« 【AQUA278号】やまなし自然塾の総会が開催 | メイン | 【AQUA279号】パルシステム連合会にて、BMW技術基礎学習会を開催 »

2015年06月01日

【AQUA278号】「新潟BM自然塾」設立から1年、第1回定期総会と第2回学習会を開催

「新潟BM自然塾」設立から1年、第1回定期総会と第2回学習会を開催!

 四月一日、新潟県新潟市のコープシティ花園・ガレッソホールにて、新潟BM自然塾の第一回総会と第二回目となる学習会が開催されました。参加者は謙信の郷、JAささかみ、新潟県総合生協を中心に三六名が参加しました。

 新潟BM自然塾の設立の発端は、二〇一三年に新潟県新発田市で開催された第二三回BMW技術全国交流会の実行委員会でした。新潟県の南に位置する謙信の郷と北に位置するJAささかみの生産者を中心に新潟県総合生協が入る形で実行委員会は形成され、交流会テーマだった「食と農の絆」を基に、食と農の根本的な在り方など、様々な議論を重ねると同時に交流を深め、お互いの生産技術や問題点などについて意見や情報を交換するまでに至りました。そして全国交流会終了後も熱は冷めやらず、農の理念を共有し、有機栽培技術の向上、やがては商品開発や販売促進などに関する情報交換や研究活動をおこない、ネットワーク作りや、目的に沿った情報を発信していく組織として、BMW技術協会の地方協会として設立に至りました。昨年一〇月には「俺の米作り」をテーマに第一回学習会を開催、稲作技術の向上への道、BMW技術の活用事例、それらを消費者にしっかりと、どう伝えていくかなどの話し合いが行われました。

第二回学習会のテーマは、
 「苗八分作の稲作り」
 お米のできの善し悪しは苗のできに大きく左右されるため「苗半作」と言って、良い苗を育てれば稲作の半分は成功したと表現していました。有機栽培となれば八分作だろうということで今回は時期的にも苗づくりがテーマとなりました。

一、「開会挨拶」…新潟BM自然塾共同代表  峯村正文(謙信の郷)
 「もうあれから一年が経ったのですね、この会は北と南の新潟の農家、ちょうどフォッサマグナをはさんで端と端の農家に新潟県総合生協さんが加わって広がるような会です。今日は若者の話も含めて、有意義な時間を過ごしたいと思います。最後までよろしくお願いします。」

二、「BMW技術の基礎・生活の中での活用法と新潟県内に広がるBMW技術」
…BMW技術協会事務局長      秋山 澄兄
 BMW技術の基礎と活用法、特に生活の中での活用としてペットの消臭や植物の栽培、生け花の水などへ利用されていることや、BM菌体などの使い方の紹介がありました。
 その他にも食品工場の排水処理など、農業以外のBMW技術についての紹介、新潟県内に広がるBMW技術として、昨年の一一月に設置された株式会社ナカショク中条農場の生物活性水プラントをはじめ、新潟県内のBMW技術プラントが紹介されました。

三、「苗八分作の稲作り」
①JAささかみ     高山 和彦
 ささかみ地域では三年前に比べると、有機栽培の米生産者は三二名から一五名になってしまい、同時に面積も減ってきている。原因は高齢化もあるが、手間=草取りが大きな課題。この危機を乗り越えるために「ささかみ有機農業研究会」を設立し、有機栽培について考え直そうということになりました。草に負けない、草取りに手間をかけない、そんなことを考えるうちにひとつは強い苗を作ろうということでした。除草機にもまけない苗づくり、マット苗ではなくポット苗を導入しましたが、色々な失敗や課題があり、今年はそれを克服するために準備をはじめているところです。
 また、田んぼに入らない除草機を開発、「パーマン二号」といって、チェーン除草を釣り竿と電動リールを使ってやる画期的なものです。

