初めてBMW技術基礎セミナーに参加しました。私の農園では何年か前から生物活性水を使用していますが、今までセミナーには父が参加していたのでBMW技術の事について全く知識がありませんでした。そこで、今回初めて基礎セミナーに参加し、BMW技術がどの様なものなのかを学びたいと思い参加させていただきました。
 今回で一〇回目となる基礎セミナーではBMW技術の基礎を教えて頂けるだけではなく、まず一日目には生田先生の基調講演・御園生先生の講義で様々な事を教えて頂きました。
 薬学博士・作家である生田先生は『感染症と免疫のしくみ』についてのお話や、ウイルスの発生の仕組みや感染経路など専門的な事柄や、ウイルス感染後の人間の自己免疫機能の仕組みについても教えて下さいました。最後の結びとして「人間の免疫力を高める事は自然と共生する事。自然循環の仕組みを取り入れたBMW技術、そしてその技術を使い、よりよい農産物を作っているあなたたちは素晴らしい」と言って頂いた先生の言葉でこれからBMW技術を使った果物作りに誇りを持つ事が出来そうです。
 次に御園生先生の講義では『生物活性水を科学する』と言う事で、生物活性水のどの成分が植物の成長促進に効果があるかを科学的に解明する研究の経過報告を踏まえた内容のお話をして下さいました。御園生先生のお話によると「生物活性水は今まで感覚や経験で植物に効果があると言われているだけで、科学的な根拠を示すまで至っていない。科学的な根拠を示す事でBMW技術は宗教的な技術ではなく、科学的に証明された技術と言う事が出来る」との事でした。そのお話を聞いて科学的に証明する事の大切さを改めて考える事が出来ました。今世の中にはなんとなく効果がある、よくわからないけど良さそうだから使ってみると言った曖昧な物や思考が溢れているような気がします。なんとなくでは人を納得させる事や、考えに賛同してもらう事は容易ではないと自分自身でも感じていた事なので、御園生先生の今後の研究成果によってBMW技術が科学的に証明される事がとても楽しみです。
 続いて二日目は生物活性水を用いて農作物・畜産にどのような効果を及ぼすかを考え、実験していこうと言う若手農業者のグループワークに参加しました。私は果物を作っているので果樹のグループワークに参加させて頂きましたが、果樹生産者の皆さんが生物活性水の力でいい果物を作りたいと言う情熱に感銘を受けました。とても熱心に「生物活性水の力を引き出す為にはどのようにしたらいいか。実験の方法はどうしたらいいか」など忙しい農作業の合間を縫って実験方法を考え、実験結果を記録している事に驚き、自分も何か協力出来る事はないかと考え米沢郷牧場の方の『葡萄のジベレリン処理の省力化と薬剤の低減』と言う実験に協力する事に決めました。
 今回参加させて頂いたこの二日間では、今までBMW技術を学ぶ事を父親に任せてばかりだった自分にとってBMW技術を知るいい経験となり、共に歩んでいきたいと思えるような生産者の方々と交流を深める事が出来てとてもいい刺激になりました。これから協会のイベントには積極的に参加し、農業技術だけではなくBMW技術についてもっと学んでいきたいです。

Author 事務局 : 2015年05月01日 15:20

 
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