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2015年05月01日

【AQUA277号】第25回BMW技術全国交流会への道

第25回BMW技術全国交流会への道
 〜北海道開催に向けて実行委員会がキックオフ!

第25回BMW技術全国交流会in北海道
  今年のテーマは、「いま問い直す、持続可能な農業」

全国交流会は11月13日から二日間です
開催予定地:札幌市内、定山渓温泉などを選定中
第一日目:午後一四時から交流会・懇親会
第ニ日目:午前中は交流会。後に終了
オプション視察:一五日まで延泊して根釧みどりの会(中標津町)、ファーマーズクラブ雪月花(妹背牛町)にて視察交流の予定。
実行委員会構成団体:ファーマーズクラブ雪月花、根釧みどりの会、高松農園、BMW技術協会
実行委員長:石澤元勝(根釧みどりの会 会長)
副実行委員長:田村昌之(ファーマーズクラブ雪月花 代表)

 三月二四日に北海道別海町の西春別公民館にて、第二五回BMW技術全国交流会の北海道開催に向けて第一回目の実行委員会が開催されました。
 出席者は「根釧みどりの会(根釧地域)」から石澤元勝会長、三友盛行氏はじめ九名、「ファーマーズクラブ雪月花(雨竜郡妹背牛町)」から田村昌之代表と市川智氏、BMW技術協会から伊藤理事長と事務局の秋山、㈱匠集団そらの星加浩二氏(根釧地区のプラント点検を兼ねて)。根釧みどりの会のメンバーとファーマーズクラブ雪月花は初の顔合わせとなりました。

○開催に向けて
 現在、北海道のBMW技術プラントは、根釧地域の酪農家グループ「根釧みどりの会」の石澤牧場、三友牧場、岩崎牧場、渡辺牧場、川畑牧場の五箇所。雨竜郡の妹背牛地域の稲作と花卉農家のグループ「ファーマーズクラブ雪月花」に一箇所、恵庭市の高松農園(野菜の施設栽培)に一箇所、全部で七箇所に設置されています。根釧地区はすべて飲水改善プラント、石澤牧場には生物活性水ミニプラントも設置されています。田村農園と高松農園にはそれぞれに生物活性水プラントが設置されています。
 北海道は広く、BM会員農家は広範囲に渡って点在していること、農業形態や栽培品目が異なるなど、お互いの交流が難しい状況にありますが、プラントの設置箇所としては七箇所、拠点としては三箇所あり、北海道というひとつの地域の中に点としてあるBMプラント、協会会員を結ぶことが必要と考えられます。全国の会員の皆さんに、北海道の農業の現状や歴史(本土とは異なるという意味で)を知ってもらうこと、北海道の協会会員の活動、魅力、取り組みなどを知ってもらうことで、今年の北海道での開催は大きな意味を持つのではないでしょうか。また、この機会に北海道での新たなネットワークが生まれてくることへの期待もあります。

○先ずは学習会からスタート
 さて今回は、実行委員会に先だって学習会がおこなわれました。はじめにお互いの組織を知ろうということから、根釧みどりの会の高橋昭夫さんとファーマーズクラブ雪月花(以下、雪月花)の田村代表が、それぞれの組織概要と理念、活動や取り組みについて自己紹介をかねながらプレゼンテーションをおこいました。同じ北海道ですが土地柄と地域、農業の特色が異なります。広大な丘陵地帯に草地が広がる道東の根釧地域、酪農を中心に町や地域が成り立っている。一方で石狩川の中流域で水田地帯が平らに広がる道央の妹背牛町、大稲作地帯であり、減反奨励作物として大豆や玉葱なども盛んに生産されているとのこと。
 続いて、伊藤理事長を講師におこなわれた「BMW技術基礎講座」は、山形県の米沢郷牧場グループでの地域循環の取り組みを交えて(踏まえて)、技術の基礎と生産現場と地域での活用事例報告とBMW技術協会の活動報告がおこなわれました。