②謙信の郷     峯村 正文
 健苗を作るには、育苗期間は葉が直立してること、乾物重の高い苗、一葉の葉梢の濃い苗を田植えすること、併せて追肥の技術と資材を選ぶこと。これが重要かなと考えています。そしていい水に出会うこと、これはBMW技術の生物活性水であり、温度の変わらない井戸水です。種蒔きも色々試しました、種籾を四〇g撒くのか一〇〇gなのか。真ん中の六〇gで蒔いたときは根が張り過ぎて田植えが大変。出穂四五日前にどんな稲姿かを思い浮かべ、最後(田植え)までバテない苗を計画的な作業スケジュールを立てて作らなくてはいけないと思います。無理な計画をするとすぐに失敗する、特に有機はスタートで決まってしまう。
 わかっているようで私は苗作りで一〇〇%成功したことはないです。気をゆるめると必ず失敗するし、手間を惜しむとこれも成功なし。こんな爺さんでもアナログとハイテクを組み合わせていく。機械も使いますが、大事なところはしっかりと手作り、当たり前なんだけどじっくり観察して育ててやることでしょうか。そして家族の力が大事です。

③米沢郷牧場グループ
 伊藤 幸蔵(BMW技術協会理事長)
 苗の基本的な考え方は峯村さんと同じです。今年で二七回目の苗作りです。若い時は有機で多収を目指していたので、やはり苗をいかに強く、良く作るかをひたすら考えてきました。そのためにまず、冬は何もないのでしっかりとスケジュールを立てます。特に有機については栽培面積をグループで目標を立て達成していく。苗作りは人それぞれの目的によっても違います。有機の場合は土が大切、しっかりとした育苗の床土を作ること、そして塩水選、温湯消毒、その後生物活性水を希釈した〇〜一度の水に浸漬させます。浸漬する水は三日に一回替えます。生物活性水の希釈倍率についても色々試しました。今は鶏糞堆肥を原料にした生物活性水を五〇〇倍です。以前は牛の尿が原料だったので一〇〇〇倍でした。種籾は七〇g蒔きです、プール育苗はしません、上から生物活性水を五〇〇倍希釈に添加した水を潅水します。この間も葉がきちんと立っているかなど、いくつかのポイントもあります。育苗中はグループで巡回をします、みんなであーでもない、こーでもないと話し合いながらやることも大事だと思います。
 この学習会もそうですが、仲間で共同で学んだりして技術を高めあうことが大事だと思います。特にいまは米農家だけではないですけど、きつい時期にきていると思います。生産者だけでなく消費者の皆さんに伝えながら、一緒に乗り越えていけるようにBMW技術協会含め、みんなでがんばっていきたいと思います
 ちなみに除草は基本的に手押し除草ですが、昨年、ささかみさんからチェーン除草機「パーマン二号」を購入して活用しています。なかなかうまく使えています。

四、第一回総会
第一号議案 二〇一四年度活動報告と会計報告
第二号議案 二〇一五年度活動方針と予算
 無事、承認され、次回の第三回学習会は七月二三日に開催と発表されました。

五、「閉会挨拶」…新潟BM自然塾共同代表 石塚美津夫(食農ネットささかみ理事長)
 今回は第一回目の総会ということで、新潟県総合生協さんから大勢の参加ありがとうございます。今日は雨ですが、この時期は農家にとってムズムズする気忙しいころかなと。次回の総会は二月頃に行いたいと思っています。
 事務局体制もまだまだ不備な点がありお詫び申し上げます。
 新潟BM自然塾はゆるやかな団体にしたいと昨年の設立総会で申し上げましたが、現代の金・効率化ばかりの時代ではなく、きちんとBMの考え方、生き方、自然を愛し、生き物を愛し、環境を考えて生きていくこと。そしてそれを次世代につなげていくことが大切だと思います。これはBMの技術もさることながら理念にあると思います。数や経済の理念ではなく、そういった理念に賛同していただける方のご参加もお待ちしていますので今後ともよろしくお願いいたします。
  (報告:新潟BM自然塾事務局)

Author 事務局 : 2015年06月01日 13:05

 
Copyright 2005 Takumi Shudan SOLA Co.,Ltd All Rights Reserved.