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2015年06月01日

【AQUA278号】中国「みどり農場」が西日本BMW技術協会会員農場を視察

中国「みどり農場」の戴海燕さん一行四名の方が、西日本BMW技術協会会員農場を視察されました

 中国みどり農場の戴海燕さん一行四名の方が、四月二〜三日に西日本BMW技術協会会員を視察交流されました。
 視察にはBMW技術協会秋山澄兄事務局長、西日本BMW技術協会事務局の宮﨑と秦が同行しました。

 戴さん一行が訪問されたのは、熊本県愛農会野菜部、熊本県南阿蘇村、糸島BMです。
 戴さんが経営しているみどり農場のことは昨年一一月のBMW技術全国交流会で発表されています。農場は上海郊外に五年前に作られ、生物活性水と飲水改善プラントを設置して平飼で四、五〇〇羽の採卵鶏・ヤギの飼育、野菜を二haの畑で作っています。野菜は土作りに心がけ、無農薬無化学肥料で作られています。卵も野菜も地元・上海ではとても評価が高いそうです。農場は当初から養豚と養鶏をやりたかったのですが、養豚は許可が下りなかったので養鶏だけでスタートしました。養豚も出来るような様子になったので、日本の養豚農家と結びついた野菜農家を視察したいということで熊本県愛農会野菜部を視察されることになりました。せっかく九州に来られるので、ぜひ西日本BMW技術協会会員のBMプラントを見ていただきたいということで、熊本県南阿蘇村有機肥料生産センター、糸島BM農法研究会の柴田さんのプラントも視察していただきました。
 来訪されたのは戴さんのお連れ合いの徐さんと従業員二名の四名です。

熊本県愛農会野菜部にて(四月二日)
 これまで全国交流会でも発表したことのある渡辺洋一さんの「二mも棒が入る園地をぜひみたい」ということでしたので、案内しました。
 渡辺さんに「渡辺さん、この畑に二mの棒がブスッと入るのですよね。」とお聞きしたところ、渡辺さんは「いやー、今は人参も終わりがけだし、いつも入れて見せるわけではありませんよ。」というご返事でしたが、みどり農場の従業員の方が短い棒を差し込んでみたりしていました。それを見た渡辺さんは遠くに立ててある棒を持ってきて、エイッと差し込みました。そうすると二mとはなりませんが、一・五mくらいは楽々で入りました。一同大満足です。
 渡辺さんは、人参畑の隣の長ネギ畑から長ネギを抜いてその場でみんなにかぶりついてもらいました。これがとても甘くておいしい。
 次に近くのニンニク畑を視察しました。中国のみどり農場でもニンニクを栽培しているようでいろいろ意見交換しました。中国ではニンニクの花(いわゆるニンニクの芽)を活用するがそれがどうなっているかということを聞かれました。日本ではニンニクの芽はほぼ冷凍輸入品であること、実際は収穫しても市場がないこと、直売所などで売られていることもある、というような話をしました。立派なニンニクなので、二本ほど抜いて見せてもらいました。太くて立派でしたがまだ玉になるかなり前で「長ネギのような状態」でした。連休明けから急に玉太りし始めて六月の収穫になるということでした。
 その後、愛農会会長の緒方さんの食堂で、清村養豚場の豚肉を使った豚カツをいただきながら、豚の飼育のことや野菜の栽培の話で盛り上がりました。そして抜いた二本のニンニクは、根っこの部分は“梅肉和え”で、葉の部分は“卵とじ”でとてもおいしく調理されました。“これは酒のつまみに良い”などと盛り上がりました。

熊本県南阿蘇村有機肥料生産センターにて
(四月二日)
 この有機肥料生産センターは、生物活性水プラント(五トン槽×六基)で作った生物活性水を使って堆肥を作っています。宮田センター長に説明していただきました。原料は村内の肉牛飼育農家の糞尿交じりの敷き料が主なものである。堆積させて発酵→下からエアを送るエリアで発酵→そして攪拌発酵ラインで時間をかけて発酵させるということなどを堆肥に挿した温度計も見ながら説明していただきました。みどり農場でも同様に鶏糞を発酵させて堆肥を作っているので話は具体的な水分や温度などに及びます。みどり農場では、南阿蘇村のような攪拌発酵ラインは持っておらず、切り返しながら発酵させるというスタイルです。「こんなラインがあると良いなあ」という話をしながら視察をされていました。

糸島BM農法研究会の柴田周作さんの
   BMプラントと農場視察(四月三日)
 柴田さんの自宅の前にあるBMプラントは、家庭のトイレの糞尿を原料にした生物活性水プラントです。出来た生物活性水をトイレに循環させるとともに野菜栽培に活用しています。
 こんな小さなBMプラントでトイレの糞尿をうまく処理していることを見た戴さんから、「中国でこれが出来ると面白い」という話がありました。柴田さんのプラントは、柴田さんが興味を持って工夫しているから運用がうまくいっていること、日本でも直接糞尿を処理しているBMプラントは柴田さんだけであることなどの話をした上で、設置する本人がよほど興味を持ってやってみる人でなければ難しいという話になりました。
 野菜の栽培ではちょうどグリーンコープに出荷するカラーピーマンの苗の仕立てを見学しました。また間もなく出荷が始まるミニトマトが寒さにやられて困っているというお話もお聞きしました。

そして…視察は以上です。この後、柴田さんの近くにある、売り上げ高日本一(平成二四年に三五億円)の直売所、糸島農協の「伊都菜彩」(売り場面積一二六八㎡)と、グリーンコープの太陽光発電所を見学しました。そして、みどり農場の従業員さん二名の方は内陸出身で「海を見たことがない」ということでしたので、糸島半島の海を案内しました。案内するといっても砂浜で波で遊んだだけですが、とても喜んでいただけました。少し時間もありましたので、大宰府天満宮にもご案内しました。
(報告:西日本BMW技術協会事務局 宮﨑利明)

Author 事務局 : 2015年06月01日 13:01

 
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