○実行委員会
 お昼をはさみ、午後から実行委員会が開催されました。協会事務局が全国交流会を毎年開催する主旨、これまでの開催地や内容の紹介、北海道開催に決まった経緯などの説明をおこないました。続けて日程と開催地、視察についての案をたたき台に概ね開催概要を決めることができました。
 なお、北海道の協会会員は、まだ会員になって新しいということ、お互いの距離が遠いということで、実行委員会の立ち上げはできても、会議の回数は限られてくることから、開催当日の運営などに不安が残りますが、実行委員会事務局を雪月花に置き、主体的に運営を進め、そこをBMW技術協会若手幹事会とBMW技術協会事務局が支えて行くということが確認されました。

○開催テーマは「いま問い直す、
    持続可能な農業」
 開催テーマを決めるにあたり、実行委員長に選出された石澤さんから「皆さんから実行委員長をと言っていただいているけど、実は違和感を抱えています。我々、マイペース酪農の考え方とBMW技術の考え方、技術はもちろん活用させてもらっているし、良い技術だとわかっている。でも根本的な考え方や経済観はどうなのか、どこか違うのではないか。この違和感を交流会自体に問うことになるかもしれない。」という問題提起にはじまりました。
 続けて根釧みどりの会の三友さんからは、「根釧みどりの会、マイペース酪農は「適地・適作・適量」を原則にし、今ではいわゆる自然農といっていい、農業というよりは哲学、そういった生き方を目指している。これは、いわゆる持続可能な世界(環境)を作り、それあっての農業、暮らし、社会。経済が先行している今の世の中は得なこともロクなこともない。今日の講義で生産者も消費者も活用できる技術と聞いたが、BMW技術はこの持続可能な世界を作ること、守ることにどれだけ貢献できるのか、寄与できるのか、その辺が重要な事なのだと思う。むしろそれを色々な人に聞いてみたい。でも一歩間違えば、いわゆる経済優先のビジネス農業も助けてしまう可能性もあると思う。石澤さんが持っている違和感はこのことなのだと思う。」
 これに対し伊藤理事長は「BM的には色々な考え方や人、もちろん問題提起もあった方がいいと思う。もちろん目指すところが同じ、あるいは近くにあればいいが、そこはきちんと話し合うべき。」ということで白熱した議論が繰り広げられることとなりました。
 石澤さんの「違和感」をきっかけに考えて行くと、この違和感はもっと大きな違和感であることがわかってきました。それは市場経済優先主義(市場原理主義)に対してであり、その現実の下、生産者として消費者や販売・物流業者などに感じているものでもあり、それは実行委員共通の「違和感」でもありました。そして三友さんからそのアンチテーゼとして出されたキーワードは「持続可能な世界(農業)を作る」でした。
 伊藤理事長は「いまBMW技術協会は若手が増えてきているが、まわりの農家を見ても作ることや考えることよりも売ることばかり考えて技術や環境を考えることを疎かにしているところがある。お二人の言う経済は、市場原理主義の経済だと思うが、経済についてはやはり考えなければならないだろう。だが、協会としては市場経済優先主義に対抗していこうとしているので、むしろ皆でそこにあえて突っ込んでもいいかと思う。昨年のアジア交流会を通しても、アジアと日本、日本国内においても自然の摂理、気候、農のスタイルに違いはあり、それらは地域の特性にもなってきているのではないのか。その中で暮らしていけば、農業を続けていけば、人それぞれの考え方や知恵もできていく。そこをつないで築いてきたネットワークがあり、それはBMW技術の理念の土台でもあるので、そういった意味でもみんなで一緒に考えていきたい。」
 私たちは市場経済優先主義に立ち向かい「持続可能な世界」を創造する。でも「持続可能な…」というフレーズは多くの人達に使われその中味も様々。「持続可能な世界・農業」を見つめ直し、現在の農業、社会に「問い直す」、そんな交流会を目指して今年のテーマは「いま問い直す、持続可能な農業」となりました。最後に実行委員長の石澤さんは「今日話してみて、最初に話したBMに対する違和感はほぼ無い。今まで誤解もあったかもしれないし、BMW技術協自体も世代交代して変わってきているということがわかった。全国から北海道まで来て下さる方々もいるので、自分自身の勉強を含めて、実行委員長として不安もあるが、期待と希望を大きく持ってやっていきたい。」と白熱した議論は夜遅くなり終了しました。
(報告:BMW技術協会事務局 秋山 澄兄)

Author 事務局 : 2015年05月01日 15:16

 
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